2025年4月12日（土）18時開演 ＮＨＫホール
■ 第2034回定期＜Ａプログラム1日目＞ ■
ベルリオーズ/交響曲「イタリアのハロルド」*
プロコフィエフ/交響曲第４番ハ長調op.112（改訂版/1947年）
［アンコール曲］＊
Ｊ・Ｓ.バッハ／無伴奏チェロ組曲第１番ト長調 BWV1007 (ヴィオラ版) 「前奏曲」
ヴィオラ：アントワーヌ・タメスティ*
指揮：パーヴォ・ヤルヴィ
演奏：ＮＨＫ交響楽団
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今年もパーヴォがＮ響を指揮しに来てくれました。
かつて流れた演目を再度演奏してくれることになりました。プロコフィエフ好きの僕としては、なかなかつかみどころのない曲の評価を受けている第４番が実演で聴けることが本当にうれしいです。とくにパーヴォは曲をまとめるのが巧みなので期待できる演奏会でした。
残念ながら２階に若干の空席はありましたが、演奏会の熱気は相変わらずでした。
タメスティをソリストに迎えた「イタリアのハロルド」が１曲目というのも贅沢です。タメスティがオーケストラを周回(徘徊)しながら演奏し、音楽に動きを見せていました。
結構地味な曲でＣＤでも名盤を探すのは困難ですが、僕は幻想交響曲同様ミュンシュのものが好きです。
音楽的にとても丁寧に仕上げており名演でした。パーヴォらしいバトンテクニックもさえていました。もっと弦を動かし、金管を早めの出しにしてもらっても良かったと思います。個人的にはベルリオーズの幻想交響曲の第４楽章のような派手さをこの曲の最終楽章でも出してもらっても良かったです。非常に丁寧に扱っていたのは間違いないのですが、優等生の仕上がりでベルリオーズにある音の危なっかしさを出してもらいたいと「ないものねだり」の気持ちになりました。
実演ではいつも思うのですが、タンバリン２人とシンバルが本当に大変だと思って聞いています。かなりリズムを動かしていますが、この日の演奏者の方々はきちんと合わせていらっしゃいました。感心しました。
アンコールはバッハのチェロで有名な曲でした。ＣＭでも名をはせましたが、こういう曲を選択されるのですね。
２曲目はプロコフィエフの第４番です。ボストン交響楽団の委嘱です。
ボストンの委嘱で有名なのはバルトークの管弦楽のための協奏曲で有名度は断然落ちますが、評判はいまひとつですね。僕はプロコフィエフらしい曲だと思っています。第１版のマルティノン盤も聞き、大きく異なる曲となっていますが、演奏回数が増えればファンが増すと思います。第５番のようにメランコリックでなく、形式が固まっているわけでもないですが、自由度の高い音楽だと思います。
Ｎ響の演奏は、木管は優れていましたが、金管にめずらしく悲しい演奏がありました。音の出しが難しいのとやはり演奏機会が少ないのが要因だったのでしょうかね。２日目は修正されているかもしれませんが初日はやや不安定な演奏でした。
第４楽章の悠然とした演奏が優れていました。