徴用訴訟の解決策発表1年 韓日関係好転も不安残る(記事)

聯合ニュース 3月3日付

 

【ソウル聯合ニュース】日本による植民地時代の徴用被害者への賠償問題を巡り、韓国政府が日本企業の賠償支払いを政府傘下の財団に肩代わりさせる解決策を発表してから6日で1年になる。  日本企業の資金拠出や直接の謝罪など日本側の「十分な呼応」なしに発表された解決策は、両国関係の最大の懸案だった徴用問題を韓国主導で終わらせるという決定だった。  その結果、昨年1年間に韓日首脳が会談した回数は7回に上り、両国関係は急速に回復。韓米日3カ国協力を強化する基盤をつくった。解決策の履行にもある程度進展があったが、一方で日本の呼応不足は依然、不安要因となっている。 ◇賠償金支給進むも財源不足の恐れ  これまでに、2018年に韓国大法院(最高裁)で勝訴が確定した原告15人のうち、解決策を受け入れた11人に賠償金が支払われた。受け入れを拒否している4人については賠償金相当額を裁判所へ供託する手続きが進む。  ただ、昨年末からは「2次訴訟」の賠償確定判決が相次いでいる。  2次訴訟は、徴用被害者の賠償請求権を初めて認定した12年の大法院判決を受けて別の被害者らが起こした9件の訴訟。勝訴が確定した原告は計52人となっている。  これを受け韓国政府は先月、原告側との本格的な接触を開始した。原告側の意思を確認した上で賠償金などを一括で支給する方針だ。  賠償金を代わりに支給する「日帝強制動員被害者支援財団」の関係者はこれまで接触した原告側の意向について、全般的に「否定的ではない」と述べた。  問題は財団の資金が限られていることだ。  最大野党「共に民主党」の朴洪根(パク・ホングン)国会議員によると、国内外の民間から財団に寄せられた寄付金は計約41億6000万ウォン(約4億7000万円)。これには韓国鉄鋼大手ポスコの40億ウォンも含まれる。財団はこのうちおよそ25億ウォンを原告側に支給した。受け入れを拒否した原告に関しては供託金として約12億ウォンを支出する。  残りの基金で2次訴訟の原告に賠償金と遅延利息を支払うには大きく不足する。別の徴用訴訟も続いており支給対象者はさらに増える見通しだ。  財団側は「民間の自発的な寄与を通じて財源拡充のため努力する」としているが、具体策は説明していない。ポスコ以外に1965年の韓日請求権協定の恩恵を受けた韓国企業の参加はまだ不透明な状況だ。 ◇韓国の不満・日本の不安 日本企業の参加は…  韓国政府内外からは、解決策の安定的な推進のためには日本も誠意を見せるべきだとの声が出ている。  徴用問題を巡る韓日の交渉で、日本政府は日本企業の賠償責任を認めるような寄付はいかなる形式であれできないとの立場を固持した。このため韓国政府はひとまず日本企業の参加がないまま解決策を打ち出したが、これら企業が自発的に財源拡充に寄与する可能性を踏まえて「誠意ある呼応」を促してきた。  しかし、被告企業を含めて日本企業が財団に寄付する動きは確認されていない。外交筋からは「韓国の不満、日本の不安」との言葉が聞かれる。韓国は悪化の一途をたどった両国関係の回復へ主導的に努力したにもかかわらず、日本側が相応の対応をしていないとの不満を、日本は解決策の法的な側面や韓国の対日政策の持続性に不安を、それぞれ抱いているというものだ。  今後、解決策の履行が軌道に乗れば日本企業も前向きに参加を検討するのではないかとの見方もある。  また、韓日政府は、解決策をきっかけに急速に進んだ関係改善の流れを維持すべきとの強い共通認識を持っている。  先月、徴用訴訟で日立造船が韓国の裁判所に預けていた供託金を原告が受け取り、一連の訴訟で日本企業の資金が初めて原告側に渡ったことに関しても、両国は事態を拡大させなかった。  韓国の大統領室高官は今月1日、「今後の進展状況により日本側も誠意を見せることができ、これこそが力を合わせて残された宿題を解決していく過程」と強調した。

 

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徴用解決策 日本企業不参加も「進展すれば日本も呼応」=韓国政府(記事)

聯合ニュース 3月3日付

 

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は5日の定例会見で、韓国政府が徴用問題の解決策を発表してから1年が経つが日本企業が参加していないとの指摘について、「解決策が進展すれば日本もそれに呼応すると考える」と述べた  韓国政府は昨年3月6日、勝訴が確定した徴用被害者への賠償金を被告の日本企業に代わって政府傘下の財団「日帝強制動員被害者支援財団」が肩代わりする解決策「第三者弁済」を発表した。韓国側は日本企業による財団への出資などを期待したが、これまで日本企業は参加していない。  任氏は同解決策に関し、「厳しい国際情勢や世界の複合危機のなか、韓日両国が信頼を回復し両国の協力を引き出したきっかけ」として、「合理的な方策」と評価した。そのうえで、「韓日関係の転換点になるよう関連措置に万全を期する」とし、「来年の国交正常化60周年を機に韓日関係を一段階発展させるよう外交部としても積極的に努力する」と述べた。  2018年の大法院(最高裁)で勝訴が確定した訴訟の原告15人のうち政府の解決策を受け入れた11人に賠償相当額が支給された。新たに勝訴が確定した原告らとも接触している。  任氏は「最近確定判決を受けた被害者や遺族のうち多数が解決策に前向きな反応を見せている」として、解決策に対する理解を求めていく方針を改めて示した。

 

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<私の意見>

 

 徴用工問題については、韓国側が「賠償としている案件」が韓国の反日意向のある密室(大多数の韓国人の意向に沿った)で行われていることに大きな問題があります。

 日韓関係において1965年に解決したはずの問題が、韓国政府のその後の不手際により韓国内で解決していない問題を、日本企業の問題として今も「謝罪問題ならびに賠償問題」として存続しています。

 

  徴用工解決提案を韓国が行ってから1年間が経過しました。

 

 その間で日本が一方的に妥協したことは以下の通りです。

① レーダー照射問題を不問に付したこと

② 貿易問題で韓国をホワイト国に復帰したこと

③ 徴用工問題の日立造船に対する裁判において同社が裁判所に預けた日本円にして670万円余りの供託金の差し押さえについて「遺憾」声明のみでなんら対応を行わなかったこと

 

 これに対し韓国が声をひそめた事柄は以下の通りです。

① レーダー照射問題で日本側の哨戒機が低高度で船に近づいたと言わなくなったこと

② 貿易問題で日本をホワイト国にしたこと

③ 福島の原発処理水について「汚染水」という表現で正面切って日本に文句を言わなくなったこと

 

 日本側にとって、いわれのないことを韓国側が言わなくなったに過ぎないということですが、それでも大きな雑音が減少したのは間違いないことなのですが、レーダー照射問題についても、半導体にかかる素材の問題についても韓国の罪を追及できなかったことは、今後起こるであろう日韓の問題で、解決にあたって、「(従来通り)日本が妥協して解決を図る」というパターンは今回も変わらなかったということです。

 そのうえでシャトル外交を続けていくという確認をしていることは正しい外交でないのは確かです。

 

 韓国はいつでも左派政権に代わる可能性があるので、その際に新たに制裁措置を取るエネルギーは相当大きなものになるのは間違いないです。

 供託金の差し押さえについても、単に裁判所の範囲でとどまるのかどうかもわかりません。

 

 1つ目の記事にもあるように、徴用工問題の裁判は、いずれも原告側が100%勝利し、賠償金が支払われる構図に変わりがないため。いずれ第三者弁済の資金になる基金は枯渇することになります。

 仮に原告が徴用工であったかどうかをきちんと検証することなく、賠償金を支払うことが正しいかどうかを問題にすることも関係なく、韓国政府と日本が1965年に支払った経済協力金を手にして経営を拡大した企業で支払うのが当然のことでしかないです。

 

 韓国内政府からしきりに出される言葉として、日本株が好調で企業資産も向上している日本企業からの資金提供を求めるが顕著になっていることです。

 韓国企業の業績が悪化し、韓国政府の財政の悪化も進んでいる中で、額の大小に関わらず、韓国民の風当たりも大きくなるのは間違いないです。

 

 日本側が沈黙に徹しているのは、韓国で春に実施される選挙を見据えてのことであるのは間違いないです。ここで下手に日本側が高圧な態度を取ると、反日姿勢を取る野党側に票が動くことが確実なので、「与党側の勝利となる」選挙が終わるまでは、強い言葉で韓国を非難するのは避けようということかもしれません。

 けんか腰になることが得策でないことは理解できますが、戦後、日韓関係において「どこまでが日本の義務、どこからが韓国の義務」ということが今も線引きできていません。

 いまだに韓国側の「日本に対する甘え」と「日本に対する『無責任な責任論』」をいつまで受け入れるのでしょうか。

 

 ひとつだけ、日本が学習しているのは、たとえば半導体において、韓国をサプライチェーンから、今もはずしていることです。

 韓国側(特に韓国マスコミ)からしきりに日米とのサプライチェーンの構築を提案するとともに、日本の技術力を評価する言葉は出ていますが、過去に日本から技術を盗み、それがブーメランになって自分たちの首をしめてしまったことを反省したのは間違いなく、仮に政府間対話で「(韓国側からの)協力(中身は「支援」ですが)」に対し、大きな変化が見えていないのは救いです。

 

 それでも、サムソンが神奈川に作る「研究施設」(日本の技術を盗もうとする「トロイの木馬」)に支援をすることを打ち出していることに対し、我々は警戒すべきです。

 

 現代自動車がEV車販売に特化する方針でしたが、問題ばかりを抱え、ハイブリット車もまともに作れなかった中で、トヨタが表明した全固体電池で走るクルマの「技術確保(盗み)」に全精力をかけてくるものと思われます。

 とにかく、弱体化したためにここのところ韓国はしおらしくなっていますが、信頼できるもっと言えば理解できる相手ではないことは間違いです。

 

 なお、1965年の意味、国際法の履行云々の記載がこれらの記事には一切ありません。都合の悪いことは一切、出さず、常に相手への要求ばかりをし、自己批判、自己分析ができないのは相変わらずです。