僕は音楽好きではあるのですが、決してオーディオマニアとは言えません。

 中学生時代からクラシック音楽を中心に聴くエアチェック派でした。

 それでも、それなりに自分で気に入った音質で聴きたいという欲求はあります。

 

 10年前までは記事にも書いていたのですが、僕の世代のクラシック音楽音源は必ずしもレコード(CD)、現在ならパソコンかららのダウンロードではなく専らカセットテープによるFM録音から音源を確保していました。

 そのFMも当初は家にきちんとアンテナを設置していないので多少雑音が入る状況でしたが、あるとき親がテレビを買い替えるときになり、電気屋さんが僕が音楽好きということを知って、新しいアンテナとは別に古いテレビアンテナを撤去せずFMで使用できるようにしてくれたおかげで俄然クリアな音でFMの音が聴けるようになり、エアチェックにもいそしみだしました。

 

 知恵のついた(悪い)子供だったので、当時大形の塾に通っていた際、授業を録音したいと親に申し出て(だまくらかして)、SONYのウォークマン・プロフェショナルWM-D6を購入してもらいました。

 知る人ぞ知る、大変な名機でそこらあたりカセットデッキより全然性能が良く、当時定価が64,000円でしたが、デッキとして使用しても9万円レベルの能力があり、もちろん授業録音も使用していましたけど、帰宅後はせっせと海外の演奏会を録音していました。

 

 

 WALKMAN_PROFESSIONAL(WM-D6)

 

 カセットテープの山ができてしまったのですが、数十年経過した現在も、もう2度と聴くことはありませんが一部(100本程度)は手元にあります。貴重なものはMDにダビングし直しましたけど、MDの再生機も使用しなくなりました。

 一番の宝物は小澤征爾さんがウィーン芸術週間でウィーン・フィルと演奏したストラヴィンスキーの「春の祭典」でした。

 ザルツブルグ音楽祭以外で小澤さんが初めてウィーン・フィルを振ったものです。但しこれは残念ながらもう手元にはありません。

 you tubeにも昔の音源が流れていますが、僕のようにエアーチェックにいそしんでいた方がいらっしゃるのでしょうね。

 さらに言えば、海賊盤CDの中には同じFM音源のものがありますね。普通に聴いていて、FMのノイズが入ったものが出回っていますね。たとえば、ムーティ=ベルリン・フィルによるヴェルディの「聖歌四篇」、バーンスタインがウィーン・フィルと演奏したショスタコーヴィチの交響曲第5番やプロコフィエフの交響曲第5番です。レアですよね。

 

 いつも書き込みをしているのですが、探しても探しても音源が出てこないのは小澤征爾さんがフランス国立管弦楽団と演奏したマーラーの交響曲第8番です。どこかに音源が埋もれているはずですが、出てきません。ネット検索しても影も形も出てこない超々貴重な代物です。ベルリン・フィルとのものはupされているのですけどね。

 

 それはともかくとして、大学卒業後は、チョロチョロと演奏会に出かけたりし、またCDも次々と販売し始めたので、音源の安定化が進み、オーディオもいくつか買い換えました。パイオニア主体からケンウッド主体とし、今はマランツ(アンプもCD)を愛用しています。そしてスピーカーはよくわからないままに導入したJBLをずっと使用してきました。

 

 

  使用していたJBLスピーカー

 

 

 今持っているCD再生機、アンプは凡そ2003年モデルで20年も手元にあります。その音源再生機はとても気に入っていて変える気持ちはいまだありません。

 

 ところがスピーカーは取り扱いも大変で、もっと小ぶりな機械に転換したいという気持ちも起き(1回膜が劣化し張り替えています;修理費用に新しいスピーカーが買えるにも関わらず)、ここ最近、秋葉原を徘徊しはじめました。

 当初、同じJBLで新しいのをと思っていたのですが、最近のJBLの音はかつての音と方向性が異なっているような気がし、食指が動きませんでした。

 そこで他社のものも視聴することにしました。

 あまり気にしていなかったのですが、メーカーで音の違いがやはりありますね。

 

 基本は高音が潰れず、1970年以前の録音でもオーケストラ内のチェロの性格がきちんと出てくれるものを購入基準と考えていました。

   従来のJBLでも高音はきちんと出ていたのですが、全体の音は抑制されたというか、霞が少しかかったような感じを受けるようになってきました。

 歳をとったせいか、もっとシンプルな音を聴きたいと思うようになりました。

 

 気に入ったメーカーが2社ありました。DALIとKEFのスピーカーで気に入ったものがありました。

 我が家は防音装置もなく、近隣と接しており、というよりも他部屋で過ごす妻が小言を並べるので大型スピーカーを配置することができないという制約があります。

 やむなくあまり大きなものが選べません。

 かと言って、大きいスピーカーを抑えて聴くのも忍びなく、小型スピーカーで少し出力を上げて聴く事にしたいと考えました。

 

 クルマで例えるならGT−Rを市道(高速道路も含め)で抑えてドライブするのではなく、ユーノス・ロードスターの小排気量車やS660を峠でそれとなく走る方法を取りたいというイメージです。

 

 の中でKEFのQ350とDALIのoberon3の音がとても気に入りました。そしてKEFの直接的で飾りのない音にときめきました。JBLで出てこなかった音が明瞭に復元されているのにとても驚きました。

 結果として昨日(12/24)、自分用への「クリスマス・プレゼント」としてKEFのQ350を購入してしまいました。

 

  (購入)KEF Q350

 

 

 (第二希望)DALI OBERON3

 

 こもりがなく、まっすぐな音を確保することは、これからの僕の音楽生活にとても大事なことです。

 今後、長らく聴いていこうと思うクラシックアーティスト等はいろんな全集や海賊版を手にしたカラヤンは別格として、ジョージ・セル、サー・ジョン・バルビローリ、(当然)小澤征爾さん、クラウディオ・アバド、ロリン・マゼール、ジェームズ・レヴァイン、バイロイト音楽祭のライブCD群、ケンプ、ポリーニあたりを想定しています。

 あとはジョー・スタフォードを始めとした1940~50年代の米国のジャズ、ポピュラーの女性ヴォーカルと過ごしたいと思っています。

 休みになる12月29日に届けてもらうこととしました。妻から最大限のバカ呼ばわりをされそうな年の瀬です。