1・2審で食い違う国家免除とは…慰安婦判決、永久未解決で残るのか(記事)

中央日報:12月11日付け

 

  旧日本軍慰安婦被害者が韓国の裁判所の判決を通じ日本政府から賠償を受ける権利を確保したが、日本政府は韓国司法の裁判管轄権自体を認めておらず、実質的賠償はまた遠ざかった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権になり韓日間の未来協力が本格化することとは別個に過去史被害者に向けた司法の正義実現は依然として未完だ。

ソウル高裁は先月23日、日本政府が金福童(キム・ボクドン)さんら慰安婦被害者16人に1人当たり2億ウォンの損害賠償金を支給するよう命じる判決を下し、日本が上告しなかったことで判決は9日に確定した。日本政府が上告を含む裁判手続きに一切参加しなかった根拠は「国家免除」だ。国家免除は特定国の司法府が第三国政府を司法的に判断し罰するのは主権侵害に当たるとみる国際法的原則だ。

 

◇1・2審で分かれた「国家免除」とはなにか

 慰安婦問題をめぐる国家免除問題は韓国司法府内でも互いに相反した判決が下されるほど尖鋭な問題だ。2審判決に先立ち2021年4月に1審裁判所は国家免除を適用し慰安婦被害者の訴訟を却下した。

慰安婦被害者らと市民団体の一部では戦時性暴行など反人権的戦争犯罪には国家免除を適用できないという立場だ。実際また別の国際法原則である「強行規範」は奴隷売買、集団虐殺、拷問など普遍的人権を蹂躪(じゅうりん)した反人道的犯罪の場合、国家の主権より被害者の人権と名誉回復を優先視する。

ただ裁判所が独自に国家免除の可否を判断する事例が累積する場合、裁判所ごとに相反した判決が下される司法の混乱だけでなく、外交紛争に飛び火しかねないという指摘も出る。また、韓国政府も国家免除の原則から自由でない。ベトナム戦争での民間人虐殺と関連し、韓国政府の損害賠償責任を初めて認めた2月のソウル中央地裁の判決が代表的事例だ。

当時裁判所は韓国が訴訟を提起したベトナム人に3100万ウォンを支給するよう命じた。

韓国政府関係者は「西側を中心に多くの国では国家犯罪や外交行為に対しては最初から裁判自体を自制する『司法自制の原則』が制度化されている。犯罪の責任を問い被害者の名誉を回復することは重要だが、司法の判断だけで全てを裁く場合、外交的協議と交渉を通じてこれを実質的に解決する余地が減る」と話した。

 

◇「司法の正義」の実現は可能なのか

 今回の判決は司法府が慰安婦被害者の痛みを抱えて日本政府の責任を認めた点で意味が大きいが、日本政府の賠償金支払いを命じた判決を履行する現実的手段がないというのが問題だ。

2018年に日本の戦犯企業(三菱重工業、日本製鉄)に強制徴用被害者への損害賠償金支払いを命じた判決の場合、被告の賠償金支払いが遅れると強制現金化措置がなされた。だが慰安婦判決の場合、被告は企業でなく日本政府だ。現金化措置に向けては日本政府の国内資産を強制的に売却しなければならないが、在韓日本大使館をはじめとする外交資産は「外交関係に関するウィーン条約」により保護されため強制執行の対象と見なされない可能性が大きい。

 

 現金化が可能な日本政府の財産を探すとしてもこれを推進するのは韓日両国間の外交悪材料に広がる可能性が大きい。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が2021年1月の新年記者会見で強制徴用判決履行と関連し日本企業の国内資産を現金化する措置に対し「強制執行や現金化で判決が実行される方式は韓日関係において望ましくない」と話したのも同じ脈絡だ。

申珏秀(シン・ガクス)元駐日大使は「国際法上の国家免除は裁判段階でだけでなく裁判が終わってから判決を執行する過程でも適用される原則。今回の判決で慰安婦被害者は司法的に勝利したが、判決履行に向け在韓日本大使館の資産が強制的に売却される可能性はほとんどない」と話した。

 

◇「慰安婦合意尊重する」がストップした履行

 慰安婦判決と関連、韓国外交部は「2015年の韓日慰安婦合意を国家間合意として尊重する」という立場を数回にわたり明らかにした。両国が合意を通じて「慰安婦問題の最終的かつ後戻りできない解決」に同意を集めただけに慰安婦損害賠償判決と関連して日本を圧迫する考えはないという意味と解説される。日本もやはり判決を認めないが感情的対応を控えるのは国同士の対立に飛び火することを望まない姿勢とみられる。

 ただ慰安婦合意を尊重するという表向きの立場と違いこの5年間合意精神は履行されずにいる。2018年11月に文在寅政権は慰安婦合意の核心結果である「和解・癒やし財団」を解散するよう決めながらも合意そのものは破棄しない曖昧な立場で一貫したためだ。財団も解散手続きが完了したが、法的な清算手続きはまだ終わっていない。財団清算に向けては日本の出資金のうち残金56億ウォンに対する処分計画書を作成・執行しなければならない。

外交消息筋は「韓国政府は慰安婦合意を尊重するというが実際には合意自体を水面下に閉じ込めて動かない矛盾的状況が続いた。慰安婦判決後に国内的課題である被害者の説得と名誉・尊厳回復に向けても合意の産物である和解・癒やし財団の曖昧な法的状態を終わらせ、日本の出資金を合意精神の履行に活用しなければならない」と話した。

 

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<私の意見>

 韓国のマスコミはまだこのようなことを言っています。

慰安婦問題において、韓国司法は「日本国政府に対して『有罪』」を突きつけていますが、この判決は本来簡単に下せるものではありません。

 

 この判決を下すにあたり、韓国高等裁判所は、本来は以下のハードルを全て克服すべきだと思います。実際は韓国民の感情に迎合し、判決をしてはいけない、もっと言えば、日本側との交渉なしに一方的に韓国司法がその権限において判決を下せるものではないと思います。

 記事内で申珏秀(シン・ガクス)元駐日大使が「今回の判決で慰安婦被害者は司法的に勝利した」としていますが、こういう表現を使用すること自体、判決の有効性について、文章をきちんと理解できる能力のない韓国人に誤解を与えるので控えるべきだと思います。

 

①  慰安婦の証言を信じ、日本政府を断罪していること

<概 要>

 金福童(キム・ボクドン)(1926.4.19生としている)を含め、慰安婦被害者16人に1人当たり2億ウォン(2,000万円相当)の損害賠償金を支給するよう命じていますが、それぞれが慰安婦だったのか、また本当に騙されて慰安婦になったのかが不明。

 日本軍慰安婦としていますが、朝鮮戦争時の米軍相手の慰安婦も含まれている可能性 があることが指摘されています。

一人一人の検証がされておらず、証拠もなく、一律損害賠償を請求できるのでしょうか。

 

②  日韓基本条約請求権協定で、日本国に対する請求が全て完了しているにも関わらず、新たな請求が実施すれていること

<概 要>

 日韓基本条約は1951年9月のサンフランシスコ講和会議後、米国の仲介により10月から日韓で交渉が開始されました。

留意事項として、韓国側はこの国交正常化交渉前に、連合国に対して、「日韓基本条約締結のための交渉の際にも同様の立場を継承したうえで、韓国側は対日戦勝国、つまり連合国の一員であるとの立場を主張し、日本に戦争に係る賠償金を要求しました。さらに1951年1月26日、李承晩大統領は「対日講和会議に対する韓国政府の方針」を発表し、サンフランシスコ講和会議参加への希望を表明」し却下されています。ちなみに1948年8月13日、李承晩が大韓民国政府樹立を宣言しています。韓国政府は独立国であるという正当性を示すため1919年(大正8年)の日本の統治下朝鮮半島で起こった三・一運動後、海外で朝鮮の独立運動を進めていた活動家李承晩、呂運亨・金九らによって、上海で結成された朝鮮民族の組織を「大韓民国臨時政府」としており、1951年1月に連続的につながっていますが、「ゲリラ活動(運動)」以上のものの証明がされるべきです。李承晩が参画していたことを除いて、それを第3国が受け入れた事実がない中で、憲法の前文に掲載されているということで他国を説得するには無理があるように思います。

 

 その日韓基本条約を締結するための交渉ですが、1965年の条約締結まで15年間の交渉を続けており、第7次会談まで行い、韓国政府は「個人への補償は韓国政府が行うので日本は韓国政府へ一括して支払って欲しい」とし、現金合計21億ドルと各種現物返還を請求しています。なお、この課題は「徴用者に対するもの」に限定されているといことで、後年度新たな交渉を安倍首相と朴槿恵大統領下で行っています。

 本来、請求すべきは、この請求権協定時に実施すべきであり、当時の韓国側為政者についても、民間が軍に従軍する高収入の慰安婦(売春婦)は存在するものだという観点から請求対象にないと理解していたものと

 

韓国側のこのような行動に対して、日本は1990年代にも宮澤首相、河野自民党総裁が政府間で解決をはかっています。それにも関わらず、新たに韓国内で訴訟を起こし、日韓間に大きな大きな障害を作り上げてきています

 

 

③  日韓合意を実施したのにも関わらず、合意を一方的に破棄し、さらに韓国が要求しようとするという事実

<概 要>

 金泳三大統領時代(1993~98)に慰安婦問題が表面化し、この時期アジア女性基金制度を創設し、フィリピン、台湾、韓国の元慰安婦に対し、1人当たり200万円の支給をしました。

 しかし、その後金大中大統領を経て、李明博政権下、2011年8月に慰安婦を「憲法裁判所」未解決問題とし、先に記載した請求権協定の中で、これらに問題が議論されておらず、「韓国政府の不作為は違憲」という判決から、韓国側の一方的な提起により問題を表面化しています。李明博政権は当時の民主党の野田首相に対して、竹島上陸や天皇陛下に対する侮蔑発言とともに攻撃をしかけてきました。

 請求権協定による解決、アジア女性基金での解決も飽き足らず、第二次大戦中の「戦時下の性の問題」を、戦後の人権意識の高まった考え方で日本を糾弾するという「遡及的措置」で糾弾する方法を取ることとしました。

 韓国政府は、追及にあたり、人権意識が強い団体、組織、さらに米国に「弱い韓国と傲慢な日本」を強調し新たな追及を始めたという状況でした。

 自己主張が極めて苦手な日本は完全に防戦の形に陥ってしまいました。

 

 2015年(平成27年)12月23日の日韓外相会談でなされた日韓間の慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した日本政府と大韓民国政府の合意である。日本側の公式名称は日韓合意が当時の岸田文雄外相と尹炳世外交部長官で再度交渉が行われ、米国が証人になる形で合意するはずでしたが、文政権が一方的にこれらの合意を国家間の取り決めから、安倍首相と朴大統領の個人的な合意と言い方にしてしまいました。

 なお、和解・癒癒し財団を解散したことで、元慰安婦で自称被害者とした人たちの相談機関を失うことになってしまったということがあります。

 

 この財団解散を前後に再び日本政府に要求を突きつける裁判が開始になり今回の第2審の判決になっています。尹美香(ユン・ミヒャン)の暴走により合意が木っ端微塵になっていますが、第1審では悪の限りを尽くした尹に対して、罰金50万円というほぼ無罪判決を行うという暴挙を行っています。

 

④  国家免除があるのにも関わらず、原告の要求を認めた韓国司法の判決を下しているにも関わらず多くの韓国人は判決の有効性を支持するという現実

<概 要>

 反日思想が国家のアイデンティティーである韓国は、「反日無罪」という精神構造しかなく、「韓国『絶対善』、日本『絶体悪』」という観点でしか誰も思考できず、国際法に抵触しようがしまいが、「起点の日本悪」に対して、裁きを与えるのが当然の正義だと信じようとしている(疑おうとしないしない姿勢)状況です。

 これは、本来中立の立場で報道すべきマスコミも、韓国に有利になる事案だけを探し出し、日本を「裁ける」とするミスリードを長年続けたことにあり、これにより、韓国がどういう立場になるかを全く無視した行動をとっています。

 

 

【結 論】

 これにより、国民全体が間違った判断に引っ張られるだけでなく、「嘘の歴史」を作り上げ、解決が永久に困難な状況にしてしまっています。

 韓国政府も、国威発揚あるいは自分たちを支持する勢力を拡大させるため、真実を知りながら放置することを選択しました。

結果として、韓国の高等裁判所の判事が下した判決がそのまま、放置されることが問題となり、さらに自国で収拾がつかなくなった問題を、日本にさらに解決させる対応を平然と採用しています。

本来は行政と司法の間で外交に関わる判決の範囲を線引きできなかったことに問題があります。文政権時代に大法院の裁判長高裁判所長官にあたる大法院長にウリ法研究会の会長を務めていた金命洙(キム・ミョンス)という人間を春川地方裁判所長から抜擢し、韓国司法を崩壊させてしまっています。

 

 司法が機能しておらず、北朝鮮が裁判を実施し、判決を下した状況になっています。本来国際法を無視したこの裁判官は更迭されるだけでなく、司法を実施するための免許をはく奪されるべきですが、北朝鮮追随勢力に司法人事を完全に掌握されてしまったことが韓国の悲劇です。

 来春、韓国は国会議員選挙があるため、この判決に対する評価にコメントを与えられないでいます。

 かつて、文在寅は、財団を解散したにもかかわらず、「慰安婦合意は有効」という言葉を発しています。この合意に米国政府が深く関与していたこともあり、手続きに対して異論を唱えられないためです。

判決を尊重する立場とし、国際法を無視した判決に対しても、司法を尊重する立場として静観視することとなりました。

 

 記事の題にもあるように、この判決は日本政府が大法院に上告することはないので確定します。

判決内容を執行するか否かは韓国側の行動にかかっており、政権が「より反日」であれば、日本政府の財産を何かの形で実施することが考えられます。

 国家財政が破綻寸前になっていることから、この判決を理由に本来日本に返済すべき資金等を踏み倒すことも考えられます。

 

 先般、日韓通貨スワップ(残念ながら米韓間で取り交わされた為替スワップでなく『通貨スワップ』:無能の岸田君らしく!)は1兆円枠で締結しました。

日韓関係は、慰安婦判決、永久未解決なだけでなく、未来永劫日本は韓国の面倒を韓国民からまるで感謝されるだけでなく見続けるということです。