指揮:キリル・ペトレンコ

演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 

<プログラムA>

モーツァルト/交響曲第29 番イ長調 K.201
ベルク/オーケストラのための3つの小品 op.6
<プログラムB>

ブラームス/交響曲第4番ホ短調 op.98

レーガー/モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ op.132
R・シュトラウス/交響詩『英雄の生涯』 op.40

【日程・会場】
2023年
11/14(火) 19:00開演 レクザムホール(香川県県民ホール) (高松) プログラムA
11/16(木) 18:45開演 愛知県芸術劇場コンサートホール (名古屋) プログラムB
11/18(土) 14:00開演 アクリエひめじ (姫路) プログラムA
11/19(日) 14:00開演 フェスティバルホール (大阪) プログラムB
11/20(月) 19:00開演 サントリーホール (東京) プログラムB
11/21(火) 19:00開演 ミューザ川崎シンフォニーホール (川崎) プログラムA
11/23(木・祝) 14:00開演 サントリーホール (東京) プログラムB
11/24(金) 19:00開演 サントリーホール (東京) プログラムA
11/25(土) 14:00開演 サントリーホール (東京) プログラムB
11/26(日) 14:00開演 サントリーホール (東京) プログラムA

 

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 今回のベルリン・フィルの来日公演は10日余りに渡って展開されました。東アジアツアーは韓国と日本の2か国であり、日本では10公演も行ってくれました。2017年の公演では東京・川崎で3公演のみでチケット確保が非常に困難でしたが、今回は発売日以降も高額な席についてはしばらく購入ができました。但し、S席45,000円は凄いですね。ベルリンまでの往復を考えればお安いと思わなくてはなりませんが、地方から東京に出てこられ、複数公演を鑑賞された方はベルリンとは言いませんがマニラぐらいの遠征はした感があるのではないでしょうか。

 

 ベルリン・フィルはもしかすると、オーケストラ機能だけでいうと、現在世界一ではないかもしれません。ロイヤルコンセルトヘボウやシカゴ交響楽団が上回っていることもあり得ます。それでも今回の演奏も全く輝きを失せていませんでした。

 

 今回の来日公演にあたり末端ではりますが、参観の栄に浴せたことに感謝しています。

 

 オーケストラが今後どのような方向に向かっていくかを考えることがあります。

 かつて、トスカニーニの大ファンだった頃(今もファンです)、あのモノーラル録音がステレオで聴けないだろうか思っていました。トスカニーニやフルトヴェングラーの古い音源を利用して疑似ステレオや電気的なステレオ復元が行われてきていましたが、いずれ、AI技術により「それらしい復元音」が世に出回ると思います。

 

 同様に、オーケストラそのものも同様にロボットによる再現演奏が可能になる時代がくるでしょう。ジョージ・セルとクリーヴランドの再現がサントリー・ホールで再現されることもあると思います。

 同様に、フルトヴェングラーやカルロス・クライバーのベートーヴェン、ムラヴィンスキーのチャイコフスキーも実演で聴ける日がくるでしょう。

 もしかすると、さらにAI技術を駆使するとカラヤンにより録音がされていないマーラーの8番や「グレの歌」が提供される日が来るかもしれません。合唱をどのように展開するかは課題ですけどね。

 

 しかし、今回のベルリン・フィルの演奏で、音以上に感動したもの、視覚、息遣い、体温を含めたものも聴衆に感動を与えてくれました。

 定期的に在京オーケストラの演奏会にも足を運ばせていただいていますが、今回の感動は特別なものでした。

 大学生から演奏会に通わせてもらっていますが、自分の中で「宝物の経験」になることはそんなにあるわけではありません。

 今回はそれに匹敵する経験をさせてもらったと思います。

 

 このような経験ができて良かったです。

 ベルリン・フィル来日に御尽力いただいた皆様、そして楽団員の皆様、マエストロ_ペトレンコ、そしてサントリーホール(の存在)に感謝します。ありがとうございます。