【時視各角】海の汚染、政治の汚染=韓国(記事)

5月25日付 中央日報

 

#1.2011年3月の福島の記憶は強烈だった。マグニチュード(M)9・0の東日本大震災と最大39メートルの高さの津波が東北を襲った11日午後2時46分、私は偶然にも出張のため東北にいた。電気・通信・水道がスベテ途絶えた。強い余震のため眠れなかった。経験したことのない、死の門の前にまで行ったぞっとする世界だった。東京に戻るバスの中で福島原発1号機の水素爆発を聞いた。

14日に3号機が、15日に2号機と4号機が爆発した。放射能雲が雨を降らせて東京を襲った15日を覚えている。当時、原発周辺ではヨードとセシウムなどあらゆる放射性物質が検出された。3カ月が経過して米カリフォルニアに福島の残骸が流れ着くと「カリフォルニアのプルトニウムが増加した」と声も出てきた。また「黒潮海流に乗って1、2年後に韓国に放射能海水が流入する」という話が広まった。当時は私もそう信じた。事故当日の強烈な記憶のためだった。しかし結果は違った。放射能汚染水がいかなる浄化処理もされずに海に流れたが、広大な太平洋で完全に薄まった。「データに立脚した科学」と「私の頭の中の懸念」は違ったのだ。

その後、日本は止水工事をし、3億ドルを投入して氷の壁を構築した。すると放射性核種が64種から30種に減った。農産物も同じだ。「福島産の農産物を食べればがんになる」という怪談が韓国に広まった。ところが5年間にわたり福島産コメ1000万袋を全量測定すると、99.99%が1キロあたり25ベクレル未満(基準値100ベクレル)だった。徹底的な除染の結果だった。それでも信じない人たちは「日本が嘘をついている」と言った。放射性物質が「どれほどあるか」ではなく「あるかないか」で問いただし、想像に近い仮定を基準にした。専門的な知識も、ぞっとする経験もない人たちがそのようにした。

#2.韓国の福島視察団をめぐり、最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「安全性がまともに検証されていない汚染水の投棄は最悪の放射能投棄テロ」とし「我々も汚染水テロ、放射能テロの共犯と指摘されないか心配だ」と述べた。「共に使用する井戸に毒劇物を入れながら『これは安全だ』と主張するのと同じ」とも話した。韓国国民の安心に対する懸念なら十分に理解できる。しかしこのように安全性自体を否認して「テロ」「毒劇物」と煽るのは非理性的だ。

多核種除去設備(ALPS)で処理し、世界保健機関(WHO)の国際許容基準を越えないように薄め、これを国際原子力機関(IAEA)が検証した水が、どうして放射能テロになるのか。なら、これを認めた米国・フランスなどG7国家はすべてテロ支援国なのか。福島原発沖の試料、そしてタンク貯蔵汚染水試料を分析するIAEA調査チーム2つに共に入っている大韓民国の科学者は毒劇物容認者ということか。言うべき言葉、言うべきでない言葉がある。扇動ばかりするのではなく、確実な科学的論拠を取り上げながら国民の安心を得る代案を提示しなければいけない。それが政治のレベルだ。

先週末、G7サミットが開かれた広島で改めて痛感したのがG7国家と参観国の格差だった。G8になるには国力だけでなく国の品格も伴わなければいけない。法と国際秩序の尊重が核心だ。G7は共同声明で「安全基準と国際法に基づいて実行されるIAEAの独立的検証を支持する」と強調した。

ところが韓国だけは明確な根拠もなく、中国や北朝鮮のようにIAEAを否定し、そして科学を「たわごと」という。金南局(キム・ナムグク)議員のコイン問題には「確認されていないことを真実のように膨らませている」と言いながら、後ろを向けば同じ態度を見せる。

繰り返して言うが、私は今、2011年の原発事故のぞっとする記憶よりも、その後に毎年数値で示される私の体内の非常に低い放射能測定結果を信じる。そして海の汚染より我々の政治の汚染を心配する。
金玄基(キム・ヒョンギ)/巡回特派員/東京総局長

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 僕はというよりも、韓国ウォッチャーは中央日報、朝鮮日報、ハンギョレの3つの媒体は一通り読んでいると思います。

 日本側ではプロの報道機関もこれらの記事は読んでいることは引用等にこれらの名称が出てくるからわかります。

 韓国嫌いの方々は皆ハンギョレには眉にタテジワを寄せて読んでいると思います。北朝鮮シンパのこの報道機関は、とにかく日本非難の記事しか書きませんし、そのレベルは悪意に満ちたものしかありません。

 韓国では産経を目の敵にしていますが、同社は報道機関としてきちんと取材をして、その上で批判すべきところは批判する報道スタイルで、悪意をもった誤りをもって、読者をミスリードすることはありません。

 戦後日本の左派が自虐報道を国民に提供し続けてきたことから、色のつかない報道は韓国にとって都合が悪く、偏向報道ととらえるのかもしれませんが、「意見」はあっても「嘘」を記載しているわけではありません

 

 一方、ハンギョレは日本に対しては悪意に満ちた報道が目に付きます。よくこのような解釈ができるなというぐらいぼ記事内容で「結論ありき」でそれに向けて記事を「こさえて」います。

 

 文在寅が福島原発で東京電力福島第1原発事故について、「2016年3月現在、1368人が死亡」と言及していますが、産経新聞は2017年の6月19日の記事で虚偽を提示しています。東京新聞報道を引用したのではないかと推測したようで東京新聞が前年3月6日付朝刊で、同紙が独自集計した「原発関連死」の人数と一致していることで問合せをしています。

 

【韓国新政権】文在寅大統領、根拠不明の「福島原発事故で1368人死亡」発言は東京新聞を引用? 復興庁「当惑している」 - 産経ニュース (sankei.com)

 

 文はこのことについてなんら謝罪の言葉はありません。ハンギョレも同様でというよりも確信犯的に多くの嘘や思い込み報道を意識的に垂れ流し反日主義者育成に日々努めています

 中央日報も、韓国では保守側のメディアとされていますが、反日保守的報道だと思っています。

 過去にキム・ジンという頭のいかれた論説員がいて伝説の『原爆は懲罰』という記事を書いています。

 事なかれ主義の日本政府もさすがに憤慨し、当時の菅官房長官が中央日報に抗議しています。

 同社において、元記事は日本語版では黙って削除していますが、以下の通り日本が抗議をしたという記事は残っています。但しハングル版では今も元記事が残っているとのことです。

 

「『原爆は懲罰』主張は許せない」…日本官房長官が中央日報コラムに抗議 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)

 

 ここで会社として謝罪がないのが韓国の韓国たるゆえんで、日本には迷惑をかけても許されるという韓国人の悪癖が徹底しているということです。

 文政権時代は、多くの記者が競うように反日記事を書いていました。

 しかしながら、尹政権が最近の用日に舵を切った中で、日本を否定しない記事が出るようになっています。

 この記事を書いた金玄基(キム・ヒョンギ)氏も韓国の記者としては穏健派に属すのではないでしょうか。

 検索をかけてみると、彼は【時視各角】の執筆を担当しています。東京総局長という立場なのかもしれませんが日本との協調を進めることを促す記事を比較的記載しています。

 

<記載記事一覧>

【時視各角】新駐日大使がやるべきこと(22.6.24)

【時視各角】「98%の信頼、2%の許し」という夢(22.7.7)

【時視各角】日本の知人が尋ねる3つの質問(22.8.4)

【時視各角】密なもの、法律で整理されないもの…韓日が共に「真の勝者」になる道を探すべき(22.9.1)

【時視各角】「4秒発言」と「13時間の空白」=韓国(22.9.29)

【時視各角】新希望的思考…対日外交・戦術核を楽観する根拠あるのか=韓国(22.10.27)

【時視各角】李丙ギと谷内が見えない(23.1.19)

【時視各角】第7鉱区の夢=韓国(23.2.2)

【時視各角】4番打者vs8番打者…韓日首脳のリーダーシップ(23.2.2)

【時視各角】尹大統領の訪日前日に願う(23.3.15)

【時視各角】ヒロシマの3度目の衝撃(23.5.10)

 

 1か月に1本程度記事を掲載されているようです。

 今回の記事は、反日を国是にしていた韓国において、かなり思い切ったものではないでしょうか。同氏が親日レッテルか貼られてもしょうがない内容だと思います。

 日本人からすれば、「何をいまさら」ということですが、福島における排水を「処理水」「汚染水」「処理汚染水」のうち各社が会社の方針としてどれを採用していくかを決定していく過程で、この論調は「処理水」にすべきということを韓国民にというよりは中央日報社内に向けて発信したような記事です。

 

 このことについては、金玄基氏に対して敬意を表したいと思います。韓国においては勇気がいることではないでしょうか。

 文政権時代にこんな記事を記載したら、どこからかの力が入り、干されてしまう可能性があるでしょうね。

 日本と友好を結びたいサムソン系(現在は相当薄まったようですが)の報道機関だから執筆できるのかもしれませんが。