<3月の演奏会>

3月4日(土)14:00 トリフォニーホール

ウェーベルン/パッサカリアop.1

ベルク/ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

シェーンベルク/交響詩「ペレアスとメリザンド」op.5

指揮:インゴ・メッツマッハ

ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ

演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団

 

3月12日(日)15:00 オーチャードホール<キャンセル>

ベルリオーズ/序曲『ローマの謝肉祭』

カゼッラ/狂詩曲『イタリア』(カゼッラ生誕140年)

サン=サーンス/交響曲第3番『オルガン付き』*

指揮:アンドレア・バッティストーニ(首席指揮者)

オルガン:石丸由佳*

演奏:東京フィルハーモニー管弦楽団

 

3月18日(土)18:00サントリーホール<キャンセル>

シュポア/ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調op.47 「劇唱の形式で」

ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調 op.21

メンデルスゾーン/弦楽のための交響曲第8番ニ長調(管弦楽版)

指揮・ヴァイオリン:佐藤 俊介

 

<4月の演奏会>

4月8日(土)14:00 トリフォニーホール

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18

R.シュトラウス/アルプス交響曲op.64

指揮:佐渡裕

ピアノ:辻井 伸行

演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団

 

4月8日(土)17:00 オーチャ-ドホール

R.シュトラウス/歌劇「平和の日」

囲された街の司令官        清水勇磨

マリア その妻          中村真紀

衛兵               北川辰彦

狙撃兵              高野二郎

砲兵               髙田智士

マスケット銃兵          松井永太郎

ラッパ手             倉本晋児

士官               石崎秀和

前線の士官            的場正剛

ピエモンテ人           前川健生

ホルシュタイン人 包囲軍司令官  河野鉄平

市長               伊藤達人

司教               堺 裕馬

女性の市民            石野真帆

指揮 準メルクル

演奏 東京フィルハーモニー管弦楽団

合唱 二期会合唱団

 

4月9日(日)15:00東京文化会館

ワーグナー/楽劇「ニュルンベルククのマイスタージンガー」

<歌手等省略>

指揮:マレク・ヤノフスキ

演奏:NHK交響楽団

 

4月15日(土)14:00 横浜みなとみらいホール

ショスタコーヴィチ/交響曲第7番ハ長調Op.60「レニングラード」

指揮:沼尻竜典

演奏:神奈川フィルハーモニー交響楽団

 

4月15日(土)18:00 サントリーホール

プロコフィエフ/バレエ組曲「ロメオとジュリエット」より
 モンターギュ家とキャピュレット家/情景/朝の踊り/少女ジュリエット/仮面/ロメオとジュリエット/踊り/タイボルトの

 死/朝のセレナーデ/百合の花を手にした娘たちの踊り/ジュリエットの墓前のロメオ/ジュリエットの死

コネッソン/Heiterkeit(合唱とオーケストラのためのカンタータ)

シマノフスキ/スターバト・マーテル op.53

 

ソプラノ:シモーナ・シャトゥロヴァ

メゾソプラノ:ゲルヒルト・ロンベルガー

バリトン:与那城敬

指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ

演奏:東京交響楽団

合唱:東響コーラス

 

4月16日(日)14:00 新国立劇場大ホール

ヴェルディ/歌劇「アイーダ」

アイーダ:セレーナ・ファルノッキア

ラダメス:ロベルト・アロニカ

アムネリス:アイリーン・ロバーツ

アモナズロ:須藤慎吾

ランフィス:妻屋秀和

エジプト国王:伊藤貴之

伝令:村上敏明

巫女:十合翔子

指揮:カルロ・リッツィ

演奏:東京フィルハーモニー管弦楽団

合唱指揮:三澤洋史

合唱:新国立劇場合唱団

演出・美術・衣裳:フランコ・ゼッフィレッリ

照明:奥畑康夫

振付:石井清子

バレエ:東京シティバレエ団

児童バレエ:ティアラこうとう・ジュニアバレエ団

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 3月は年度末ということもあり、僕自身がコンサート・ホールに向かうことが困難で1公演しか聞いていません。チケット2枚を台無しにしてしまいました。その一つはバッティストーニだったので残念です。サンサーンスの交響曲第3番はとても好きな曲なのでとても聴きたかったです。

 メッツマッハーの指揮のコンサートはかろうじて向かいました。

 4月は6回のコンサートとオペラに向かいました。バラエティに富んだ演目で楽しませてもらいました。久しぶりに聴く大曲もありコンサートの楽しさをいまさらながら再認識させられました。

 なお、「ニュルンベルグのマイスタージンガー」は別に記事を掲載しているので省略します。

 

 まず、3月の新日本フィルの演奏会です。メッツマッハーが久しぶりに来演してくれています。この1度公演のために来日されたことも驚きですが、演目も新ウィーン楽派3曲をさらりとやって終わりというのが寂しいです。

 ベルクのヴァイオリン協奏曲の独奏者もテツラフという贅沢さです。

 通常、この協奏曲は非常に透明感のある演奏が普通なのですが、テツラフのものは厚みのあるやや武骨なベルクでした。このような演奏もあるんだなと逆に驚きました。

     3月の東京交響楽団の定期公演も見送りとなりました。メンデルスゾーンの弦楽のための交響曲もかなりレアな曲だったので残念でした。管弦楽版に編曲していることがさらにめずらしかったのですけどね。

     

    4月の新日本フィルの定期は佐渡さんの音楽監督就任後初のコンサートになりました。

    先の「ベルリン・フィルVSウィーンフィル」の記事でベルリンフィルの定期公演にいまのところ再演がないと記載しましたが、定期公演でショスタコーヴィチの5番を演奏収録したものがBDで販売されましたね。

    日本人指揮者からなぜハーディングやマケラ、ドゥダメル、ネルソンスが輩出されないのでしょうか。

    小澤征爾の前に小澤征爾なし、小澤征爾の後に小澤征爾がやっぱり存在しません。

    東洋人そのものとしてもメータ、小澤以降のスーパー指揮者がまるで出てきません。

    ピアニストはラン・ランやユジャ・ワンなどがそのパフォーマンスで大事な位置づけになっていますが、集団を統率するカリスマ性が不足しているのか、(見えない)人種差別が存在しているのでしょうか。

    日系指揮者の準・メルクル、ケント・ナガノ、アラン・ギルバートなどもいますが、皆さん壁に当たっているような気もしますね。

     

    さて新日本フィルの演奏会は、アルプス交響曲よりも辻井さんのラフマニノフが圧巻でした。彼のすごさは強靭なピアノタッチに尽きます。なんとも空気を読まないようなそぶりをした、ホールの読みは立派です。ピアノが全くオーケストラにのまれないどころか独立して存在しています。やわなラフマニノフではなかったです。

    それよりさらに素敵だったのはアンコールで弾いた「ローエングリン」の中の「エルザの大聖堂への行列」です。彼はアンコールでこの曲を好んで弾きますがリスト編曲のこの曲は非常にいいですね。ラフマニノフ以上に堪能しました。

     

    この日は、錦糸町から渋谷にいそいで移動し、二期会の「平和の日」を聴きました。セミステージというスタイルでしたが、それでよかったと思います。

    今までR・シュトラウスでは「カプリッチョ」と「サロメ」の二度もひどいステージを見せられたことがあります。

     このオペラも製作が第二次世界大戦前夜で台本もかなり大雑把なものです。現在の時代背景に演奏されるのには適していました。日本初演ですが、サバリッシュやシノーポリの名盤があり、曲自体は案外聞きこんでいるファンも多いと思います。

     コンサートでの勘所が僕自体は今一つだったせいか、大好きなリヒャルトを堪能できるところまでには至りませんでした。

     

     「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は他の記事としていますので省略しますが、とにかく素晴らしい演奏でした。日本でこのようなワーグナーを聴けて本当に良かったです。

     

     翌週は神奈川フィルのショスタコービッチの「レニングラード」です。

     沼尻さんは非常に守備範囲の広いマエストロですね。僕のカテゴリーでは大友直人さんや飯森 範親さんと同じ位置づけですが、音を彼らよりは強めに表現すると思います。

     現在、日本でショスタコービッチを積極的に取り上げてくれるのは井上道義さんぐらいしかいないのでこの曲を今度いつ聴けるかはわかりません。ネルソンスの指揮で是非聴きたい1曲です。

     僕も少し丸くなったので「イデオロギー的なショスタコービッチ拒絶性」が薄らいできたので正当に音楽が聴けるようになりました。但し、いまだにムラヴィンスキーは受け入れられません。当然、ワレリー・ゲルギエフともサヨナラです。

     

     

    同じ日に、ウルバンスキと東京交響楽団にも出かけました。

     相変わらずハンサムですね。ネルソンスもバッティストーニもドゥダメルもみんなブヨブヨして指揮姿が無様ですが、ハーディング、ウルバンスキ、高齢ですがブロムシュテッドたちはきちんと自己管理ができていて素晴らしいと思います。

     ただ、ウルバンスキの演目はなにか欠けているような気がします。冷蔵庫からあるありきたりのものとどこかの老舗で購入したものを「ごった煮」しているような気がします。

     東京交響楽団はノットさんがきちんと筋の通ったプログラミングをしてくれるので、いきなり「ロメオとジュリエット」からの選曲には少しがっかりします。音出しは非常にエキサイティングではあったのですが、「ごった煮」仕上げですから・・・

     やりたいものやっている感は否めないです。

     シマノフスキの「スターバト・マーテル」はレアもので聞かせものとしてよくできていました。

     レクイエムと違い変な重さもなく、合唱が素晴らしかったですね。

     

     最後に新国立劇場の「アイーダ」です。

     アイーダは大野和士さんが2007年にメトロポリタン歌劇場デビューした演目で、ご自分で指揮されても良かったのにカルロ・リッツィに譲っています。

     新国立劇場25週年ということで積極的にでしゃばってもいいのにと思いますけど。

     このマエスロが新国立劇場の音楽監督に就任し、「トゥーランドット」や「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を指揮していますが、いずれも演出そのものを肯定的に思えないものを振られました。

     作曲者と観客への裏切り演出としか思えない代物でした。

     今回の演出はフランコ・ゼッフィレッリのものですが、この巨匠の演出は少し昔ですがクライバーがミラノ・スカラ座と来日した時の舞台で日本人には有名になっています。

     あの二階式の舞台を好んで使いますが、堂々とした演出ですね。

     4月のコンサート詣では多岐に渡っていました。

     

     5月はさらに楽しみなのは、ノットさんの登場です。R・シュトラウスの「エレクトラ」とマーラーの交響曲第6番があります。

     沼尻さんのメンデルスゾーンの「賛歌」もとても楽しみです。