僕は生まれながらにして『動物』に深く関与している運命にあるようだ。
実は先般の日曜日の昼前も、「もんじゃ焼き」前に多少時間があったので東銀座から築地市場あたりをぶらついていると、あるイベントに出くわした。セラピー犬「チロル」の像の除幕式だ。当日は11時前に築地川銀座公園を通るとリハーサルをやっていた。実際は以下のとおり。
【名犬チロリ 記念碑除幕式典】 名犬チロリ 2006年3月16日 永眠 日 時 2007年5月26日 13:00~ 築地川銀座公園) セラピードッグ「チロリ」の追悼会開催される
もので調べると、『チロリ』は、日本におけるセラピードッグの草分け的存在として知られているそうだ。高齢者や障害者など多くの人達に、癒しと生きる力を与えてきており、彼女(チロリ:♀ 推定15歳)は昨年3月16日乳ガンで亡くなり、4月30日に東京、日本橋で「お別れの会」が開催されたようだ。ちょうど3年前のGWにロードショーになった映画「犬と歩けば チロリとタムラ」に、自身の役で出演していた。
HPに以下の記載があった。
20年以上前から日米でセラピードッグの育成と普及を、ライフワークとして取り組んでいるブルースシンガーの大木トオル氏(国際セラピードッグ協会代表)がチロリと出会ったのは1992年の夏のこと。千葉県松戸市で、捨てられていた母犬と子犬5匹が入った段ボール箱を近所の子供たちが見つけ、空き地で世話をしていた。やがて子犬たちは里子として引き取られたが、虐待を受けたためか左耳が折れ曲がり、後ろ足に障害があった母犬チロリ(子供たちが命名)は、心ない人の通報により、間もなく動物保護センターで殺処分されるという、そんな時に大木氏よって救われた。大木氏によりセラピードッグとしての素養を見いだされたチロリは、訓練を受け、昨年1月ガンが見つかるまでセラピードッグのリーダー格として活躍をした。
ここのところ、セラピー犬やセラピー猫がとても盛んになっている。各老人ホームにも積極的に彼らの活躍の場が提供されている。セラピー犬第1号に認定された彼女の活躍は以下の本で紹介されている。この本は一昨日、図書館で借りて速攻で読破したが、なかなか面白い本なので、皆さんも読んでみて欲しい。
そして、ついでなので、もう一冊。「ごん太」にかかる本だ。これはセラピー犬ということでなく、一人の老人が一匹の犬に出会うことで気持ちが助けられるという内容のものだ。これを記載した向井承子さんは、知る人ぞ知る医療関係のノンフィクション作家だ。「生きること」についてかなりの本を書いている。その彼女が90歳になる寝たきりの母の介護に明け暮れた際に、母がごん太との関わりで「生きる」ことを強く意識し、彼とのふれあいで、お互いがお互いを思いあっていることが本当に素直な表現で書かれている。
特に向井の母が尊厳をもって生きていこうとするのに犬であるごん太が寄り添うようについていくことが素敵に書かれている。向井の母がベッドを離れた後、そのぬくもりにごん太が入り込むくだりなど、人間とふれあう犬がいかに素晴らしいかを切々と記載している。
特に向井の母が尊厳をもって生きていこうとするのに犬であるごん太が寄り添うようについていくことが素敵に書かれている。向井の母がベッドを離れた後、そのぬくもりにごん太が入り込むくだりなど、人間とふれあう犬がいかに素晴らしいかを切々と記載している。
さらに死を前にした向井の母が意識が遠のいていく中で、同じ病室に入院している、酸素マスクを利用した患者の「スースー」という音をごん太の呼吸音と思い込む向井の母が、ひたすら「ごん太・・ごん太・・・」と唱えるくだりはまさに胸があつくなる。彼女の死を悟ったごん太の態度も、また、犬がただの畜生ではなく、人間のパートナーであることをしっかり認識できる。
そして、老いていくごん太を、今度は人間が看取っていく。生きていくものは人間だけでなく、動物も同じだ。我々も老いていくが、彼らも老いていく。この本を読むと犬嫌いの人もきっと彼らを見る目が変わるだろうね・・・