埼玉県東松山市に位置する、明善谷沼(めいぜんやつぬま)を訪問した。

私にとっては初めて訪れる釣場で、名前すら聞いたことがなく、現地に到着するまでの道のりには苦労した。一度通り過ぎてしまうほど小さな入り口を入ると、そこには別世界のような自然豊かな小池がひっそりと佇んていた。

 

さて、本日の竿は、楽美正 春風の10尺を継なぐ。

平成19年に白楽天から楽美正に改銘したが、その手腕には一層磨きがかかったような気がする。竿の性能もさることながら、造りが非常に丁寧且つ綺麗である。握りは極限まで細く削いだ籐が鮮やに浮かび上がり、作者の几帳面さと美へのこだわりが見て取れる。段巻は濃い目のセピア色、そして国産漆を使用した胴ぶきは、艶々で美しい。

 

9時ころから開始して棚を測ると意外に浅く、1本半程度で私の好みからすると少し物足りない。

エサはグルテンに芯華を合体させた自己流グルダンゴで底釣を始めるも、藻が度々引っ掛かる。幾度となく藻がハリから抜けずに掛かるので12尺に切り替えて沖目を狙うが、底の状態は同じ。管理人が定期的に藻を除去しているとのことであるが、周りでは掛かりがあるような様子ではないので、私の入ったところは良くなかったということだ。

1枚釣って、午後1時に早上がり。長い藻に完敗である。

早春と晩秋が良いかも知れない。

 

↓楽美正ならではの美しい籐握り。

 

↓別世界のような小池。昭和の時代にタイムスリップしたようだ。