芸術家、アーティストはいつでも模索中である。自分の道を行く。自分だけの道を行く。誰も行った事のない道を行く。はっきり言ってとても不安だ。しかし大変面白く楽しい。誰にも理解されず、誰の目も気にしない。恐ろしい自分だけの世界に入って行く。ものを作る人間は皆同じだ。もがき苦しみ、そして歓喜に溢れる。大きな矛盾を抱えれば抱えるほど、自分が大きくなって行く。しかし新しいものはそう簡単には創造は出来ない。沢山の試行錯誤を繰り返し、失敗し成功し、長い時間をかけて出来上がって行く。今までの経験と信念が自分にしか出来ない新しい形を作り上げて行く。
今まで沢山のものを犠牲にして来た。しかし、それにしては大したものが出来ていない事に不甲斐なさと憤りを感じる。まだまだ自分を突き落とさなければならないと感じている。
来月また東北に行く。前回の秋田から何ヵ月かたったが、そろそろ準備に入っている。機材だけではなく、気持ち、心の問題も高めていかなければ、いい作品は出来ない。ルートなどは完璧な状態で出来上がっている。あとは行くだけである。偶然と必然を兼ね備えた創造を今から楽しみにしている。と同時に恐れと不安も感じている。期待と不安、希望と絶望か入り交じり時折張り裂けそうになる。時は必ずやって来る。どんな形にせよ全身全霊で挑みたいと思っている。