元もじぴったんプロデューサーの生の知恵ブログ -8ページ目

本当に大切なものは「見えない」

以前のエントリーで目先の売り上げ利益よりも信頼が大切、という話をしました。

過去エントリー:商売で本当に大事なのは「売上・利益」より「信頼」


しかしながら、ゲームソフト業界の現実は目先の売り上げ利益を追いかけている企業が多い気がします。
その理由の一つは「売上利益は数字という形で見えるが、信頼は簡単には目に見えない」という事です。


「信頼」は簡単に見えませんから、失っても「すぐには」気がつきません。


そして、ジワジワと、ある時は突然、売上利益という数字の形になって現れます。例えば、今まで売れていたシリーズが全然売れない、あるいは会社全体での売り上げが上がらない、といった形でです。

で、ここでも理由はよく分かりませんから、それが過去に信頼を失った事が原因である事には気がつきにくいのです。


接客がメインの店舗経営、サービス業等であれば、「見える」事もあります。今まで常連だったお客様が来なくなったり、来店頻度が下がったり....

でも、やっぱり多くのお客様は「黙って」去ります。


残念ながら、お客様から遠い「上流の」ゲームメーカーがパッケージを作って小売店に売る、という業界の構造ではメーカーが本当にお客様に近づく努力をしなければ、お客様が何を求めているかも、信頼を得ているか失っているかも「気づかない」のです。


結果的に、大切な「見えない」信頼を失う事で、将来的な売上利益も失う訳です。

ですが、逆も言えます。

「見えない」信頼を得る事で、将来的な売上利益を得る事も出来る可能性を増やせます。


経営者やプロデューサーの役割は、「見える」目先の売上利益だけにとらわれず、将来的に本当に何が大切かを常に考え行動に移す事だと僕は考えています。


関連エントリー:ゲームが売れる理由はずっと昔にある

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言うは易く行うは難し。

さて、今年も自分なりの信念を持って行動します。

遅れましたが明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。


忙しい人には時間はお金より大切

ある有名なゲームのシリーズの最新作が出た時、ある雑誌の紹介に「クリアまで100時間の超ボリューム!」みたいな事がデカデカと載っていた事がありました。その事がその最新作の売りだったのです。


それをきっかけにして、僕はそのシリーズを買う事はなくなりました。
「忙しい上に、テレビは家族のもので自分が100時間独占する事はできない。」
好きだったシリーズだったけれど、もう自分向けではない、と思いました。


これまでも何度か実例を挙げてきましたが、娯楽商品は生活の中に無理なく入る事ができなければお客様には楽しんで頂けません。
過去エントリー:僕が1話完結のドラマしか見ない訳
過去エントリー:好きなゲーム、が故に買わない訳

どんなに遊べば楽しい、面白いゲームでも、お客様の生活の中で遊ぶ時間を取れないと思われたら、購入して頂けないのです。仮に購入して頂けたとしても気持ちよく遊ぶ事が出来ず、次第に遊ぶ、楽しむ事から離れてしまいます。そんな状態で続編なんか出されても買おうという気にはならないでしょう。

ゲームを作っている側はボリュームを増やせば増やすほど価値が上がる、売れる、お客様は満足する、と思いがちですが実はそうではありません。

特に忙しいお客様にとっては「お金」以上に「時間」は大切で、それを十分理解して商品やサービスを提供する必要があると思っています。
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さて、本年の更新はひとまずこれにて終了です。

皆様よいお年を。

年末年始は崩れがちな体調を整える事に専念したいと思います。やる事は沢山ありますが...

僕が1話完結のドラマしか見ない訳

我が家はケーブルテレビを契約していて、主には海外ドラマの専門チャンネル(FOXとかAXNとか)を録画して見ています。


一番見ているのは妻だけれど、僕も子供が寝静まった後に妻と一緒に見る事もそこそこあります。

ただ、僕が見るのは「1時間1話完結タイプ」のドラマだけ。

続き物のドラマ(LOSTや24等)は時間があっても見ないようにしています。

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何故かというと、忙しい僕の場合、続き物はスキップして見るとストーリーがまったく分からなくなるからです。

一度見てしまうと続きが気になってもやもやしてしまいます。スキップしないで全部見ようにすると次にいつ見る事が出来るか分からないのでハードディスクレコーダーが一杯になってしまいます。で、全部見る時間がとれる気がしません。

映画は録画してあっても殆ど見ません。1時間は夜なんとか時間的にとれることがありますが、2時間の映画は頑張って時間を作るか、夜更かししないと見るのは難しいです。

結果的に「1時間1話完結タイプ」のドラマしか見ない訳です。1話完結であれば、1話でスッキリするし、途中何話か飛ばしても問題なく見る事が出来ます。

この話はドラマの話だったけれども、ゲームにも同じような事がいえます。

やる事が色々多くて忙しい人にとっては、

  • 自分が無理しないでもとれる時間の範囲で
  • すっきり、キリよく楽しめて
  • 終わった後にもやもやしない

という事は大切なのだと思っています。

お客様の生活の中でのエンタテインメント、を考えた時には「時間」に対する配慮が非常に大切です。同時に気持ちよく切り替えて次の事ができるか、という事も大切な要素だ中村は考えています。

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ちなみに中村お気に入りの1話完結型のドラマは、

コールドケース

ミディアム ~霊能捜査官アリソン・デュポア

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CSI: 科学捜査班

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CSI:NY

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あたりですかね。

一話完結が基本なんですが、To be continued ... と言われたりしてムキーってなる事もありますよ...(しかも次のシーズンに続くとか...(笑))


クリエイターブランドは通用するか

このブログでは何度か「ブランド」の話をしています。


「ブランド」=信頼の証、ですが、その「ブランド」にも色々な種類があります。

例をあげると、

  • 会社名 ( 任天堂, セガ, .... )
  • タイトル ( モンスターハンター, .... )
  • クリエイターorプロデューサー名
  • チーム名, レーベル名 ( AM2, Team Ninja ... )
  • キャラクター名 ( マリオ, ... )

等があります。

多分挙げた中で、一番お客様に通じにくいのは個人的にはクリエイターorプロデューサー名だと思います。

「XXXXさん」と名前を言われてもわからず、結局「○○○を作ったXXXさん」と言われて、あー、そうなんだとなる事が業界で働き始めて長い僕でもあります。

実際、多分業界で一番有名なクリエイターでプロデューサーの任天堂の宮本さんでも、例えばうちの嫁は知りません(笑)。
宮本さんが作ったマリオは知らないはずがないですけれど....
(宮本さん、見てたらすみません...)

ですが、僕が葛西にあるゲームショップ「ゲームズマーヤ」の秋谷店長にこんな事を教えてもらいました。
「商品(ゲームソフト)をどれだけ入荷するかは勝負。勝負に勝つには誰がプロデューサーで、誰がクリエイターか、何を作ったチームなのか、内部開発なのか外部開発なのか、どの会社が開発等は基本全部調べる。そして過去のそのプロデューサーやクリエイターの勝率は入荷数を決める上で参考にする。このプロデューサーは何勝何敗だから、多めに入れる、あるいは絞っておこう、のように。

商品がどれだけ店頭でプッシュされるか、はお店次第で、それにより売り上げは確実に違ってきます。

ですから、お客様が買う時には「直接の」影響は少ないかもしれないですが、誰がプロデューサー、クリエイターなのかはお店の人は(ある程度は)知っていて間接的には売り上げを左右しているという事がいえるのかと思っています。

秋谷店長は「プロデューサーは特に勝率で見ている」という事をおっしゃっていました。


この事を聞いた時、僕はプロデューサーとして身が引き締まる思いでした。

プロデューサーとして信頼を持ってもらえなければ、まずお店にちゃんと並べてもらえるかの壁を越えられない訳です。

仮に一度信頼されたとしても、失敗ばかりしていては信頼を失って、より失敗する確度が高くなってしまうのです。


ブランドには「勝率」が密接に絡んでいます。

この話はまた詳しくお話しようと思います。
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子供のためのサンタさんからのプレゼントは無事佐川急便で届きました。
届かなかったらなんと言おうかとひやひやしておりました(笑)。
色々親の思惑が絡んだプレゼントになっている事は以前にお話した通りです(笑)

皆様、メリークリスマス。

総プレイ時間表示が与えるもの

「もじぴったん」GBA版の発売後、購入されたある方と話をして、その方がたまたまGBAともじぴったんを持っておられたので、見せて頂く事になりました。

バリューセレクション ことばのパズル もじぴったんアドバンス
GBA版のもじぴったんは、遊んでいる度合い(クリア度合い)によって「ゴールドもじくん」「ブロンズもじくん」みたいにゲームのキャラクターがバージョンアップして称号が表示されるという仕様になっていました(ゲームのデータを見るモードの中)。

で、その方はかなり遊んでいて結構上のステータスになっていて、それを僕に見せたかったらしく「XXXもじくんですよ~すごいでしょ!」のように言われました。

ところが、同じゲームデータを見るモードの中の「総プレイ時間」は「見ると悲しくなるから、見ないようにしている」と言われたのです。


最初は「時間をかけた割にはあまりクリア出来ていない」事が嫌なのかと思いました。
しかし、その方の場合はそうではなく、「自分がゲームにこんなに時間を使ったという現実を突きつけられているようで、見たくない」という事でした。

前回のエントリーで、好きだからこそ、買わない、遊ばない、という方の理由をお話しましたが、実は「総プレイ時間」を見たくない、という心理も似ている所があります。


僕らは、「もじぴったん」の最初の家庭用ソフトであるPS2版、GBA版を作った際には「他のゲームソフトも同じ総プレイ時間の表示をやっている」「自分がプレイした時間が分かれば出したお金の元を取れた気持ちになれるだろう」位の理由でその仕様を入れていました。

しかし、その後、その常識的な考えを改めて以後のもじぴったんには総プレイ時間の表示はしないようにしています。



興味深いのは、プレイの進行度のステータスは人に見せたくて、リアルな総プレイ時間は「見たくない」という心理です。

他の売れているゲームでやっているから、という理由で同じような仕様を入れる事は考え直さないといけない事に気づいた出来事でした。

好きなゲーム、が故に買わない訳

世の中には、そのゲームが「大好き」なタイプが故に「買わない」という人がいます。

僕はそういう方に何度も出会いました。

もじぴったんの家庭用版が発売された後、ある、まだもじぴったんを遊んでいない女性に是非遊んでみて下さい、と言ったら、「うわっ、すごく好きなタイプのゲーム!」と言った後に「怖いから買わない」と言われました。

何が怖いのかというと、大好き故にハマりすぎて仕事や生活に支障をきたす事を恐れているのです。

その人は「パズルゲーム」や「クロスワード」が大好きで、夢中になりすぎる事が目に見えているので、絶対にハマる、楽しめる事を確信しながら、それを理由に「絶対買わない、買っちゃダメ」と思っているようです。

そんなのごく一部の人でしょ、と思うかもしれません。

でも、同様な理由でゲームを遊ばない、買わない、という方は少なくはない、というのが僕の印象です。



時間がたっぷりあって、遊ぶ暇なら沢山ある方なら、そんな事は言わないかもしれません。

でも、ものすごく楽しいが故に生活上の問題が生じる、というのは立派な「買わない」理由になるわけです。

楽しい事よりも、生活上に問題が生じるほうが殆どの場合重大な問題になるからです。


ゲームを作っている人は、楽しい、もっと楽しい、面白い、もっと面白いゲームを作ろうとします。

それが、より売れるゲームになる、と思っている方も多いでしょうね。


しかし、その事が逆に「買わない」一因になっていて、本質的にそれは何故なのか、についてはゲーム制作に関わる方はよく知る必要があると考えています。


正月の定番が「すごろく」だった理由

ファミコンが出る前....の昔の話です。

ちょっと若い人には想像できないかもしれませんが。

正月に親戚が集まった時に、子供が一緒に遊ぶゲームの定番は「すごろく」でした。(あるいはすごろくに近い、人生ゲームのようなもの)
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すごろくのゲーム性というと、シンプルに「完全な偶然性」です。

もしかすると、攻略性も何もない「すごろく」は「ゲーム」ではない、と思う人もいるかもしれませんね。

しかしながら、「完全に偶然」(さいころの出た目だけの勝負 ) である事は、正月に親戚が集まるというシーンにおいては非常に有用なのです。


正月に集まる親戚の子供の年齢・性別はバラバラです。

もし、上手い人が勝つ、頭が良い人が勝つ、というルールのゲームならば、小さい子は勝てない事になってしまいます。

で、そういう小さい子ほど負けた時に泣いて騒いだりするのです。

集まっている親は、正月くらいは子供の世話から離れて、お酒を飲んで親戚の人と楽しく話したりしたいわけです。上手いところ、子供達には一緒に遊んで欲しいと。



「すごろく」は、完全に偶然性のみが左右するゲーム性ですから、小さい子供にも勝てる可能性があるわけです。
お兄ちゃん、お姉ちゃんが補佐すれば、とても小さい子でも参加できるし、誰でも勝つ可能性があるのです。

もちろんルールはシンプルそのもの(サイコロを振った目の数だけ進み、ゴールを目指す)です。



そういう意味で、正月の親戚が集まった時の子供達が共通に遊べるゲームとして、親達にとっては、子供達に遊ばせておいて自分達はお酒をゆっくり飲むためのツールとして「すごろく」は定番商品でした。



ゲームデザイナーという職業になっている人にはゲーム好きな人が多くて、やたらとゲーム性とか、複雑なルールとかそういう所ばかりに目をやる人が多いのですが、生活上のツール、という意味でいうと実はそういったゲーム性は必要ない、あるいは邪魔になる場合もあるのです。


お客様が遊ぶシーンを想像して、そして周りにいる人も想像して、皆が喜ぶにはどうしたらよいかを考えてみてはどうでしょうか。

案外、自分達が「ゲーム」とは呼ばないモノがニーズに応えるのかもしれませんね。



不快に感じている時が娯楽商品の出番

今は携帯音楽プレイヤーというのは当たり前の存在になっています。

古くはウォークマン、今は iPod。


自分がその携帯音楽プレイヤーを初めて知って購入しようと思った時を考えて欲しいのですが、購入前に自分がどんなシーンで携帯音楽プレイヤーを使っている所を想像していいと思ったのでしょうか。

多分、電車の中、あるいは待っていて時間がある時等....
そんなシーンは、実は不快を感じているシーンではなかったでしょうか。


あくまで仮説ですが、僕はこういう娯楽製品は「不快」を感じている時に「使われる」事をお客様は想像して価値を感じて購入していると思っています。

先に携帯音楽プレイヤーを例に出しましたが、携帯ゲーム機や、携帯電話でゲームをするのもきっと同じ心理なのではないかと思っています。

自分の生活の中で、不快を感じている時間を紛らわす、あるいは楽しい時間に変えるという商品は、娯楽ではあるけれど、実は生活の中の「必需品」として扱われている気がします。

遊ぶゲームは色々変わるかもしれないけど、その電車の中の不快を感じている以上はそのシーンで「毎回使われる実用品」なのではないでしょうか。


ゲームも含めた「娯楽商品」は一般的には「必需品・実用品」とは思われない傾向がある気がします。
僕もナムコに入社してから何度か、ゲームは必需品ではない、という事を周りから言われた気がします。


ですが、度々起こる生活の中の不快を解消する商品は娯楽商品であっても「必需品」であるとお客様は感じているのではないかと思います。

おそらくそういうお客様には既に「ないと困る」ものになっているのです。

で、僕は「娯楽商品」でありながら「必需品」になっている商品が実はヒット商品になっているのではないかと思っているのです。

詳しい理由や事例はまた別のエントリで。

サンタのプレゼント、選ぶのは子供でない?

クリスマスが近づいてきていますね。毎年12月、ゲームショップは一番の賑わいを見せます。


その理由の大きな一つは、子供向けのクリスマスプレゼントのためです。

今の時期、親御さんが子供のクリスマスプレゼントを購入しにゲームショップにやってきます。お店も購入されるだけでなく、ラッピングのサービスをしたりする事もあって大忙しになります。

小さいお子様がおられるご家庭であれば分かると思うのですが、クリスマスのサンタさんのプレゼントは子供が選んでいるようで、実は「親」が最終的に選んでいます。

子供が欲しい、と言った商品(おもちゃやゲーム)を親が買うんじゃないの?と思うかもしれません。


しかし、実際はこんな感じです。


子供はテレビ番組や、友達が持っていたりするモノに影響されて、あるおもちゃ、ゲーム等が欲しくなります。

それはクリスマスよりずっと前、下手をすれば年明けぐらいからずっとです。
子供は欲しがりますが特に高価だったりすると、そんなに簡単に買ってあげるわけにはいきません。
ゲームソフトの値段帯は、サンタさんがいるって思っている位の年齢の子供には、欲しい、というだけでは買わないと思います。

ですから、親は「じゃあそれは、誕生日かサンタさんにね」と言う訳です。


ここで重要なのは、子供は他から影響されやすく、好みや欲しいものもコロコロ変わりやすいという事です。

あのゲームが欲しい、と言った3日後には、別のおもちゃを欲しがっている事は普通にあります。


実際にお子さんがいれば、どれくらいコロコロ変わるか分かるでしょう。

で、実際にクリスマスにサンタさんにお願いするプレゼントは、実際にはそのコロコロ変わる欲しいものの中から、値段や買い与えてよいものか、ためになるか、すぐに飽きてしまわないか、兄弟で喧嘩にならないか、等を細かく考えて、実際には親が決めてしまっているのです。

そんな訳で、この時期の親は子供と駆け引きをして、あんまり高くなくて、簡単に飽きてしまったりしなくて、できれば子供のためになるような商品で、子供が満足するプレゼントを選ぶのです。

子供向けのおもちゃやゲームは、作っている側は「子供が欲しがるように」すればいいと思いがちですが、実際にはそうではありません。
購入するのは親であり、現実には子供が欲しいと言う商品の中から、親が選んでいます。


つまり、実は親が子供に買い与えるおもちゃやゲームは、実は「親のニーズ」を満たす必要があるのです。

実例を挙げればもっとイメージがはっきりすると思いますが、それはまた今度。

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昨日は、ぷよぷよのゲームデザイナーとして有名な米光一成さんと対談をさせて頂きました。
リンク:米光一成さんのブログ「こどものもうそうblog」

いや、本当に面白かったです。WEBの記事として「ガジェット通信」と「エキサイトレビュー」にて後日掲載予定です。

お楽しみに。

そして2日連続で更新滞ってすみません。
今日は夜遅くにもう1エントリ更新予定です。



ゲームが売れる理由の理由はずっと昔にある

ゲームソフトが発売日に売れる不思議、というお話をしましたが、一般の方のには不思議には感じない方もおられると思います。

過去エントリー:ゲームソフトが発売日に一番売れる不思議

すごく期待しているゲームなんだから、早く購入して、早く遊びたい。
あるいは、皆と一緒に遊びたい。

だから発売日に並んででも購入したい。


でも、前提になっているのは、その期待しているゲームソフトが購入すれば期待通りか期待以上の満足を与えてくれるという会社やブランドに対する「信頼」なのです。


今PSPのモンスターハンターポータブル3rdが爆発的に売れています。もちろん発売日には行列ができ、今でも品薄状態が続いています。


モンスターハンターポータブル 3rd
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それは、モンスターハンターポータブルのこれまでのシリーズが、最初の製品からずっと信頼を裏切らない、期待通りか期待以上の満足を与えてくれたからではないでしょうか。

ですから、その最新作は、きっと今まで以上の満足を与えてくれるに違いない、と思って発売すぐに購入したい、と思うのではないでしょうか。


モンスターハンター ポータブル 2nd G PSP the Best

モンスターハンターポータブル PSP the Best


もっと言えば、PlayStation 2 向けに発売されたオリジナルのモンスターハンターという商品が全然ダメな商品だったら、今のこのモンスターハンターポータブル3rdのヒットはない訳です。

PlayStation 2 向けのモンスターハンターが発売されたのは2004年3月。開発が始まったのがその2年前だと仮に考えるとかれこれ8年位かけて積み上げてきたものが、今の「売れている」という結果に結びついているのだと僕は考えます。


MONSTER HUNTER


(参考)Wikipedia によるとオリジナルのPlayStation 2版のモンスターハンターは29万本の売り上げだったそうです。

経営者やプロデューサーが信頼を積み重ねる必要がある、という話を過去のエントリーでしましたが、今ゲームソフトをお客様が発売日に買うというのは、過去に積み重ねた「信頼」によるものなのです。

過去エントリー:商売で本当に大事なのは「売上・利益」より「信頼」


今、50万本、100万本、200万本も売れている商品の殆どは過去5年、10年、いやそれ以上積み重ねてきた「信頼」の元にお客様が購入しているのではないでしょうか。あのシリーズ物も、あの世界的に有名なキャラのゲームも、まさに積み重ねてきた会社やブランドへの信頼がなければ購入していただけないのです。

別の見方をすると、今売り上げがあがらないという要因は5年、10年前から段々信頼を失ってきた結果ではないか、という見方もできるのではないかと思っています(もちろん、それだけではないのは十分理解していますが)。


信頼は、残念ながら一朝一夕には積み上がるものではありません。


目先の利益にとらわれて、信頼を失っていく事が、どれだけ将来の自分たちの首を絞める事なのかを経営者やプロデューサーは肝に銘じる必要があるのではないでしょうか。