下がりツバメ C6218号機の重油タンクをつくる | 模工少年の心

C62の18号機、あのデフに下がりツバメの飾りが取り付けられた東海道時代のモデルですが、下回り無し、テンダー無しの塗装済みボディーだけを購入しました。

4月下旬の摸型市で見つけて、何とも言えぬ黒光りする美しい塗装、ことにランボードの白線の乱れのない塗りが気に入って衝動買いしてしまいました。

 

ボイラーに目一杯ミクロウエイトが積まれ、積みすぎたものか、ミニルーターか何かで削り取ろうとした形跡があり、そこは少し気になりました。

 

削り取ろうした際に出来た傷は外から見えるところには達していないのでどうでもいいのですが、かつてTMS誌で読んだミクロウエイトが酢酸ビニル系樹脂の接着剤と化学反応を起こして膨張し爆裂してしまった報告事例が脳裏をかすめました。

接着剤にこの手のものが使われていないことに賭けましたが、長い歳月が過ぎるまで分からないことです。

 

さて、全廃直前まで北の大地を疾走したC62 2号機をはじめ小樽築港区の機関車たちに人気が集まりますが、昭和30年代の東海道電化以前の全盛期の姿こそ、華やかで魅力的であると感じます。

 

時期的に言うと、1950年8月に下関区から名古屋区に転入し、1955年7月に米原電化とともに梅小路区に転出しますが、この間僅か5年間のことになります。

 

名古屋機関区の機関車のナンバーは地に赤色に塗られていました。

 

また、テンダーには重油タンクが積まれ、重油併燃となっていました。

 

この時代のC62 18号機を出来るだけ短期間で模型で再現したいと思います。

 

前置きがなかくなりましたが、2号機や3号機のようには実物資料がなく、必要なパーツを集めるのも短期間で済ませたいので、以下のような方針のもとに工作を進めることにしました。

 

(1)下回りとテンダーは、中古のしっかりした製品がヤフオクに本体上回りが出品されたら細かなチェック等をせず購入する。

 

(2)下回りはモーターがボディーに収まるかどうかを確認して、無理ならこぶりの缶モーターに交換する。

 

(3)重油タンクが付いていなかったら、真鍮薄板等からスクラッチする。

 

とにかく、資料のないことをいいことに、パイピングの増加等には一切手をつけないことにしました。

 

そうした方針を立てたところ、あまり日を置かず、カツミのシュパーブの未塗装キットが見つかり、すぐさま落札することができました。

 

案の定、製品の棒モーターDH13ではボイラーにつっかえてしまい、これは想定していましたので、手持ちのタネダの缶モーターに交換しました。

ギヤーボックスは問題なさそうでしたが、3ミリほどのプッシュ付きでしたので、安達のものと交換しました。



試走したところ、前進は問題ないのに後進はカリカリと異音が出てどうしたものかと思いましたが、シリコンチューブの軸への取付を調整しているうちに次第に大人しくなりました。

 

サイドロッドや軸箱のコイルスプリングの不調でなくて助かりました。

 

テンダーの方は、シュパーブに付いていた台車が軽量であることと、ドローバーの高さに問題があり、テンダーが浮き上がり気味でしたので、ドローバーをカギ状に曲げ、台車を安達のダイカストのものに取り替えて接地性の改善を図りました。

 

今回の工作でアピール度がもっとも高くなるであろうところは、テンダー上に乗っかっている重油タンクです。

 

市販のパーツは店頭に全く存在せず、今後も生産される見込みはないと判断して、真鍮薄板等をハンダで組み、スクラッチしました。

 

設計図というにはきわめて杜撰な図ですが、私にはこのようなもので十分ですこのようなもので十分です。

100均で買ったスクレーバーの木製の柄で木型を作り、0.4ミリ厚の真鍮板を手で曲げてカマボコ型に加工し左右に妻板をハンダ付けして箱状にしました。


あとは、ハッチや手すりなどを付けて、あっさりとまとめました。


本来の用途と違いますが、タンクハッチにはエコーの空気弁セット、サイドのコック?にはウイストジャパンの逆止ベン横付きを使いました。印象範囲です。



(スッキリと仕上げるという方針もあるけれど、実のところ資料不足(調査不足)で、テンダー上の重油タンクからボイラーまで、どのように油が運ばれて石炭と併燃されているのか、よくわからないので、だったら見える部分だけの再現でいいか、と考えました。)


とにかく、テンダーに石炭を載せるために0.4mm厚の真鍮板でテンダー天板を作り、重油タンクを乗せてみました。

 

何だか、そうするだけで、自己満足ですが、C62東海道型の颯爽たる姿が見えてきて嬉しくなります。

 

薄板で切ったり貼ったり穴あけしたりしてつくることのできるパーツは自作することを脳裏に入れておきたいと思います。

 

弾みがつきましたので、完成も遠くないと思います。