今、タサ1700タイプのタンク車を作っていますが、ハッチに上るハシゴをどうしようかと悩んでいます。
いわゆるハシゴ状の形になっていて、買ってきてそのまま接着等すればよい、というパーツが全く見つからないのです。
ハシゴ、漢字表記では梯子と綴るパーツは、その用途として、タンク貨車のハッチに上るためのものの他、旧型客車の妻面、蒸気機関車のテンダーの後部に付くもの等があり、テンダー用が長さとしては一番長くなっています。
タンク車用のハシゴのパーツは、長さが短くてすみ、探せば容易に手に入るだろうと思っていたら大間違いでした。
一口にハシゴのパーツと言っても、材質、製法は種々あります。
古くから使われていたのは、真鍮プレス製のものです。
(右はサイドをヤスリ掛けしてスリムにしました。)
今となっては大味でゴツい印象なので、今は好まれないのも当然です。
しかし、プレス製品は、安価でお気楽に使えるので、私はいいと思うのですが、市場から撤退して久しく、今ではまず手に入りません。
次に、ロストワックス製のパーツです。
これももうほとんど市場から消えつつあるようです。
鈴木工房のテンダーハシゴ用のほか、inmonの西武351形電車等の妻板用(BD1121)がありますが、模型店での在庫は限定的なのではないでしょうか。
一方、現在隆盛なのは、エッチングの本体を折り曲げて、ハシゴの踏板をφ0.4mmの真鍮丸線を孔に挟み、ハンダ等で固定するタイプのものです。
アダチ製作所のタンク貨車用ハシゴキット(S548)ほか、客貨車の妻板用のパーツがエコーモデル、フジモデル、モデルシーダーから出ています。
これらは、シャープな出来の上質さが今風モデルにはジャストですが、正確に組み上げるには繊細さが要求されます。
そのような中で、BONA FIDE PRODUCTの旧客用の妻板ハシゴ(PH027)は、踏板も一体エッチングパーツになっていてハンダ付け等の作業を要しないので、使い良いように思います。
(ほかに、katoの旧型客車用のプラパーツもあります。)
少量限定生産化が進む#80の鉄道模型界にあっては、そもそも、どのような工法で作られたパーツも分配されることがなくなりつつありますが、とくに、価格が抑えられ、大量生産に向くプレス製品の生産はもう余り期待できそうにないでしょう。
さて、そんななかで、今回タサ1700形タイプのタンク車には、メーカー不詳のプレス製品、BONA FIDE PRODUCTのエッチングパーツを使ってみました。
本体への取り付けは、もともとタンク体に開けられていたφ0.8の孔を埋めていなかったので、そこに差し挟むようにしました。
このような取り付け方はあり得ないのですが、取付強度を得るためのやむを得ない措置と思っています。
腕前の稚拙さを省みず、手間と時間をかけて工作を続けているのですが、やはり不満な出来に意気消沈するばかりです。