天賞堂製、昭和時代のEF58をいじる | 模工少年の心

令和5年度が始まりました。

節目の日々にあってもお構いなしに、いつも通りの鉄道模型づくりは続けていまして、近況をお伝えしたいと思います。

 

今日取り上げるのは、古い昭和時代の天賞堂のEF58形電気機関車です。

 

もとは、上越型の茶塗りの完成品でしたが、塗装を剥がし、好きなように手直ししています。

 

昨年の6月に、片側の端梁をボディー側に取り付ける加工をしたところまで、本ブログで紹介させていただき、そのまま一時中断していたものです。

 

グリーンマックスのぶどう色2号スプレーが在庫切れで手に入らず、塗装後に再組み立てをする予定が大幅に遅れてしまいました。

 

もうそろそろ再販売されるのではないかと期待して、塗装前のチェックをしようと思い立ちました。

 

製作途中のEF58を箱から出してボディーを眺めていて、屋上ランぼーとの端が反っていることが気になりました。

 

そのままにしてもよかってのですが、そこだけ作り直すことにしました。

 

初めは、「そこだけのつもり」でした。

 

しかし、結局のところ、全てのパーツを真鍮など金属パーツで置き換える結果となってしまいました。

 

オールブラスにこだわってのことではありません。

 

横着してプラパーツを外さず付けたまま、ランボードのハンダ付けをしたために、コテが他のパーツに触ってしまいました。

そこでプラスチック表面を痛めてしまったため、やむなくのことです。

 

プラスチックから真鍮など金属に換えたパーツは、以下の通りです。

 

(1)エアフィルター

これは、昨年すでに、ボナファイデプロダクトのビニロックに交換しています。


(2)屋上ランボード

エコーモデルの脚ピッチ10mmのもの(No.1698)を使用しました。

10mm間隔で2列に孔を正確に開ける必要があります。

この孔がズレていると見苦しいものになってしまいます。


(プラ製のランボードを外し、孔開けしちところ。位置がズレたところは、針ヤスリでしこしこ、長孔にします)



孔位置を決めるガイドが付属していますが、固定が難しそうだし、10mmよりも狭い間隔で孔を開けることもあるので、ガイドを使わずに定規を用いてケガキました。

 

昔の製品には、帯板の縁をただ「脚状」に曲げただけ、ボディーに孔を開けずに取り付けるタイプのランボードパーツが各社から発売されていて、しかも桁が1桁少ないお値段で売られていました。

 

(古いランボードパーツ。今では貴重なコレクションになってしまいました。それしても、お値打ちものですね。)




鉄道模型車両を自作する人にとっては便利なパーツだったのに…と、時代の移り変わり考えてしまいます。

 

せっかくランボードを取り付けたので、一緒に「雨樋」も付けました。

φ0.6mmの真鍮線をハンダ付けしたたけです。

(熱膨張もあり、なかなか、真っ直ぐには付けられません)

(3)ハッチ

パンタグラフの前に前後各2個づつ付いている正方形の小さなハッチがあります。



ハッチを開けるとキャブ内に通じているのでしょうか?


こういうパーツを作ろうとすると、用途がわからないことに気づき、まだまだ知識ないことに気付かされます。

交換パーツは、真鍮板2枚(0.8t・0.3t)をハンダで貼り付け、φ0.3真鍮線で作りました。

 

(4)ガーランドベンチレータ台?

明かり取り用のモニターではなく、側面は塞がれている(ように見える)ガーランドベンチレータが載せられている台を真鍮板を真鍮薄板をハンダ付けして作りました。


(初めは製品と同じ、第一エンドも第二エンドも同じサイズで作りました。その後、第二エンド側は少し縮めました。)

本当のところ、このパーツの正しい名称は何というのでしょうか?

実際にこの機関車に限らず、直近に接した経験がないと、なかなか分からないことがあるものです。

 

この時代の天賞堂のEF58のモデルは、80分の1の縮尺で全長が7,8mm長いのことで有名です。

スケールにこだわれば、マイナスポイントになるはずですが、優雅さが強調され、好ましく思っていらっしゃる方も少なからず存在すると聞いたことがあります。

私もその一人です。

 

ただ、このガーランドベンチレータ台を作り直していて、全長の延長による「ごまかし」がそこに表出していることがわかりました。

(図面を見ればすぐに気づくことですが…◞‸◟)

 

製品のベンチレータ台は、第一エンド側も第二エンド側も同じ長さに作られています。

 

しかし、実際は第二エンド側がかなり短くなっていて、そのままにするか、短くするか、少し悩みました。

 

試行錯誤の後、スケールに近づけて表現することにしました。

 

(5)ガーランドベンチレータ

IMON製のホワイトメタルのもの(No.3004)に交換しました。

これは、フクシマ製の西武電車用の製品でEF58用のものとは異なりますが、もともと付いていたものよりは、まだいい感じです。


ハーフガーランドの方は、ボナファイデプロダクト製のもの(SGベンチレーター、PH-101)が手に入りましたので、それに交換しました。 

 

こうして、意図せず、プラパーツの金属化が成りました。

 

あとは、グリーンマックスからぶどう2号のスプレー塗料が店頭に並ぶ日を待つのみです。

 

一昨日から、脳裏に「戦場のメリークリスマス」のメロディーが頭の中を巡り離れません。

 

今日も帰って来たら坂本龍一さんのピアノを聴いて、心豊かな気持ちで模型作りに励みたいと思います。