ひとときの幻 夜の翼 | 模工少年の心

7月4日から1泊で、古都・奈良観光をしてきました。

楽しい旅だったので、何本かの記事にしてブログにアップしようと、1本目を書き上げたところでした。

 

そこへ、安倍元首相の悲しい訃報を伝える報道に接して、用意した1本目の記事は掲載を取りやめました。

 

明日も同じように続くはずである日々が突然に断ち切られてしまうことの無念さは如何ばかりかと察するに、せめて、楽しかった旅の思い出を記事にすることは差し控えようと思いました。

 

かわりに、今感じている無常感を、とにかく文字にしなければと…。

 

奈良旅行は、往復、羽田〜伊丹間を航空機利用で出かけました。

 

機上にて、ANA B767-300は、離陸して暫くすると、ベルトサインが消灯し、安定飛行に入ったことを告げました。

 

頭上の表示を眺めると、「ノースモーク」のサインがいつまでも消えないでいることが奇妙に感じました。

 

もう、ずいぶん前から、機内では禁煙なのに、まだそんなサインが残っているのか。


いつまでも消えないサインを見ていて、思い出した懐かしい曲がありました。

南佳孝の1980年のアルバム、モンタージュの中の一曲、「夜の翼」

 

自分には、切ない想い出の曲でした。

 

歌詞には、こんな一節があるのです。

 

「♪NO SMOKEのサイン消えて

星くずは綺麗でしょう」(松本隆 詞)

 

付き合っていた男性との別れがあり、飛行機で何処かしらへ飛び立つ。

女性は、その飛行機の飛び立つのを空港からぼーっと見ている。

 

「♪空港ビルの金網から 翼の灯そっと追うわ」と。

それをタンゴのメロディーに乗せて、歌う南佳孝のハスキーな声が心に響く。


あらためて、「夜の翼」、聞き直しました。

「♪ひとときの幻を求めあう夜間飛行」

ゆっくりと、おやすみください。