今回はピアノを弾く時に重要な手にまつわる筋肉についてお話ししたいと思います。
ピアノは重さの助けを大いに借りて弾いていくのが理想なのですが、その重さを支えなくてはなりません。それはどこなのでしょうか。
弾いている時の感覚的なイメージを考えてみます。
まず、足で立っている時に安定感を保っていられるのは、ふくらはぎの支えが大いに関係しているように感じます。
それを考えると手を支えているのは、手の下側の筋肉であるべきと考えます。色々調べてみると、
橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
という筋肉が関係しているような気がしています。
また、筋肉には伸筋と屈筋というものがあるのですが、屈筋は伸筋に比べて力も強く、持続力もあると言うことがこちらの論文にあります。
それなら、屈筋を主に使って演奏するほうが力強く疲れにくいという事になります。
屈筋は手を手前においでおいでする動きに使っていますし、指を第3関節からおいでする時に使います。
そうして第3関節からおいでした指に先程のとうそくしゅこんなんちゃらの筋肉を支えに重さを乗せていくのです。
そしてさらに面白いことに、おいでと指をお辞儀させた状態から力を抜くと勝手に指が元の位置に戻ります。
これはとても重要です。
これは鍵盤に重さをかけられた指が、次の指に重さが移動していくとそれまで重さがかかっていた指が勝手に元の状態に戻っていくことになります。あたかも押された鍵盤が元に戻る動き(浮力)に合わせて押し戻されていくように。
これで弾くという動きの流れがとても自然で滑らかになります。
弾く時に屈筋を使うだけで離れていく時には力が抜けていくということは、力を溜めない筋肉の使い方としては非常にベストです。
だから滑らかで早いパッセージを弾く場合(ショパンなど)は、指が上がることなく、ほぼ下に使うだけになります。
ハッキリとした早いパッセージを弾く場合(バッハなど)、勢いをつけるため、準備として指を持ち上げたりはしますが、結果的には下に向かって振りおろすことになり屈筋重視の弾き方です。
最終的に一番大事なのは、振り落とされた重さが、とうそくしゅこんなんちゃらという筋肉にしっかり乗ることで、持たれるということです。
持たれた状態の時に、音の響きは伸びていくし、その響きをコントロールすることが出来ます。
こうして生まれた響きをコントロールして、表現に活かすことが出来るのですね。
次回は脱力とは?について考えてみたいと思います
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