前回は重力奏法についてお話ししました。
また、重心の観点から見ても膝を広げてしまう行為は安定感を欠きます。上体が上がってしまうので肩が上がってしまう原因になります。
今回は、その重力奏法をするにはどのように身体を使えばいいかを少しお話ししたいと思います
また小さい頃の話ですが、よく先生から
肘が固い!外側に回すように動かしなさい!
って言われてたことがあります
腕を外側に回して持ち上げる動作。これによって確かに一音の響きが柔らかくなるのは確かです(だからこそ子供などの演奏によく見受けられます)。
しかし、この動作の最大の欠点は動きが大袈裟になることによって音楽の表情が大袈裟になってしまうことと、なによりも次の動きへとスムーズに繋げていけないことにあります
なので、小さい時に取り組む簡単な曲なら処理出来ますが、中学生以上になってくると曲が難しくなってくる為、肘で抜くことが物理的に出来なくなり、
その結果
肘が固まり、指だけ動かすことになります。
もしも表情を出すためにそんな大袈裟に肘を動かしていたら、連弾したときに隣の人に肘打ちを喰らわせてしまい
大喧嘩
「あなたとは一緒に演奏したくないわ💢」なんて言われちゃうかも。
「それはこっちのセリフだわ💢」とは言わないでおきましょう
肘を外側に回すと、次の動作に移るためには次のような軌跡となり円滑な動きが取れません。
なので、この使い方はそうした音の響きを得たい時、もしくはそうしないと弾けない箇所以外は基本的に私は使いません(絶対に使わないというわけではありません)
安定した動きの観点からも基本的に脇は常に締めておくのがいいということです
相撲やボクシングなど、スポーツ界では脇を締めて重心を下げるというのは当然のことのように言われますが、まさにピアノ界でも同じというわけです。物事というのは本当にどの世界でも共通点が多いですね
「先生、脇を締めて弾こうとしたら身動きが取れなくなりました」
「あらら、脇を締めた状態でも横に動かせる部位があると思うけど、どこかな?」
「あ、手首が回ります!」
そうです、円滑な動きを作るために必要な箇所、
それは
手首の動き(旋回)なのです。
鍵盤に手を乗せたまま脇は締めておいて、手首をグルグル回してみましょう。
こんな感じの動きになると思います。
この動きならば、小回りのきく(ということは細やかなニュアンスの音の表情を作れると言うこと)潤滑な円運動となり、フレーズによって動きをまとめやすくなり次の動作に移ることもスムーズに行えます。
これで連弾をした時に隣の人に肘打ちを喰らわすことも無くなりますね
次回は手首の旋回についてもう少し詳しく説明したいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました