『お金の流れが変わった!』(08) 新・大前研一名言集(204) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

『お金の流れが変わった!』
新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷








<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
 Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか

第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
 ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
 Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児

第3章 21世紀の新パラダイムと日本
 Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
 Ⅱ市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
 Ⅰ新興国で成功するための発想
 Ⅱ日本経済再成長の処方箋



 
Ⅰ新興国で成功するための発想



 新興国は、かつて日本が通過してきた高度経済成長

 をいまやっている。

 つまり、そのようなマーケットで何をやればうまく

 いくかを知っているのが、日本企業の強みなのである。

 言葉を換えればなにもわざわざ最先端技術の分野で

 勝負しなくても、「むかしの芸」で十分に戦えると

 いうことだ。

                
(今日の名言 16  通算 512 )

 



 新興国で成功を収めたいなら、大きく分けて5つの

 攻略ポイントがあることを、日本企業は理解して

 おいたほうがいいだろう。

 その第1は官公需、つまり公共事業だ。道路、空港、

 港湾、ダムなどのインフラ整備に関しては、

 自民党政権時代に国内でさんざんやってきたこともあり、

 日本がもっとも力を発揮しやすい分野だといえる。

 なかでも格別に強いのが鉄道だ。

                
(今日の名言 17  通算 513 )





 新興国で成功する第2の道は法人需要である。

 工作機械や印刷機械、プラスチックの射出成形機械、

 自動化装置、ブルドーザーなどを法人に売る分野では、

 すでに世界で実績を上げている日本企業は多い。

 売り込み面では伝統的にスイスやドイツが強いが、

 日本も決して負けていないといっていいだろう。

 (中略)

 法人需要のいいところは、台湾や韓国、中国などには、

 ライバルとなる企業がいない点だ。

                
(今日の名言 18  通算 514 )





 攻略ポイントの残り3つはコンシューマー需要である。

 世界の人口は市場構造をもとにすれば、おおよそ3つに

 分類することができる。

 年間所得2万ドルの富裕層が約1.75億人、

 その下に年間所得3000ドルまでの中間所得層が

 14億人。

 そして残りの40数億人がピラミッドの底辺、

 すなわち「ボトム・オブ・ピラミッド(BOP)層」と

 呼ばれる。

 これまで日本企業の多くは、おもに新興国内の富裕層を

 中心顧客に据えて活動してきた。

 もちろんそのような利益率の高い市場は、引き続き

 日本企業にとってメインターゲットになりうるが、

 同時に、今後は新興国を中心とした世界の中間所得層を

 いかに取り込むかが、どの企業にとっても重要になって

 くるだろう。

 一方、中間所得層のさらに下部に位置する貧困層(BOP=

 ピラミッドの底辺)となると、現在の日本企業はほとんど

 お手上げ状態である。

 しかし、この層が40億人という膨大な人口を抱え、

 5兆ドルという日本の実質国内総生産に相当するマーケット

 であることを考えると、指をくわえて見ているのはじつに

 もったいない。

                
(今日の名言 19  通算 515 )







安倍新政権がスタート後、円安、株高が急速に進行
しています。


輸出産業にとって長年の苦しみからようやく開放
される時が来ました。


一方で、円安による原油価格の高騰が影を落として
います。


そうした情勢下、アルジェリアで過激派によるテロが
勃発しました。


アルジェリア政府軍とテロリストとの銃撃戦で、
日揮の多数の従業員が犠牲になりました。


報道によれば、日本人10名が亡くなったそうです。
ご冥福をお祈りします。


日揮がアルジェリアに進出し、事業を行なっている
ことを知っている人は、関係者以外ではあまり
いないのではないでしょうか。


私も今回の事件が発生しなければ、深く知ることは
なかったでしょう。


この本の中で、大前研一氏は日揮についても言及
していました。その箇所をご紹介します。




 


 ワンセットで売り込むやり方に日本人はあまり

 慣れていない。そういう感覚がないのである。

 だが、日揮や千代田化工建設のように、

 中近東などで発電、海水淡水化、石油化学プラント、

 ガスプラントなどを、それこそワンセットで受注

 している会社もなかにはあるのだ。

 彼らのやり方やセンスをお手本にすればいい。

 (下線:藤巻)










上記の記事は、2013年1月22日のものです。


アルジェリア人質事件が勃発した際、
日揮の川名社長が記者会見の席上で、
涙を流しながら、「痛恨の極み」と悲痛な表情で
語ったシーンが思い出されます。


日揮をはじめ日本企業は、リスクを負い、
アルジェリアなどのアフリカ諸国や、
新興国の経済発展に多大な貢献をしています。


今回の事件は、企業目的の遂行と、駐在員の身の
安全をどう確保するかとのはざまで、
難問を突きつけられたと言えます。





アルジェリア

アルジェリア Wikipedia から














藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ-
人気のブログランキング



こちらのブログやサイトもご覧ください!

こんなランキング知りたくないですか?

中高年のためのパソコン入門講座(1)

藤巻隆のアーカイブ

本当に役に立つビジネス書