新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷
<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか
第2章 お金の流れが変わった!
Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児
第3章 21世紀の新パラダイムと日本
Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
Ⅱ市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
Ⅰ新興国で成功するための発想
Ⅱ日本経済再成長の処方箋
Ⅱ市場が日本を見限る日
日本というのは、たとえ内向きであっても、
ある程度はビジネスが成り立つ巨大で安定した
経済圏をもっている国なのだ。
そしてそれは、デフレ不況が二十年続き、
金融危機で収入が減っても暴動が起きず、
いつかはよくなると黙って耐える国民に
よって支えられているのである。
(今日の名言 12 通算 508 )
世界でも日本ほど国債を発行している国はほかにない。
累積の公的債務はGDPの200パーセントを超え、
更に記録を更新中だ。
アメリカですら公的債務の対GDP比は80パーセント
にすぎず、仮にオバマの計画をすべて実行したとしても
120パーセント止まりである。
そのうえ日本の債務には、公的年金の隠れ債務などは
含まれていないのだ。
OECDのレポートによると、日本の債務はこのままいくと、
2014年には対GDP比で246パーセントになるという。
(今日の名言 13 通算 509 )
団塊の世代が毎年80万人も引退するのに、
新しく就業する人はその半分の40万人しかいない。
このような現実をきちんと国民に説明し、
借金の先送りでは問題は解決できないと
いわなければならなかったのだ。
ところが民主党政権は、事業仕分けや子ども手当
といった本質とは関係のないことばかりやって、
国民の目を真実から背(そむ)けてきた。
とんでもない欺瞞(ぎまん)だといわざるをえない。
(今日の名言 14 通算 510 )
日本の金融機関は、ふたを開ければ国債しか買って
いないのである。
国民は銀行や郵貯に預金したと思っているが、
じつは間接的に国債を買っていたのだ。
つまり、日本国民の金融資産の大半は日本国債
なのである。
(今日の名言 15 通算 511 )
2012年12月に衆議院議員選挙と都知事選挙が
実施され、衆議院議員選挙で野党自民党が
記録的大勝利を収め、与党民主党は壊滅的な
敗北を喫しました。
第三極と注目された、橋下徹大阪市長率いる
日本維新の会に、選挙直前に石原慎太郎前都知事
が合流し、注目を集めました。
だが、結果は、国民の期待ほどには当選者が
増えなかった、というのが実態でした。
安倍晋三氏が自民党総裁選挙に勝利し、安倍政権は
「デフレ脱却」を旗頭に公共投資に力点を移し、
物価2%上昇を目指し、日銀に協力を要請しました。
安倍首相が組閣後、外国為替や日経平均の流れが
変わりました。
長期間の円高が一転して、対ドル、対ユーロで円安
が進み、この傾向を好感し、自動車産業をはじめと
する輸出企業の株価が軒並み上昇し、連日、日経平均
を押し上げ、なかなか超えられなかった1万円の壁を
あっさり超え、10,800円(2013年1月11日終値)に
達しました。
円高から円安への転換は、多方面に大きな影響を
及ぼします。
輸出産業は業績好調になり、収益を改善します。
一方で、輸入製品は高くなります。
例えば、原油価格が今後数カ月後には値上がりし、
ガソリン価格や石油製品の高騰を引き起こす恐れが
あります。
この1年は、日本そして世界はどのように変わり、
私たちはどのように生活を変えていかなけば
ならないのか、一人ひとりが真剣に考え、行動しな
ければならない年になる、と思います。
賃金格差、情報格差(デジタル・デバイド)など、
いくつもの格差が解消するのではなく、いっそう拡大
する時代に入った、と考えています。
以上の記事は、2013年1月12日のものです。
日本維新の会について言及していますが、
私は橋下徹代表と石原慎太郎元都知事が合流した
時点で、日本維新の会はダメになる、と確信しました。
なぜなら、橋下さんは護憲派で、石原さんは改憲派
だからです。言わば、水と油のようなもので、
混じりあうことはありません。
憲法第9条を巡って、譲歩することはありえません。
案の定、日本維新の会は空中分解しました。
先日、橋下さんが提起した「大阪都構想」の住民投票
が行われましたが、僅差とはいえ、否決されましたね。
橋下さんはこの敗北を機に、政界を引退することを表明
しました。
この流れは、日本維新の会の崩壊と無縁ではない、
と考えています。さらに、橋下さんへの信任が否決
された証左でもある、と考えています。
余談になりますが、橋下さんは日本維新の会を立ち
上げる前に、大前さんにお伺いを立てています。
大前さんは、現在はない「平成維新の会」を立ち上げ
ていたからです。大前さんは過去、都知事選に出馬し、
青島幸男さんに敗北し、以後、政治家への道を断念
しました。
結果的に、私は良かったと思っています。
その後、執筆や、起業したビジネススクールを通じて、
社会に貢献しています。
都知事選敗戦の経緯は、
大前研一 敗戦記 大前 研一
に詳細に書かれています。
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