大前研一さんは、私にとってメンターでもあり、
グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前さんの著作を読んでいつも感じるのは、
物事の本質を捉えるずば抜けた能力です。
凡人である私は大前さんの足元にも及びませんが、
不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、
と思っています。
サラリーマン再起動マニュアル
2008年10月4日 初版第1刷発行 小学館
ISBN978-4-09-379454-1
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、
きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
私が実際に行なっている「三つのインプット術」を公開しよう。
一つ目は、新聞記事からのインプットである。
私は新聞記事を中心に1日平均500本のニュースをチェック
している。
しかし、新聞は1紙も購読していない。
では、どうやって新聞記事を読んでいるのか?
インターネットのクリッピングサービスを利用しているのだ。
ただし、既製のクリッピングサービスではない。
私は、かつてのパソコン通信の技術を改良して再利用し、
RSS(※)という技術を使って、ロボットエンジン
「エアキャンパス」を独自に開発した。
この「エアキャンパス」が、日本経済新聞、朝日新聞、
読売新聞、BBC、CNNなど、あらかじめ私が指定した
ウェブサイトを巡回し、最新ニュース記事を自動的に
集めてくるのだ。
すべての指定サイトを回ってくる「全巡回」の所要時間は
3分程度だ。
(中略)
二つ目は、クラスディスカッションからのインプットである。
よく「なぜ、大前さんはそんなにいろんなことを知っているの?」
と聞かれるが、それは私が主宰・運営している『経営管理者
育成プログラム』『アタッカーズ・ビジネススクール』
『ボンド大学ーBBT MBAプログラム』『ビジネス・ブレー
クスルー(BBT)大学院大学』の授業、あるいは『平成維新
フォーラム』などを通じて毎日3000人の人たちとサイバー
スペースで“会っている”からだ。
(中略)
三つ目は、自分の足で歩き回るインプットだ。
これは経営用語でいるとMBWA(Management By Walking
Around)。
『エクセレント・カンパニー』の著者トム・ピーターズが
創り出した言葉で、一時流行したが、この「自分の足で歩き
回らねばならない」という考え方だ。
(中略)
ただし、ここで気をつけなければならないことがある。
それは「先入観によってしか物事は見えない」ということだ。
つまり、人間は先入観を持っていると、目の前に見えている
ものを素直に見ることができず、先入観に基づいて「解釈」
してしまうのだ。
※RSS/リッチ・サイト・サマリーまたはRDFサイト・サマリー
の略といわれ、各ウェブサイトで最新情報の見出しや要約などを
特別な書式にまとめたもの。ニュースサイトやブログなどで
最新記事を読者に配信したり、サイトの更新状況を知らせたり
するために使われる。
(今日の名言 26 473)
今回は、引用部分が普段よりもかなり多くなりました。
大前さんが、とても重要なノウハウを公開している
個所でしたので、あえて取り上げました。
私は、特に三つ目のMBWAが大切だと思いました。
他人から聞いたり(伝聞情報)、懸れたものを通じて
知ったり(文字情報)、という二次情報や三次情報
ではなく、一次情報を大切にする姿勢です。
待ちの姿勢で情報を得るのではなく、こちらから出かけ
ていって、先入観を持たずに現場を見るということです。
これは何歳になっても行なうべきことでしょう。
そう入っても現実的にはかなかできないことですが。
だからこそ、大前さんは精力的に行動する人物であり、
尊敬に値するのです。
大前さんは「自調自考自動(自分で調べ、自分で考え、
自ら行動する)」の人です。
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