2015.01.12
野本 弘文(のもと・ひろふみ)氏
[東京急行電鉄社長]
当社は鉄道沿線から発展した企業です。
選ばれる沿線であり続けるために、
今何をすべきかを常に考えています。
イメージしやすい言葉として2012年、現在
進める2012~14年度の中期経営計画で、
私は「3つの日本一」「ひとつの東急」を掲げ
ました。東急沿線を「住みたい沿線」、渋谷を
「訪れたい街」、二子玉川を「働きたい街」
として、それぞれ日本一を狙います。
ここでもう一度、グループ間の連携を強めると
の思いを「ひとつの東急」という言葉に込めま
した。
渋谷ヒカリエの中に、ミュージカル劇場の東急
シアターオーブを造りました。劇場そのものは
決して利益を生み出すものではありませんが、
劇場があることによって、渋谷を訪れたいと
言ってくださる方が増えます。複合文化施設の
Bunkamura の事業も、歴代の経営トップが
積極的に進めてきました。
商業施設などハコモノができただけでは、1回
見ればよいと思われてしまいます。文化度を
さらに上げることが、より多くの方を街に呼び
込む上で重要です。
渋谷は海外から来た方が訪れたいと考える街の
一つです。欧米の方は渋谷駅前のスクランブル
交差点が好きでよく来ています。訪日ビザ(査証)
の緩和などを追い風にタイからの観光客も増えて
います。
積み残してきた課題を全て、方向付けすることを
考えています。
東急グループは2014年3月期、連結で1兆円を
超える売上高がありますが、うち48%がリテール
部門です。売上高は大きいですが、営業利益率で
は1割にも満たないです。鉄道や不動産の事業
だけを捉えるなら、他社と比べても利益率は決して
低くありません。
利益率が1%改善するだけで50億円の増益に
なります。こうした点を、まさに「ひとつの東急」
として改革していきます。
東急グループは現在、グループ経営の効率化を
目指す委員会を立ち上げ、議論を重ねています。
かつてはホテル、リゾート開発などグループで
様々な海外事業を手掛けていましたが、今後は
得意分野や我々が持つノウハウを最大限生かし、
相手国と共に育てていく仕組みが、海外戦略に
おいては何より必要です。
どの沿線に住むかは、あくまでもお客様が決める
ことですが、一番重要なのは「沿線の乗降客を
増やすためにどうすべきか」という議論です。
やはり少しでも多くの方に、電車に乗っていただく
のが一番です。動いていただくためにどうするか。
それは当社単独ではなく、沿線の街と一体になって
考える方が、はるかに効果があります。
2019年には相鉄・東急直通線も開通しますが、
東海道新幹線の新横浜駅とつながり、渋谷・新宿
方面に1本で行くことも可能になります。

東京急行電鉄社長 野本 弘文 氏
(『日経ビジネス』 2015.01.12号 P.077)
渋谷には昭和49~53年の4年間ですが、
通いました。約40年前のことです。
大学(青山学院)が地元にあったからです。
この約40年間で渋谷は大きく変わりました。
渋谷駅周辺の再開発事業が行われ、
商業施設のみならず、オフィスビルが林立
しました。
インターネットが普及し、スクランブル交差点は
国内だけでなく、世界中で知られるようになり
ました。
今後も国内だけでなく、世界中から訪問客を
集めることでしょう。
渋谷は情報発信基地である、という位置づけは
不変です。
当面は、2020年の東京オリンピックに向けて、
交通機関の利便性の向上、外国人観光客向け
の案内表示などを見やすく、分かりやすくする
ことは不可欠です。
渋谷は原宿が近いので、日本文化の一つである
「オタク」や「コスプレ」を体験する機会を提供する
ことでしょう。
渋谷は、若者たちだけの街ではありません。
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