『21世紀へ』(28) 言葉の迷宮(123) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『21世紀へ』(28)





企業の社会的責任
(CSR=Company's Social Responsibility)
という言葉が、聞かれるようになったのは、
比較的最近のことです。


盛田さんが本著を書いていた当時は、
CSRという言葉は、まだ知られていません
でした。


ですが、
「企業が真の姿を社会に示し、
企業がいかに社会に対してまじめであるか、
まじめに自前の看板で創造的努力をして
いるか」
という個所を読みますと、
CSRを念頭に置いていた、と推測できます。


企業によっては、あえてCSRという言葉を
用いずに、企業目的と義務などをホームページ
で公開しているケースがあります。


決まった形式があるわけではないので、
個々の企業ごとに行えばよいことです。


7月17日(木)午後10時にテレビ東京で放映
された『カンブリア宮殿』で、
北海道の洋菓子店『きのとや』が特集され
ました。


「宅配ケーキ」を業界で先駆けとなって、
始めた店だそうです。


北海道産の素材だけを使ったケーキを製造販売
しています。


長沢昭夫社長は、
「『素材』『作りたて』『手間をかける』
の3つが当社のモットー」と語っていました。


宅配のケーキが順調に売れ、来店客も増え、
1店舗当りのケーキ販売で日本一になった
そうです。


そんな時、「好事魔多し」という出来事が起きます。


『きのとや』は過去に苦い経験をしています。
ケーキの生地作りに使う卵が原因で、
サルモネラ菌による食中毒事件を起こしてしまい
ます。1997年7月29日のことでした。


工場内には
「97年7月29日を忘れるな」
という手書きのポスターが目立つところに
貼ってあります。


5日間の営業停止後、お客様は一人も来店して
くれないかもしれないと悲観し、
社長は「倒産も覚悟していた」
と当時を振り返って、語っていました。


さらに、社員は将来性のない会社に見切りをつけ、
退職者が出ると予想したそうですが、
誰一人として辞める社員はいなかったそうです。


フタを開けると予想以上に来店客が多く、
「頑張ってください」という言葉に、
元気づけられたそうです。


社長は嬉しさのあまり、涙が流れそうになった、
と語っていました。


この事件後、社員と経営者との絆が深まった
そうです。


今、店頭の壁面には

1 安心・安全に最大限の注意を払う
2 美味しい

という掲示を掲げています。
この順序が大切ですね。


長沢社長は、最後に、
「『社員が自社に誇りを持つ』会社にしたい」、
と語っていました。とても印象的でした。






 アメリカ人がいうディスクロージャーとは、

 企業がいま、どういう状況にあって、

 これからどういう方向に向かおうとして

 いるかをはっきり示すこと、それが経営者

 責任であるということです。

 そして、企業が真の姿を社会に示し、

 企業がいかに社会に対してまじめであるか、

 まじめに自前の看板で創造的努力をして

 いるか、またその成果が上がっているか、

 がはっきり示された場合に、そこに初めて

 証券に対する信用が徐々についてくるのです。
 
                   (P.156)

         (082-1-0-000-370)

 



 


 資本主義の世の中というものは、儲けよう

 としてまじめに努力したら、それだけのもの

 はちゃんとあげるのが自由経済の原則で

 あって、いくら経営者として努力しても、

 あまり努力しない人と違わないということでは、

 日本人はいつまでもサラリーマンの椅子に

 しがみつくことになります。国際化企業でも

 有能な外国人役員を雇うこともできなくなります。

                   (P.161) 

         (083-1-0-000-371)

 





 繰り返し強調しますが、商法とか証券取引

 制度の改善は、個々の企業の目先の利害

 によって動かされるべきものではなく、

 自由経済の基本原則、すなわち、それぞれの

 自己責任と自由と権利に忠実であるべきです。

 慣れ合いに溺れず、国内的にも国際的にも、

 自由経済に対する信頼、すなわち創造的努力

 が正当に評価される社会ができるような、

 そうした方向で検討されるべきだと存じます。

                 (PP.161-162)

         (084-1-0-000-372)

 





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