盛田さんが指摘していることは、現在ではどれでも
当たり前のことと捉えられていますが、当時の多く
の企業経営者にも従業員にも十分に認識していた
人は、決して多くはなかった、と思います。
盛田さんのことを「アメリカかぶれした経営者」と
揶揄する経営者もいたかもしれません。
しかし、現実的に考えると、グローバル・スタンダード
と云われていたことは、アメリカン・スタンダードで
あったことです。
ソニーは、自社製品を売る市場をアメリカに置いて
いましたから、アメリカのやり方に沿った方法を考え、
アメリカ市場で確実な地歩を築く必要がありました。
自由経済体制の下では、企業や経営者の
自由意思が尊重され、経営者の創意工夫
を支援する方向で物事が運営されるのが
当然だと思います。たしかに米国でビジネス
をした場合、私はそういう実感を得ることが
できました。
(P.151)
(079-1-0-000-367)
私は、公開企業に求められる公正、かつ
時宜を得た企業情報の公開(タイムリー・
ディスクロージャー)が日本では不徹底な
ことに加えて、公開される企業情報を
客観的に十分理解しうる情報の分析専門家
の存在が欠けていることも、企業評価を
曖昧にする原因の一つと考えています。
もちろん日本でも企業内容分析をなしうる人は
いるのですが、制度として十分認めれていない
ようです。
(P.153)
(080-1-0-000-368)
企業の経営者は株主からの負託に応え、
十分な権利をもって企業を運営する。
そして、その結果を正確に株主に伝える
ために連結決算方式を導入し、さらに
監査役の責任と権限を強めてごまかしを
防ぐ。このようにして得られた企業情報を
専門のアナリストが分析判断し、その意見
をアナリストの責任において市場に流す。
株主は、それによって株を売るか買うか、
自らの責任で決定する。
こうした仕組みは「企業が社会に対して
まじめであること」を基本哲学として、
「まじめな企業が、たしかにまじめな企業
であると認められること」を保証する仕組み
といえます。
(P.154)
(081-1-0-000-369)
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