本当にできたのか
今でも自問し続ける
澤部 肇(さわべ・はじめ)氏
[TDK相談役]
企画課長の頃、当時社長だった素野福次郎さん
から「君はアホやから、何が正しいか見極める
のは難しいだろう。だから美しいものを求め
続けなさい」と言われました。
その言葉が、私の座右の銘になったのです。
経営で言うなら、利益だけでなく、社会的役割
を大切に考えること。
社会の公器として、どんな時代でもこれだけは
大切にしなければいけないもの。
それが美しさではないかと考えます。
変化が激しい中だからこそ、ぶれない軸がなけ
れば適切な判断はできない。その軸をしっかり
持てというのが素野さんの言う意味だと私は
理解しました。
例えば会社の組織図。客との距離が短いほど、
美しく、良い組織だと思います。
でも、業績が悪くなるとたくさんつぎはぎをして、
複雑にしてしまう。商品だってそうです。
いい電子部品はシンプルで美しい。
TDKが世界で勝ち残るには何が必要なのか。
ギリギリまで考え抜いた結果なら仕方がない
という意味だったと解釈しています。
(2014.04.14号から)
私の個人的な見解ですが、システムでも商品でも、
利用する側から見ると、シンプルで使いやすいものが、
「いいもの」であり、「美しいもの」だと思うのです。
ところが、提供する側(作り手)からすると、
自分たちがやったことは「こんなにすごいことなん
だぞ」と技術力を誇示したくなるのです。
そうすると、システムや商品が複雑になり、
利用する側から見ると、使いにくかったり、
使う必要性を感じない機能が内蔵されていて、
求めていたものとは違う、と感じてしまうのです。
「シンプル・イズ・ベスト」
は真理です。
スティーブ・ジョブズが生涯にわたって追求したのは、
「シンプル」だったと言えます。
そして、その考え方が世界中の多くの人たちに支持
されたのだと思います。
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