『ロウアーミドルの衝撃』(15) 新・大前研一名言集(97) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『ロウアーミドルの衝撃』(15)






「自分のことを中流」と考える日本人が、
かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。


しかし、今では上流と下流だけの二極に分化しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減
など従業員には逆風が吹き荒れています。


そうした現状を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)
という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が
『ロウアーミドルの衝撃』です。


現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を
描けるようになりたいものです。





 たとえば東京都の水道局は、JWWA

 (社団法人日本水道協会)の認可を

 取った製品を使っていなければ水道を

 引いてくれない。じつは日本の大手

 メーカーの便器や洗面台が、シンガ

 ポールや中国などアジア各地で日本の

 4分の1の値段で売られているのだが、

 それを日本に持ってこようとすると

 「JWWAの認可が取れていないからダメ」

 ということになってしまう。

 同じ日本のメーカーの製品をなぜ日本

 では使えないようにしているのか。

 行政と企業がグルになって国民を騙して

 いるとしか考えられない。
 
 水周りの製品に関しては、水漏れを

 起こしたときに販売禁止などの罰則を

 与えるようにすれば十分で、JWWA

 などまったく必要ない。

 こうした規制を作っている行政も、

 その規制に守られて国民に高い製品を

 売りつけている企業も、すぐに退場させる

 べきだ。
 


             今日の名言 1 〈292〉






 建築の許認可制度も日本は非常に遅れている。

 オーストラリアはCAD/CAMシステムを
 
 導入しているため、建築許認可の取得には

 48時間しかかからない。土地を見に行き、

 ハウスメーカーの営業所に行って自分の希望

 を伝えると、目の前で図面ができあがっていく。

 最後に「これで」と決めれば終わり。

 許認可に2日間、建築に1週間、家具などを

 揃える時間を見ても、2週間後には入居できる。
 

   
             今日の名言 2 〈293)




 じつは、中国で養殖された魚などが浜値を大幅に

 引き下げており、漁師は魚を「関さば」「関アジ」

 のようにブランド化しなければ生計が成り立たない

 ところまで追い込まれている。

 だから漁港も統廃合して五分の一に減らしても支障

 はないはずだが、漁業権と港湾工事という利権の

 ために、漁港は維持されている。
 

      
             今日の名言 3 〈294)




「日本には目に見えない厚い障壁がある」と
云われたものです。官僚が設けた、あらゆる
「規制」です。


しかも、省益を優先するため、縦割り行政は
一向に解消されません。


規制の緩和という言葉がクセモノです。
英語の deregulation(ディレギュレーション)
の訳語ですが、本来の意味は「規制の撤廃」です。


ところが、規制の緩和にしました。緩和と撤廃
ではまったく違いますね!


規制を緩めることと、なくすことですから。


仮に撤廃しても、別の名称で新たな規制を設けます。
ですから、一向に規制がなくならないのです。


これがすべての理由ではありませんが、2つの理由
があります。


1つは、業界の保護です。業界の秩序を保つという
大義名分のためです。そのことによって消費者保護
を唱うのです。実は、消費者保護ではなく、業界保護
ですが。


もう1つは、官僚の天下り先を確保しておくためです。
業界に参入障壁という規制を設けることで、業界や
企業に貸しを作っておくのです。


天下りは昔から連綿と続いている悪弊ですが、これも
なくならないですね。


この「天下り」という言葉が、そもそもおかしなもの
です。


公務員は公僕(パブリック・サーヴァント)のはず
です。国民のために働くということが本分です。


公僕が、主人である国民より上というのは、本末転倒
(英語では、put the cart before the horseと言い
ます)です。


ただ、議員は業界の実情に疎いので、公務員改革を
断行しようとすると、猛烈な反対にあい、頓挫します。


政権が変わっても、状況は変わりません。
米国のように、政権が変わると、役人もすっかり入れ
替わるということにでもしなければ、これから何百年
経っても変わらないでしょう。


官僚組織が堅固な保身体質を内包しているからです。





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