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日経ビジネスの特集記事(53)
シルバー維新
輝け!銀の卵たち
2014.04.07
シニアの活性化のためには、制度や企業の努力
だけでは足りません。
個人の夢を実現したいという「志」が、
最も必要である、と日経ビジネスは述べています。
能力の高いシニアが活躍している例をご紹介しましょう。
PART2 “壮年”よ、大志を抱け
デザイナー 鶴山 勝仁さん(57歳)の場合
(P.040)
岐阜県大垣市に住む鶴山勝仁さんは
今年1月、勤めていたデザイン関係の
事務所を退社して独立した。
年齢は57歳。
勤め先こそ36年間のキャリアの中で
2~3社転々としたものの、もともと
独立志向が強いわけではない。
数年前にあったある地方の選挙で、
鶴山さんは立候補者から選挙の
ブランディング全般を手掛けて
くれないかと依頼された。
鶴山さんはそれまで強く意識する
ことがなかった地域社会の重要性
に気付く。
鶴山さんは独立しましたが、「独立直後から仕事が
舞い込むわけもなく、利用を始めたのがベンチャー企業、
クラウドワークス(東京都渋谷区)のサービス」(P.040)
だったそうです。
それでも、独立して一人で仕事をするには、不安があった
と推測されます。
どのようにしてその不安を乗り越えたのでしょうか?
そのためには、クラウドワークスのサービスがどのような
ものなのかを知ることが、先でしょう。
(P.040)
同社は、企業や個人がウェブを通じて仕事
を他社に委託する「クラウドソーシング」
の仲介サービスを手掛ける。
つまり、技術者とその技術を一時的に利用したい企業を
結びつけるサービスを提供しているのですね。
鶴山さんは、こう語っています。
(P.041)
「IT(情報技術)の進歩で自分が若い頃では
考えられないくらい、個人でもビジネスが
しやすくなった」と力説する。
「この仕組みがなければ、独立はしなかった
かもしれない」とも話す。
今では、3Dプリンターがあります。
個人でも使い方に慣れれば、3次元CADでデザインした
ものを創り出すことができます。立体物をコピーして、
全く同じものを創ることもできます。
レナ・システムズ 松岡 玄也さん(68歳)の場合
(P.041)
「自分の技術にこだわっていたら、
いつの間にかこうなっていたんだよね」
松岡玄也さんは、日焼けした顔に笑みを
浮かべながらそう話し始めた。68歳。
2009年末にたった1人で半導体製造装置の
検査機器開発会社、レナ・システムズを
起業した。
松岡さんは東北大学大学院を修了後、
大手総合電機メーカーに入社。
日本有数と言われる同社の中央研究所で
20年、ほぼ一貫して半導体製造装置用の
電子線描画装置の開発に関わった。
ところが定年間近の2005年、会社は
事業自体の縮小を決定。松岡さんは
突然、仕事を失った。
運良く別の大手半導体製造装置メーカー
から誘いがかかり、スムーズに転職が
できた。
だが転職先の企業も、4年ほど経った
ところで電子線技術を使った半導体
ウェハーの検査装置事業から撤退する。
松岡さんは再び失職した。
松岡さんは、2009年3月にある決意を
実行に移す。社内で試作していた機械の
権利を会社側に頼み込んで譲り受け、
自分自身の手で仕上げる道を選んだ。
レナ・システムズはこうして誕生した。
64歳だった。
現在でも、松岡さんは1人で電子線検査装置の特注品
の製作を半導体装置メーカーから受注するように
なっているそうです。
(P.041)
「年商は2500万円程度。僕の年収はその10分の1。
1人で何とかやっているだけ」と笑う。
松岡さんは、こだわり続けた自分の技術で、
輝き続けています。こういう生き方もある、
という典型的な例と言えますね。
PART3 60代総就活の時代
シニアも主役の社会へ
最後に、日経ビジネスは、「シニアも主役として働く
社会にさらに必要な3つの取り組みを提言」しています。
この3つの提言が実現できるかどうか、は日本社会の
将来に大きな影響を及ぼすかもしれません。
提言1 60代でも能力開発
NTTコミュニケーションズで社員の能力開発などに
取り組む浅井公一・ヒューマンリソース部担当課長は、
シニアのスキルや意欲をどう高めたらいいかを検討
した際、疑問が浮かんだそうです。
(P.045)
「シニアが伸びないのは、新しい技術が
出たり、新事業を始めたりする時に、
上司から彼らを巻き込んでいないから
ではないか」
この考えを裏付けるような、客観的なデータがあります。
(P.045)
例えば労働政策研究・研修機構が2011年に
サラリーマン2500人を対象に行った調査では、
50歳以上の社員を対象にした能力開発研修を
実施している企業はわずか6.6%にすぎなかった。
では、どうすればよいでしょうか?
(P.046)
日本の場合、少子高齢化は欧州よりさらに
進んでいる。シニアを対象にした教育による
スキルアップは待ったなしの課題と言っても
過言ではない。
提言2 転職を促進する仕組みを作る
大学生の就活支援のような仕組みがあるそうです。
シニアのための就活支援を行う、キャリア開発
コンサルティングも手掛ける金森道郎氏は、
こう話しています。
(P.046)
「支援の仕方次第で60代以降でも十分に
転職は可能」と話す。
日経ビジネスは、こう述べています。
(P.047)
シニア向けのインターンシップ(就業体験)
のようなものがあれば、高齢者の転職促進
につながるかもしれない。
シニア市場を作り、シニアの人材の流動性を高めること、
と言えるでしょう。
提言3 多様な就労の場を地域に設ける
次のポイントが最も重要ではないか、と思います。
(P.047)
地域にシニアを対象とした多様な就労の場を
作り出すことだ。
その具体的な試みがあります。東京大学と都市再生機構(UR)
が柏市豊四季台地区で2009年に着手し、2012年初めから本格的に
稼働している、「セカンドライフ支援事業」です。
この事業の肝は、「仕事と人のマッチング」です。
今特集のまとめはこうなるでしょう。
(P.047)
少子高齢化社会で長い人生を豊かにする
ための政策は、官民一体で動いてこそ、
効果が出るはずだ。
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