2013.11.18
益本 康男(ますもと・やすお)氏
[クボタ会長兼社長]
前期比で増えてことで満足している
社員に対しては、「ちいとは周りを
見ろよ」と言っています。この10年間、
クボタの売上高は年1兆円強で、大きく
変わっていません。
それに対して、10年前に1兆円強だった
コマツの売上高は今やおよそ2兆円。
10年前に6000億円程度だったダイキン
工業は、当社とほぼ同じ規模になって
います。
現状に疑問を持たない社員が多いのは、
当社には良くも悪くも本当につぶれる
かどうかという瀬戸際の経験がないから
です。
長い歴史の中で、農業機械、建設機械
など事業本部が1つの会社のようになっ
てしまった。横のつながりがない、違う
会社になっている。それぞれの本部長が
違う会社を経営している感覚になって
いて、これはあかんなと。
本部長からの2次情報ではダメです。
現場を回って1次情報で判断しないと。
社員には「欧米に行って、クボタという
社名を出してみろ。『フーン』と言われ
るだけだぞ。もう少し謙虚になれ」と
檄を飛ばしています。クボタがどんな
ブランドと見られているかをしっかり
調べて、もっと売る方法を考えなければ
ならない。
日本のコメはおいしい。それを世界中に
知らせるために、香港やシンガポール
などで日本のコメを売っています。
農家さんのコメを直接買うことはできま
せんが、休耕地などで余分に作ったコメ
を買って、海外へ売りに出ています。
クボタは日本ではよく知られた会社
です。ところが、欧米に出かけてみると、
知名度はもうひとつということを益本さん
は社員に訴えています。
これは、益本さんが現場に足を運び、
1次情報を得ているから
自信を持って訴えることができるのです。
クボタに限らず、大企業は下請けに仕事
を丸投げしたり、現地の会社にお任せして
しまい、自分たちで業務を行っていない
ケースがよくあります。
そうしたことが常態化し、現場を知らない
人が経営者や幹部になると、問題がどこに
あるのか的確な判断ができず、企業が衰退
してしまうということがあります。
典型的な大企業病です。
益本さんはそうした社内の雰囲気に危機感を
抱いているのです。
私は、トップが危機感を常に持って経営に
当たっている限り、企業が衰退することは
ない、と思っています。
トラクター クボタ顔 撮り虎(KUBOTA FACES)
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