日経ビジネスの特集記事(31)  2013年 日本の革新者たち 世界を変える突破力(1) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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日経ビジネスの特集記事(31)

2013年 日本の革新者たち
世界を変える突破力

2013.11.11


今年終盤の話題は、LINEの利用者が全世界で3億人に
達することと、プロ野球日本シリーズで、去年の覇者・
読売ジャイアンツを東北楽天ゴールデンイーグルスが破り、
日本一になったことでしょう。球団創設9年目のことでした。


私個人としては、ジャイアンツが負けたことは悔しいですが。


そこで、まず、LINEの社長・森川亮さんと東北楽天ゴールデン
イーグルス社長・立花陽三さんを取り上げます。



PART1 独創モデル生む覚悟

森川亮 LINE社長 世界で3億人が使う
無料通話アプリを開発


スマホの普及に比例して、LINEの利用者が
うなぎのぼりに増加し、今年中に全世界で3億人に達する
ということです。PC向けのアプリ開発からスマホ向けへ
舵を切ったのは、LINE社長の森川亮さんです。


私は、今でもフューチャーフォン(ガラケー)を使ってい
ます。ですが、PCでLINEのサービスが利用できるように
しています。


家族では、私だけスマホを使っていません。家内も子供も
ガラケーが古くなったので、先にスマホに変更したのです。


話を戻しましょう。


森川さんが、PC向けアプリ開発を捨て、スマホに特化した
理由は何だったのでしょう。


森川は、自らの経営手法を「サッカー型」

だと言う。今の時代、野球のように、

打順やポジション、攻守のルールが

ある中では、イノベーションは生ま

れない。ゴールキーパーが得点を決

めることさえあるサッカーのような

柔軟性と、「個人の考える力」が必

要だ。「そうしなければ、変化の激

しい時代に完全に置いて行かれる」。

 (P.31)


森川さんの決断の速さが今の地位を築いた、と言えます。


振り返ると3年前の森川の決断が

いかに功を奏したかが分かる。森川に

言わせれば「ガラケーで負けていた

からできたこと」。「イノベーション

のジレンマ」に陥る他社を横目に、

軽やかにスマホの世界に自らを導いた。

 (P.31)


森川さんは筑波大学を卒業後、日本テレビ放送網へ入社し
ましたが、最初の挫折を味わっています。インターネット
事業ができると思い提案したそうですが、一蹴されました。


その後、ソニーに転職しましたが、ここで2度目の挫折を
味わっています。「ソニーの技術をこう使っていると説明
できなければダメだ」と上司にダメ出しされました。


ソニーは大企業病に罹っていたのです。「垂直統合=自前
主義」の時代から「水平分業=共創」の時代への変化に
取り残されたのです。


私は、2度「挫折」と書きましたが、森川さんはそのように
考えていないかもしれません。


自分の成長のために必要な糧、と思っているように見えます。



森川社長が経営者会議に出席した時の動画です。





立花陽三 東北楽天ゴールデンイーグルス社長
球団初の日本一
外資金融マンが支える


東北楽天ゴールデンイーグルスがパ・リーグを制覇し、
余勢をかって読売ジャイアンツを4勝3敗で
降した力は何だったのだろう、と考えたとこ
ろ、一つの結論に到達しました。


それは、選手、ファン、球団職員、地元企業
との「一体感」が優勝へ導いた、というものです。


残念ながら、ジャイアンツには一体感があまり
感じられませんでした。何かバラバラの印象を
最後まで拭えませんでした。


立花さんは、「一体感」を生み出す原動力となった
人です。立花さんは慶応義塾大学を卒業後、複数の
外資系金融機関に勤務しました。


当時から、楽天社長の三木谷浩史さんと親交があり、
三木谷さんから「東北楽天ゴールデンイーグルスの
球団社長をやってくれないか」とオファーを受け、
引き受けました。


球団社長に就任したのは、2012年8月のことです。


わずか1年で楽天球団を日本一に導く、基盤を築き
上げました。


立花さんは、野球はまったく知りませんでした。


中学、高校、大学までラグビー一筋だったのです。


私は、人間には4つのタイプがいると考えています。


1つ目のタイプは、自ら燃える人。

2つ目のタイプは、人から刺激を受けて燃える人。

3つ目のタイプは、どうやっても燃えない人。

この3つのタイプはよく指摘されることです。

私はもう一つのタイプを考えました。

4つ目のタイプは、自分も燃えるが、人を燃える
人になれるように、フルサポートする人。


私は4つ目のタイプが一体感を生むのではないか、
と考えています。


立花さんは、4つ目のタイプではないか、と思っ
ています。


昨シーズンを4位で終えた立花さんは、球団職員
の前でこう言い放ったそうです。


「チームが4位ということは、

あなたたちが4位ということです」。

「12球団中最もハードワークをすれば、

必ず1位になれる。ただし、近道はない。

選手、球団職員、ファンがお互いに尊敬

し合い、本気で挑めば絶対に勝てる」。

 (PP.32-3)


立花さんは、年明けからその言葉通りに行動を
開始しました。立花さんは、「言行一致」と
「率先垂範」の人でもありました。


年明け早々に撮影した写真には、通常はまずあり
えないことが、写っていました。


選手と職員が入れ子になってV字を描くように、
並んで写っていたということです。


立花さんは、自ら裏方さんになり、ファンを増やす
地道な努力を続けてきたのです。


試合の日は球場内を歩き回り、

来場客に自ら挨拶する。シーズン開幕

直前にチケットの売れ行きが鈍いと判断

するや否や、自ら仙台の商店街に足を運

んだ。

「球場がファンでいっぱいにならないのは

球団の責任」と自らが足で稼いだ結果なの

だ。

次々と周りを巻き込みながら、立花は楽天

球団を変えていった。

 (P.33)


立花さんが懇意にしていた三井住友銀行取締役で
ラグビー日本代表監督だった宿澤広朗さんは、
生前にこんな言葉を残しているそうです。


「努力は運を支配する」。

 (P.34)


楽天球団は、今年日本一となり、挑戦者から
チャンピオンになり、追われる立場になりました。


連覇するためには、さらに一段の努力が必要です。


マー君の愛称で知られる、田中将大投手のメジャー
への移籍があるかどうか、は大きなポイントになる
でしょう。


【初優勝】楽天の三木谷浩史社長と立花陽三球団社長の会見




次回は、「PART2 ケタ違い技術を実現する執念」に
ついてお伝えします。





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