日経ビジネスの特集記事(26)  「中国失速」の真実(3) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(26)



「中国失速」の真実  2013.10.7



朱鎔基の再来なるか


朱鎔基元首相は、国有企業改革やWTO加盟で
辣腕を振るったということですが、後を継いだ
李克強首相は学者肌で、どこまで政策を実行
できるかが、問われています。


朱鎔基元首相が共産党幹部の汚職に対して
厳しい姿勢を貫いたことを象徴する言葉が
あります。


「100の棺桶を用意せよ。私の分も1ついる」


李克強首相とはどんな人なのでしょう?

北京大学を優秀な成績で卒業した

李克強は、学者肌であるがゆえに

線が細いとも指摘される。その

李克強が、中国経済を安定成長に

導くために必要な改革を断行できる

かどうか。ひとえに国家主席の

習近平が支えきれるかどうかに

かかっている。
  (P.45)


中国は、国家よりも共産党を上位に置く
特殊な政治形態を持っています。


共産党幹部が出世するための条件があります。

共産党幹部は、担当する自治体の経済を

任期中にどれだけ成長させたかで

出世が決まる。人間の欲と国に

発展をシンクロさせる仕組みが

はまり、中国は驚異的な経済成長

を成し遂げた。
  (P.45)


中華人民共和国が誕生してから現在までの
歴代指導者と主な政策を見てみましょう。



第1世代 毛沢東

大躍進政策
(工業と農業の大増産を図るも大失敗)


第2世代 鄧小平

改革開放、先富論
(豊かになれる者から先に富め)


第3世代 江沢民

愛国主義、3つの代表
(企業経営者にも党員資格を与えた)


第4世代 胡錦濤

和諧社会(格差の是正)、科学的発展観
(持続可能な発展)


第5世代 習近平

中国の夢
(中華民族の偉大な復興)



中国は1党独裁の政治形態なので、大過なく
過ぎれば、習近平体制が2023年までの10年間
政権を担うことになります。




中国の強さと弱さ

日経ビジネスは中国の強さと弱さを
それぞれ2つずつ取り上げています。


強さ1

都市化はもうしばらく続く

農村人口は今も6億人を超えている。
年間1000万~1500万人が都市部に
移動すると仮定しても、もうしばらく
は都市化の恩恵は受けられそうだ。


強さ2

消費に力強さはないが、伸びている

消費関連のビジネスには十分な可能性
がある。民間の自動車保有台数は
1億台を超えた段階。

自動車販売が急減速するとの予測は
ほとんどない。


弱さ1

高齢化はヒタヒタ迫る

2012年末の時点で、65歳以上の人口は
1億2714万人に達した。日本の総人口
と同じ数の高齢者を抱えていることに
なる。対象を60歳以上に広げれば2億人
近い。


弱さ2

投資効率はかなり低下

足元ではGDP(国内総生産)に占める
投資の割合が約5割に達している。
しかも、この比率は徐々に上がってきて
おり、目先の成長確保のために投資を
繰り返してきたことを裏づける。機会化
や自動化、そしてイノベーションを
進めて生産性を改善することができるか
が問われる。



今回の特集記事は、中国の現状と将来の展望
でした。近い将来、中国はGDPで米国を抜き
世界一になることはほぼ確実と見られています。
もはや、中国国内の問題は中国1国の問題ではなく、
日本にとっても世界にとっても重要な問題を孕んで
いることが分かります。






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