『ビジネス・ウェポン』(6) 新・大前研一名言集(47) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『ビジネス・ウェポン』(6)
 
『ビジネス・ウエポン』(初版 2002年12月20日 小学館)は、
大前研一さんがマッキンゼーに在籍した時に自ら開発した、
スキルなどの多くを披露している本です。

サラリーマンの武器(ウエポン)は論理力と創造力である、
という言葉はとても説得力を持っています。




売価からコストを引けば利益が出る。
その利益に売上数量をかければ全体の
利益額が出てくる。要は売価を上げて、
コストを下げて、売り上げを伸ばせば
企業は安泰、というわけである。

              今日の名言 1 〈139〉




売る、という行為には2通りの選択肢
しかない。自社で売る(直売)か、
他人に売ってもらう(代理店)である。
自分で売れば情熱がこもり、
製品の説明もうまくできるだろうが、
接触できる人の数が限られているので、
売り上げを伸ばすには大量の販売員を
抱えなければならない。

              今日の名言 2 〈140〉




代理店型の販売は何らかの形で影響力を
持っていないと売れない。多くの会社の
商品を取り扱う代理店が好んで取り上げ
たくなるためには、顧客の要望が強いか、
マージンが他社の類似品よりも大きいこと
が必要だ。しかも、マージンを代理店
または販売店が好むような形で渡さなくては
効き目が薄い。

              今日の名言 3 〈141〉




私の体験をお話しましょう。
私が30歳から50歳直前まで、外国の書籍・雑誌の
輸入卸会社に勤務していました。


その会社は、「TIME」「Newsweek」「The Economist」
などのビジネス雑誌、「Playboy」「Penthouse」などの
男性誌、「Vogue」「ELLE」「Seventeen」などの女性誌、
話題のペーパーバックスやハードカバー、豪華美術本等
を輸入し、トーハンや日販などの大手取次や、全国チェーン
の紀伊國屋書店や丸善、三省堂書店などの大手書店、
さらに街の書店へ卸していました。


ほとんどの商品は返品可能(出版社によって返品率に
制限がありました)でしたが、写真集などのアート
や豪華な美術本は買切り商品でした。


買い切り商品は利幅は大きかったですが、まとまった
数量が売れるわけではありません。
あまり旨味はありませんでした。


実際、売れ残ったアートや、美術本は不良在庫
となりました。


国内で出版されていた「ハーレクイン・ロマンス」の
代理店にもなっていました。日販が「ハーレクイン」の
営業権を取得するまでは。


入社した当時は、全て船便で輸入していました。
ところが、アマゾンが日本に進出すると、スピードで対抗
するため、航空便で輸入するようになりました。


コストが大幅アップしましたが、アマゾンが低価格攻勢を
強めたため、当社はコストアップ分を価格に転嫁すること
はできませんでした。


決済は、ドル建てが60%、ユーロ建てが30%、ポンド建て
その他が10%でした。
為替変動で、円安になると、円での支払いが増加し、
円高になると、円の支払いは減少します。


しかし、どちらになっても厳しい状況に変わりません
でした。


というのは、円安の場合、円の支出が多くなっても、
卸価格の見直しは容易にできませんでした。


一方、円高の場合、卸価格を下げなくてはならず、
売上も利益も減少したからです。




顧客は書店で現物の本や雑誌を店頭で見て、アマゾンで
注文するという「ショールーム化」が進行しました。


当時は、「ショールーム化」は全く想定されていなかった
ため、書店も当社も売上の低下はアマゾンの低価格による
ものと考えていました。


後になって分かったことですが、書店店頭で買わなくなった
人が増えてきていたのです。インターネットで注文すれば、
自宅や希望する場所に届けてくれます。


これでは勝ち目はありませんでした。
私が退職後、数年してその会社は、破綻しました。





      
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