『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、
中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。
中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』
『中華連邦』)は必読書です。
大前研一さんは歴史を重要視しています。
そして独自の歴史観から事象を捉えることもしています。
ドイツの宰相・ビスマルクの言葉と言われている、
「愚者は己の経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
ということを実践しているのが大前さんです。
今日の名言 1 〈118〉今の中国は、日本についで外貨の蓄えがある。台湾レベルの都市は、現在の中国にはいくつもある。すでに技術だって手に入れた。珠江デルタを見れば、台湾というカモが、技術というネギをしょって東莞にやってきてくれたようなものだ。立ち止まってふと考えてみれば、中国にとって台湾の重要性は著しく減ってしまったのである。
今日の名言 2 〈119〉ホワイトカラーに限って言えば、中国でも人件費はどんどん上がっている。優秀なスタッフはいわゆるアメリカ帰りだったり、外資系企業との引き抜き合戦があったりして、国際的な時価に近づいているのだ。私もマッキンゼー時代にそういう人材を随分採用したが、すぐに国際的な相場に上がってしまった。
今日の名言 3 〈120〉中国の経営者の多くは、公式の場から場所を変えて話をすると、「10年の間に全部やらなければダメなのです。中国はすべてをこの10年でやりつくさなければならないのです」ということをしきりに強調する。それだけ近い将来に対する危機感がある。
中国では、現在でも生まれた地域によって、「身分」に格差がある、
と言われています。
農村地域で生まれた人は、北京などの都会生まれの人とは結婚できない
とまで言われています。
結婚だけでなく、就職においても農村地域出身者はハンデがあります。
そのため、優秀な人は、アメリカの一流大学、例えば、ハーバード大学や
MIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォード大学などに進学し、
MBA(経営学修士)などを取得し、帰国して起業するそうです。
身分格差があっても、起業家となれば一代で億万長者も夢ではない
からです。
それだけに、中国の優秀な学生は物凄く意欲的です。
日本の優秀な学生には、中国の優秀な学生に負けないように頑張って
もらいたい、と思います。
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