『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、
中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。
中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』
『中華連邦』)は必読書です。
大前研一さんは歴史を重要視しています。
そして独自の歴史観から事象を捉えることもしています。
ドイツの宰相・ビスマルクの言葉と言われている、
「愚者は己の経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
ということを実践しているのが大前さんです。
今日の名言 1 〈106〉中国はすでにほとんどフリー貿易の世界の中にあり、国営企業だって香港に行ってしまうという環境でやってきている。いまさらWTOに加盟したからといって、実態は何も変わらないだろう。
今日の名言 2 〈107〉中国で現在できあがってきている地域経済ユニットは一つが一億人単位であり、規模的にはリージョン・ステートではなく、さらに大きな枠組みであるメガリージョンになる。このメガリージョンの中に、リージョン・ステート、つまり地域国家が最低二つ、大きいところだと六つくらい含まれるという構図なのだ。
今日の名言 3 〈108〉日本のような際立った中央集権国家は、もう世界に例がない。なぜなら、すでに時代に合わないからだ。国境なき経済、ボーダーレス経済においては、いかに中央集権であっても、さまざまな形で裏側からお金が流れ、技術が漏れ、企業がこぼれていってしまう。ボーダーレス経済のこの時代には、中央集権制を維持していくには莫大なエネルギーを必要とするのだ。
ボーダーレス経済においては、モノもカネも情報も一瞬にして
移動してしまいます。
どんなに規制してもその流れを止めることはできないのです。
この点は、よく認識しておく必要がある、と思います。
ある事件が起きた場合、その国の政府がどんなに情報統制
しようとしても、インターネットを通じて、全世界に
広まってしまいます。
それは、中国においても事情は同じです。
ただ、1つだけ異なる点があります。
それは、1党独裁で、なおかつ共産党が国家より上位に
あることです。共産党がピラミッドの頂点に位置し、
国家はその下にある、という事実です。
中国問題を考える場合、この点を常に考慮する必要性が
あります。
記事が面白かったら
ポチッとして下さい。

こちらのブログもご覧ください!
藤巻隆のアーカイブ
私の書棚(読み終わった本の一覧)