『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、
中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。
中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』
『中華連邦』)は必読書です。
大前研一さんは歴史を重要視しています。
そして独自の歴史観から事象を捉えることもしています。
ドイツの宰相・ビスマルクの言葉と言われている、
「愚者は己の経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
ということを、実践しているのが大前さんです。
今日の名言 1 〈100〉空洞化については、みな錯覚している。空洞化しても、国の経済は全然おかしくならない。日本は空洞化をどんどん進めるべきなのだ。今後、外に出て行く日本企業には、むしろ奨励すらしてあげてもいいと思う。なにせ税金での救済を求めずに、自分で生存地を求めていくのだから。
今日の名言 2 〈101〉今の日本人は、あまりに世界のことを知らなすぎる。学者やジャーナリストも、一部の国や事例しか見てきていない。それで、空洞化対策だ、デフレ阻止だ、失業対策だ、セーフガードだ、とやるものだから、国民は全体像を見る機会がない。やはり、お隣の中国のことくらいは、自分の足を使いその目で見てきたほうがいいのではないか。また、多くの人が中国を見ることによって、日本に対して正しい危機感を持ってもらうのはよいことだ。日本には、まだまだ打つ手があるし、またダメージを少なくする手も今ならある。要は、チャイナ・インパクト(中国の衝撃)をいかに自分自身の変革の原動力とするか、という応用問題なのだ。
今日の名言 3 〈102〉私がこれほどまで中国の発展を確信するのには、いくつかの根拠がある。キーワードは、「富の創出機構」「連邦制」「四つのC」だ。これらが互いに相乗効果を発揮しながら、中国の爆発的成長を支えているのである。
ユニクロの柳井正会長兼社長は、将来の売上高の目標を4兆円に
据えています。
直近の決算で、ついに1兆円企業となりました。
将来の売上比率を海外で7割、国内で3割と見ています。
4兆円の売上高を達成し、世界一のアパレル企業になるためには、
国内だけでは不可能なのです。
上海に旗艦店をオープンし、中国を「世界の工場」として
だけでなく、「巨大市場」とみなしています。
ところで、「四つのC」とは?
Customer(顧客)、Competitor(競争者、競合相手)、
Company(自社)、Channel(流通チャンネル)です。
これが通常の四つのCですが、
大前さんは、こう考えています。
キャピタル(資本)、コーポレーション(企業)、
コンシューマー(消費者)、コミュニケーション(情報)
この四つのCをしっかりコントロールできれば、優位に立てます。
中国はそれらをコントロールすることができる、
と大前さんは考えているのです。
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