『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、
中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。
中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』
『中華連邦』)は必読書です。
大前研一さんは歴史を重要視しています。
そして独自の歴史観から事象を捉えることもしています。
ドイツの宰相ビスマルクの言葉と言われている、
「愚者は己の経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
ということを実践しているのが大前さんです。
今日の名言 1 〈97〉日本の悲劇は、47都道府県が総務省(旧自治省)を頂点とするばらまき行政で、ほとんど平板になってしまったことだ。どこへ行っても同じような空港があって、どこへ行っても同じような駅がある。地方は皆、新幹線の誘致と空港の拡大に一生懸命取り組んでいる。だから、日本には特徴ある地域が生まれない。
今日の名言 2 〈98〉国内の産業を悩ませている輸入製品は、すべて中国を利用している日本企業の手で送り出されたものなのだ。そうでなければ「メイド・イン・チャイナ」の味や品質は、日本の消費者の要求を満たせない。
今日の名言 3 〈99〉これからの企業の優劣を分けるのは、「誰が中国を一番うまく使ったか」というポイントに大きくかかってくる。もちろん「誰が」という部分が、欧米企業の場合もある。そのときは日本に向けて、中国で製造した製品をぶつけてくる。
大前さんは以前、「日本の行政は土建業だ」といった意味のことを
書いたことがあります。
的を射た意見だと思います。
別名「箱物行政」と言われるものです。
器は立派でも、中身がないので、スカスカになっていることを
揶揄しています。
都道府県や市また町の庁舎は、たいそう立派なものが多いですね。
世界的な建築家・丹下健三さんが設計した都庁舎は典型例です。
昨日(2014年2月9日)、TBSテレビの「噂の東京マガジン」で、
埼玉県のある町で、庁舎の建て替え工事を行うことが決まった、
と伝えていました。
この町は、最寄りの駅が町内になく、交通の便が悪く、
若者たちが町を出ていってしまう、ということでした。
当初予定では6億円の建設費で賄えるはずが、その後建設資材の
高騰や不要な設備(吹き抜けや展望階など)を設計に盛り込み、
なんと26億円に達したということでした。
より正確な金額は25億7千万円でした。4倍以上です。
不足額は、借入金と町債、税金で賄うというのです。
ここまでやる明確な理由はありません。
テレビ取材に対し、町長は応じず、担当者が応答していました。
「町民がくつろげる場所にしたい」「展望室は見晴らしがいい」
聞いていて呆れるばかりでした。
すべてが提供者の論理で行われているのです。
町民へのサービスを最優先して考えるのではなく、自分たちの
都合で事を運ぼうとする役人らしい発想です。
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