10年以上前、「複雑系」という考え方が
一世を風靡したことがありました。
複雑系を説明する、象徴的な言葉に、
「全体は部分の総和よりも大きい」があり
ます。
この考え方は、相乗効果を説明しているわ
けですが、ダニエル・ピンクが説く、
「ハイ・コンセプト」と通底するものです。
シンフォニーとは、バラバラの断片をつなぎ
合わせる能力である。
「分析する」というよりも「統合する力」で
あり、「一見、無関係に思われる分野に関連
性を見出す力」、「特定の答えを出す」という
よりも「広範なパターンを見つける力」、そし
て「誰も考えなかったような要素の組み合わせ
から新たなものを創造する力」なのだ。
また、「調和(シンフォニー)」は、文字通りにも
比喩的にも、右脳に備わっている資質である。
(P.205)
(031ー1-0-000-082)
現代の生活は、うんざりするほど選択肢や刺激
があふれているので、物事の全体像をとらえる
力、つまり、本当に重要なことを見極める力が、
個人の幸福を追求する上で決定的な強みを持つ
のである。この「調和(シンフォニー)」の能力
を理解し、また、高めるための最良の方法は、
絵の描きかたを学ぶことだ。
(P.206)
(032-1-0-000-083)
先生はピカソの線画を見せ、それを模写する
ように指示した。
だが、私たちが描き始める前に、その絵を
さかさまにするように言った。そうすること
で、私たちには「何を描いているのかわから
なくなるから」だというのだ。左脳をあざむ
き、右脳のための道筋をはっきりさせること
が彼の目的だった。右脳の活動を左脳が認識
していないときにこそ、頭は物事の関連性を
自由にとらえ、それらを全体像へと統合する
ことができる。これは多くの点で描画を学ぶ
際のキーポイントとなっている。
それと同時に「調和力」を身につけるための
カギでもある。
(P.209)
(033-1-0-000-084)
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