『ドットコム仕事術』(初版 2003年8月10日 小学館)は、
日本でIT企業が注目され始めた頃に書かれた本です。
先見性と洞察力に裏打ちされた本書を読み返してみると、
新しい発想で仕事に取り組み成果を挙げるための多くの
ヒントが見つかりました。
今日の名言 1 〈73〉経営者が経済紙誌をはじめとするマスコミに頻繁に登場することが、有望企業の証と勘違いし、就職を希望する人が多い。これは間違いである。逆に、そうした企業ほど、その将来性を占う上で慎重さが求められる。
なぜなら、こうした経営者はいつしか顧客ではなく、マスコミや投資家を見て仕事をしがちである。インタビューで「次の事業展開は」と質問され、つい答えてしまう。マスコミはそれを大々的に書き立て、投資家が反応して株価が動く。社員は寝耳に水で、新聞を読んでびっくり。これが、いわゆる「新聞辞令」と呼ばれる珍事である。経営者は発言してしまった手前、引っ込みがつかなくなり、勝算がないのに事業を始めざるを得なくなってしまう。それをきっかけとして会社がおかしくなる。
有名社長、名物社長による好調など、一過性のものでしかないことを理解しておこう。
今日の名言 2 〈74〉ビジネスでも人生でも、私たちは常に2つの大きな選択を迫られている。不平や不満、さまざまな問題を抱えながらも、安定を最重視し、今いる場所に立ち続けるか?それとも安住の地を捨て、未知のジャングルに分け入っていくのか? 選ぶのは他人ではない。自分自身である。
今日の名言 3 〈75〉決定的差別化の必要性は、ネットビジネスに限った話ではない。あらゆる事業に共通することである。雑誌にしても、ごく一部のキラーコンテンツ的な記事があるから売れるのであり、携帯電話にしても、写真の送受信ができる、ムービーが撮れるといった新機能によって差別化に成功した商品がヒットしたのである。
神田昌典さんは、『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』の中で、
次のように述べています。
「戦略とは選択すること。その次に、選択したものの優先順位を
決定することである。」
また、このようにも述べています。
「本質的に、戦略というのは他社と差別化することである。
差別化できないと、顧客にとってはどの会社でも同じだから、
あなたの会社から買う必然性はまったくなくなる。」
さらに、同書から有益な言葉をご紹介します。
「顧客を選ぶことを徹底して考えてみる。顧客を選び、
その顧客に他社では得られないサービスを提供するからこそ、
逆に顧客から選ばれるのである。」
こうした言葉を見ますと、大前さんと神田さんの考え方に共通点
があることに気付かされます。
昔、神田さんの同書の書評を書いたことがあります。
興味がありましたら、
60分間・企業ダントツ化プロジェクト
をご覧ください。
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