バックナンバー(57)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2011.09.26
(No.4)<238>
「低信頼性社会」を攻める
重光 昭夫(しげみつ・あきお)氏
[韓国ロッテグループ会長]
2018年にどんな会社がアジアでトップになるのか分かりません。日本でも海外展開で成功している企業はありますから、トヨタなどのいくつかの企業がトップ10に入るでしょう。
我々も存在感のある企業にならなくてはならない。そこで国営企業のような公企業を除いた、いわゆる上場企業の中で20兆円くらいの売上高があれば、トップ10に入れると考えました。
今後10~20年の世界経済の伸びのほぼ7割がアジアです。目標を策定してした2008年時点で、2030年の世界経済の状況を試算したのですが、当時は欧州連合(EU)と米国を足すと世界経済のおよそ5割でした。日本を含めたアジアは26%。それが2030年には逆転します。世界経済の46%くらいがアジアで、EUと米国を合わせて26%くらい。世界の成長センターは今後、間違いなくアジアに移ります。
M&Aは基本的に、安くないと買ってはいけない。例えば、インドネシアで現金卸問屋のマクロを買収したのは2008年10月末なんです。ちょうどリーマンショックの1カ月半後でした。当時は「こんな時に買って気が狂っているんじゃないか」と言われましたけど、今考えるとあれは最高のタイミングでした。安く買うと、それだけ設備投資などに資金を回せます。大体、そうした時は、競争相手もいませんから。
韓国企業はオーナーが絶対的な権限を持って、大きな決断ができます。グローバル展開での差は、企業のリーダーシップに尽きると思います。
● 2011.09.19
(No.3)<237>
もはやメーカーではない
潮田 洋一郎(うしおだ・よういちろう)氏
[住生活グループ会長]
INAXとトステムが持ち株会社を作って10年が経過しても、実質的な統合はできなかった。にもかかわらず今回は、一気に3位の新日軽まで含めて統合できた。市場が縮小する中で、あまり業績がよくない大きな会社を2つ買うことで、統合を進め、固定費削減などに取り組まざるを得ない状況を作り出した部分があります。
まずはコストシナジーが一番大きなところです。3割ぐらいは削れると見ています。既存事業の売上高営業利益率で10%台程度の数字が出る体質になりたいと思っています。
さらに、もう1つの効果である販売シナジーを大きくしたい。
コストダウンになるなら、我々のサービスを活用してくれるところは増えるでしょう。家の値段を引き下げことができるわけですから。
そうすると、ある意味でTOTOやYKKAPといったこれまでのライバル企業が、我々のライバルじゃなくなるんです。窓がトステムだろうが、YKKAPだろうが、新日軽だろうが、我々が合理的に新しいサプライチェーンを作ればいい。ですから競争の形が激変すると思います。
● 2011.09.12
(No.2)<236>
海外事業100億ドルへ
三浦 惺(みうら・さとし)氏
[NTT社長]
M&Aというものは、1+1が2になるだけではダメなんです。ところが買う時は当然時価にプレミアムをつけて買うわけだから、それだけで1+1が2以下になってしまうケースもある。さらに今回のように、NTTの傘下に入れば、ディメンション(南アフリカ共和国のシステム大手ディメンション・データ 注:藤巻)が持っていたほかの通信会社との仕事が減る可能性だってある。それを回避するためにはシナジーを発揮させなければならない。
ディメンションは、顧客企業のオフィスや工場など拠点の中に入っていって細やかなシステムを構築することに長けた企業です。従来のNTTグループが全く持っていなかった分野であり、相互補完効果が非常に高いと思っています。
先日NTT東日本はセブン・イレブン・ジャパンとの提携を発表しました。コンビニエンスストアに無線LAN基地局を設置させてもらい、スマートフォンなどでブロードバンドが利用できるようにします。NTTグループの公衆無線LANスポットは現在2万カ所程度ですが、今後、NTT東日本で5万カ所、NTTドコモで10万カ所といった具合に拡大させます。その結果、光回線は従来のように各家庭に加入してもらうだけでなく、企業利用が増えていくでしょう。
● 2011.09.05
(No.1)<235>
「技術革新」と「効率性」両立
楊 元慶(Yang Yuanqing=ヤン・ユエンチン)氏
[レノボ・グループCEO(最高経営責任者)]
NECのパソコン部隊とレノボの部隊を統合する予定です。3年以内に日本市場で両社合わせて30%以上のシェアの獲得を目指します。両社を合わせた現在のシェアは約25%です。日本市場で(NECとレノボの)デュアルブランド戦略を展開し、競争力のある製品を安く提供することで必ずシェアを高められると信じています。
企業が成功するには、少なくとも2つの特性を持つ必要があります。1つは「イノベーション(技術革新)」、もう1つが「効率化」です。両方をバランスよく持つ企業だけが、長期的な成功を収めることができます。
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