バックナンバー(41)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2010.5.31
(No.5)<173>
日本で大型買収する
ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏
[米バークシャー・ハザウェイ会長兼CEO(最高経営責任者)]
経済大国・日本で大型の企業買収のチャンスを見つけて、利益を得たいと考えています。
選定には5~10年はかかるかもしれません。
現時点では具体的な企業を考えているわけではありませんが、個人的には5~10カ月以内にも実現したいと思っています。
来年3月には日本を訪れる予定です。
約15カ月前に傘下企業のイスカル(イスラエルの切削工具メーカー)が優秀な日本企業(タンガロイ)を買収しました。
とても重要な意味を持つ投資なので、イスカルの経営陣と相談して訪日を決めました。
日本が戦後成し遂げた偉業には敬意を表します。
バブル景気が弾けた後は20年間も停滞状態にありますが、そんな状況にあっても日本人は礼儀正しさと謙虚さを失わず、文句を言ったり、泣き叫んだりすることもなく、淡々と対処している。
自分たちが犯した過ちに対するけじめを、これほど優雅に分別を持って背負っている国は世界中のどこを探してもありません。
日本はそれを誇りに思うべきです。
● 2010.5.24
(No.4)<172>
“原点”は何かを問い直せ
尾山 基(おやま・もとい)氏
[アシックス社長]
商品の魅力を高め続けるには何が必要なのか。
1つには、1人でも多くのアスリートに我が社の製品を愛用してもらうことだ。
その選手が活躍する姿を目の当たりにした人が、「アシックスのシューズって格好いいよね」と思う。
そうした機会を増やしていくことは重要だ。
そして繰り返しになるが、同時にファッション性にも磨きをかけていくことが欠かせない。
今後もデザインセンターを拠点として、社外のデザイナーなどの力も借りながら、商品のファッション性を高めていく考えだ。
ファッション性においても消費者を魅了する商品を継続して出せるようになれば、広告宣伝の面で様々なテクニックを弄する必要はないと思う。
そのためにも、商品力を高め続けていくというメーカーの“原点”を決して見失ってはならない。
このことを改めて肝に銘じている。
● 2010.5.17
(No.3)<171>
永久雇用で空洞化を防げ
永守 重信(ながもり・しげのぶ)氏
[日本電産社長]
「日本はモノ作りでは生きていけない」と発言する経営者がいますが、では金融で生きていけるのでしょうか?
金融は狩猟民族の世界、切った張ったの世界です。
英国は金融にいってモノ作りがダメになりました。
日本は農耕民族です。
お互いに農機具を共有し合ったり、みんなで助け合ってモノを作ってきました。
苦しい時は収入は減るが、その代わり社員をクビにしない永久雇用の原則が日本企業の強みだったのです。
ところが、狩猟民族の考えだけを導入し日本の良さである永久雇用の原則を崩した。
それが問題です。
永久雇用だから仕事に集中でき、休日出勤や徹夜も厭わず仕事に全力投球できました。
そこが日本企業の強さだったのです。
今からでも遅くありません。
永久雇用をはじめとする日本企業の持ち味を再考し、本来の姿に戻すべきです。
リーマンショック以降に私がやったことは、まさに日本的経営を徹底したことです。
モノ作りの空洞化という最悪な事態を回避するために、これからの数年間が重要になります。
● 2010.5.10
(No.2)<170>
カギは自発的なムダ削減
酒巻 久(さかまき・ひさし)氏
[キャノン電子社長]
経営環境の大原則は「環境負荷の低減こそが利益を生む」と経営トップ自らが毎日語り続けること。
社員を動かすためには、トップ自らが意識し、発言することが絶対条件だ。
そのうえで、社員に環境意識を根づかせる仕組みを作る。
環境経営のエンジンは、環境を配慮して自発的に動く社員だ。
日々の改善活動の積み上げなくして、環境経営は成立しない。
では、キャノン電子でどう実践してきたか。
まず、トップの思いが直接伝わる明確な目標を打ち出すことだ。
私は就任直後に、「急ごう! さもないと地球も会社も滅びてしまう」というスローガンを掲げた。
社員に環境経営のイメージを伝えるために考えたものだ。
同時に「TSS1/2」という目標を立てた。
TSSは「Time&Space Saving」の略。
つまり、時間、生産スペース、水・ガス・電気の使用量、不良品、人・物の移動距離、CO2(二酸化炭素)排出量などを、すべてこれまでの半分に減らすことを目標にしたのだ。
● 2010.5.3
(No.1)<169>
千尋の谷に突き落とす厳しさも
国分 勘兵衛(こくぶ・かんべえ)氏
[国分会長兼社長]
食品卸である当社は仕入れ先や商品がたくさんあるので、日々環境対応を求められる。
300年近く存続してきたのは、従業員の努力のおかげだ。
会社は従業員を大切に、従業員は会社を大切にという心意気で事業を続けてきた。
我々には大きな工場や機械がないから、人材が財産であるのは言うまでもない。
かといって従業員を甘やかしているわけではない。
千尋の谷に突き落とすような厳しさも必要だ。
最近は特に、挑戦意欲のある人を選別して採用するようにしている。
その一例が「海外チャレンジャー制度」。
海外経験の少ない従業員を海外に放り込んで、自らの力で海外事業を開拓してもらう。
ここから新しい事業の芽が出てくるかもしれない。
国際的な人材を育成し、社内のモチベーションを高めたい。
副次的な効果としては、制度に参加する従業員の補充をしないので、その穴を埋めるために部署全体の結束力が高まることにも期待している。
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