『考える技術』(19) 新・大前研一名言集(改)(19) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『考える技術』(19)


『考える技術』(初版 2004年11月4日 講談社)は、大前氏の考え方のフレームワーク(枠組み)のエッセンスを述べた本です。

教育には『知育』『体育』『徳育』があります。どれか一つに偏ってはいけません。『知育』を一つをとっても、憶えるだけの詰め込み教育では応用が利きません。

大前氏が言うようなパスファインダー、道なき道を進むためには徹底的に『考える』という訓練が不可欠です。


ものごとが起こる前には必ず「予兆」がある―「ハインリッヒの法則」*に通ずるものがあります。

* 「ハインリッヒの法則」
 <1件の重大災害の裏には、29件のかすり傷程度の軽災害があり、さらにその裏にはケガまではないものの300件のヒヤリとした体験が存在しています>
  『失敗学のすすめ』  畑村洋太郎 講談社

ハインリッヒの法則は、経験則です。



「自分はどうせサラリーマンだから、あまり関係ないさ」と思っているとしたら大間違いで、それでは私がよく言う「茹でガエル」になってしまう。カエルが鍋に飛び込んだ。
最初は水だったが、鍋の底に火がついてだんだんお湯が温まってくる。カエルはなんとなく変化に気づきながらも、深く考えずに「まあ、温かくて気持ちがいいや」と思っている。そのうちお湯は熱湯になり、カエルは茹で上がってしまうのだ。

              今日の名言 1 〈55〉




今でも日本のビジネスマンは、40歳そこそこで年俸600万円から1000万円近くはもらっているだろう。年俸1000万円といえば、世界で見れば1%もいないエリート中のエリートである。
そこで私はビジネスマン諸君に、「あなたはその値札に見合うだけの名札が書けるのか」と問いたい。

              今日の名言 2 〈56〉




新しい世界では、500万円を稼ぐにもそれ相応の能力が求められるようになる。知的ブルーカラーの仕事、言い換えれば「勤労の付加価値」の仕事のほとんどは、中国やインドなどに移っていく。先進国のビジネスマンは、これからは「知識の付加価値」でメシを食っていかなければならないのだ。これまで通り「勤労の付加価値」のぬるま湯につかっている人間は、年俸500万円ではなく200万円に落ちることを覚悟しなければならない。これではまさに茹でガエルである。

              今日の名言 3 〈57〉





茹でガエルの話を最初にしたのは、大前さんと一緒に、
マッキンゼー・アンド・カンパニーで働いていた、
世界的に著名な経営コンサルタント、
トム・ピーターズと言われています。

エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics)
トム・ピーターズ

の著者です。

大企業で安定しているという理由で、知的に怠惰になっていると、
いつの間にかチャレンジ精神を失い、井の中の蛙(カワズ)と
なってしまいます。

茹でガエルは、心地よいぬるま湯につかっているうちに、温度が徐々に
上がってきていることに気づかず、最後には茹で上がってしまうところ
から来ています。

トム・ピーターズは、茹でガエルを経済問題に例えて説明しました。
かつて中小企業であった時には、いつ倒産してもおかしくない状態だった
ため、一人ひとりに危機感と必死さがあった企業が、やがて大企業になり
安定してくると、一人ひとりから危機感や必死さが薄れ、企業が危機に
瀕するケースはよくあります。

いわゆる大企業病というものです。

これは企業にかぎらず、組織が大きくなるにつれ、そうした傾向があります。
問題意識が希薄になってくるのです。責任転嫁体質にも陥ります。
責任の所在が曖昧になるのです。

そうならないためには、できるだけ小さな組織に分け、競争意識
を植え付けることです。

京セラの創業者で、倒産した日本航空(JAL)を復活させ、先ごろ再上場
させ、最高益を出すまでに改革した、稲盛和夫さんは、「アメーバ経営」を
JAL復活のためにも、導入しました。

稲盛さんは、自著
新版 敬天愛人 ゼロからの挑戦 (PHPビジネス新書) 稲盛 和夫
で、アメーバ経営について書いています。

「アメーバ経営」とは、

一つひとつの組織が、環境に応じて姿を変え、
自己増殖することから、アメーバと呼ぶ。
アメーバは社内間で互いに売買をし、
あたかも一つの中小企業であるかの
ように活動する。

末端の社員一人ひとりまでが自分の
アメーバの経営目標を把握し、それ
ぞれの立場で業績向上に努力を払う
というような、全員参加の経営を
実現する。アメーバ経営は、これら
のことを目的としている。

    (PP.90-91)



『考える技術』からの名言のご紹介は、今回で最後になりました。
次回からは、『ドットコム仕事術』から名言をご紹介します。
ご期待ください。





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