『考える技術』(初版 2004年11月4日 講談社)は、大前氏の考え方のフレームワーク(枠組み)のエッセンスを述べた本です。
教育には『知育』『体育』『徳育』があります。どれか一つに偏ってはいけません。『知育』を一つをとっても、憶えるだけの詰め込み教育では応用が利きません。
大前氏が言うようなパスファインダー、道なき道を進むためには徹底的に『考える』という訓練が不可欠です。
日本人が苦手なのはロジック(論理)です。
アリストテレスの三段論法を身につける必要があります。
三段論法とは次のようなものです。
A=B B=C ゆえにA=C
例を挙げましょう。
(1)大前研一さんは人間である。 (2)人間は考える葦である。
(3)大前研一さんは考える葦である。
今日の名言 1 〈37〉「考える」ということは、自分に「知的備蓄」を作るということにほかならないのである。ふだんから考えることを怠り、時間があればうたた寝をしているような連中は、21世紀の複雑系の世界では落伍していくしかない。これからの時代は、自分の人生に対しても時代背景に対しても、かなり正確な認識を持っていなければ生きていくことは困難だ。
今日の名言 2 〈38〉論理的思考の能力は楽器と同じで、訓練すれば誰でも身につけることができる。ピアノだって、中年になってから始めても、練習すればある程度は弾けるようになる。うまいか下手かの差は出るが、誰でも弾けるようにはなる。それでお金が取れるようになるかどうかは別として、この道は練習がすべてであることは間違いないのである。
今日の名言 3 〈39〉問題解決のトレーニングを徹底してやれば、会社でも評価されるし、自分で事業を起こすときにはまさにそのまま効き目となって現れる。マイナスは、赤提灯で友人と一緒に上司の愚痴をこぼす時間が減ったとか、プロ野球や相撲を観なかった、日曜日にごろ寝しながらテレビでゴルフを見る時間が減ったという程度だろう。
問題解決の第一歩は、問題の本質は何なのか、を見つけ出すことです。
これが特定されないと、解決には至りません。
MECE(ミッシー、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive、
もれなくダブりなし)や、ロジックツリー(原因を探るために、階層を
ツリー状にして考えるための技法)などのツールを使って、問題の
本質を抉りだすことは、どこでも行われていることでしょう。
ツールはうまく使えば効果を発揮しますが、間違った使い方をすれば
弊害を生み出します。これさえ使えば、何でも解決すると思いこむこと
です。
前提が異なれば、結果は違ったものになります。
最低でも3つのケースを想定すべきだ、と思うのです。
現在問題を抱えているが、その問題が解決できた後、今以上に良くなる
のか(1)、現状と変わらないのか(2)、今より悪くなるのか(3)、の
3つです。
つまり、現状の問題を解決することは当然のことですが、それだけでは
なく、その問題が解決されると、新たな問題が発生する可能性がある、
という意味です。問題の本質ではなかった、ということです。
シミュレーションを繰り返し行なうことが不可欠だ、と思っています。
そして、実践してみることが次の段階です。
仮説と検証、と問題解決は不可分のものです。
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