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日経ビジネスの特集記事(4)
「道の駅」が地方を救う イオンでもセブン
でもない第3の流通 2013.4.22
「道の駅」とは?
一般道の利用者に休憩所(無料駐車場、トイレ)や道路・地域の情報を
提供する施設のこと。
日経ビジネスによれば、
『全国に1000カ所もの“店舗”を抱え、来訪者数は年間延べ5億人以上。
地方都市に大型SC(ショッピングセンター)を設けるイオンや、
国内に約1万5000もの店舗を構える「セブンイレブン」さえも
立地しないような過疎地への出店がほとんどながら、合計3500億円もの
売上高を誇る流通業がある。その名は「道の駅」』です。
地方へ行くと、「道の駅」の看板をちらほら見かけることがありますが、
都心部には見当たりません。
記事を読んで知りましたが、東京都内には八王子市内に1つあるだけという
ことでした。
「道の駅」が誕生したのは1993年ということです。道の駅誕生の前年1992年の
小売業全体の商業販売額はピークに近い146兆1700億円に達していた、
ということです。
その後の20年で、その6%に相当する8兆5800億円もの市場がなくなり、代わりに
登場したのが「1004店、3500億円」という躍進を遂げた新勢力の「道の駅」です。
この記事を読むまで、「道の駅」が全国に1000カ所もあり、売上高が3500億円も
あるとは知りませんでしたし、想像していませんでした。
「道の駅」はスタートは地産地消(地元の生産品を地元で消費する)でした。
そのうちに、商品の安さ・安心感が口コミで広がり、他県からも「名産品」を
求めてやって来るようになり、生産者は潤い、消費者は満足感を得るという
好循環が生まれました。
「名産品」(ブランド品)は地域によって異なりますが、農産物や海産物の特長を
アピールできたところは、売上を伸ばしています。
具体例をご紹介しましょう。
『福岡県宗像市の道の駅「むなかた」の売りは鮮魚である。2013年3月期は売上高
16億3000万円を見込む。開業以来、売り上げは右肩上がりで、九州トップクラスの
規模を誇る。その成功は地元漁師らに恩恵をもたらしている。
道の駅に出品する生産者600人のうち32人が、むなかた向けだけで年間1000万円
以上を稼ぐようになった。5000万円以上という猛者もいる。「道の駅がなければ、
存在していなかった収入だ」(むなかた館長の山崎宏幸氏)と言える』
20年以上デフレが続いた日本経済で、「開業以来、売り上げは右肩上がり」という
ことは驚くべきことです。関係者の相当の努力と協力がなければ成り立たないこと
です。
「道の駅」は一般的にどのような形態なのか?
『形態は「公設民営」が一般的だ。自治体が土地を確保して、施設を建てる。
通常は第3セクターや民間企業が、指定管理者として施設の運営を担う。
現場責任者である駅長は、公募などで選ぶ民間出身の人材が多い』
自治体は場所を提供するだけで、運営は民間が行なうということです。自治体には
予算はあっても利益を追求するというコンセプトは存在しません。
一方、民間企業は利益追求が目的です。その意味で、役割分担が行われている、
と考えればよいのでしょう。
成功事例をご紹介しましたが、もちろん閑古鳥が鳴くような駅もあります。
その原因は、『公募で選んだ駅長と自治体が対立したり、運営会社が杜撰な
経営で赤字に陥ったりする』からです。
次回は、人が来ない、ブランドがない、情報がない、リーダーがいないという
4つの「ない」をどのようにして解消しているのか、を見ていくことにしましょう。
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