『考える技術』(初版 2004年11月4日 講談社)は、大前氏の考え方のフレームワーク(枠組み)のエッセンスを述べた本です。
教育には『知育』『体育』『徳育』があります。どれか一つに偏ってはいけません。『知育』を一つをとっても、憶えるだけの詰め込み教育では応用が利きません。
大前氏が言うようなパスファインダー、道なき道を進むためには徹底的に『考える』という訓練が不可欠です。
今日の名言 1 〈31〉今の日本では、学校そのものが人間の脳の本来持つ創造性を破壊する凶器になってしまっている。新しい時代になっているのに、役に立たない古い時代の価値観を刷り込むのだから、脳の破壊以外のなにものでもない。
今日の名言 2 〈32〉今は世の中そのものが、答えのない、マニュアルの通じない世界である。敏感な人々はすでにその方向にシフトを始めている。古い価値観に縛られている人間と、新しい価値観を生み出そうとしている人間。その差はこうした黎明期にこそより大きく開くものなのだ。
今日の名言 3 〈33〉たとえばゲームをするときでも、ゲームの展開をワクワクしながら楽しめばいいものを、攻略本を買って読む。ゲームを楽しみながら自分なりの攻略法を編み出すということができない。というよりも、最初から放棄してしまっているのだ。攻略本や虎の巻でテクニックだけを覚え、後ろに答えが書いてあったら、そこを先に読んでしまう。
この手の人間は、世の中に出てから何の役にも立たない。答えを与えられていないと何もできないし、答えのない状況になったらパニックを起こしてしまうからだ。
自分で考えるという訓練ができていない、と大前さんは指摘しています。
以前、私は、「本を読んで、何の疑いも持たず、著者が言っていることを
暗記するということは、著者に洗脳されている」というような内容の話を、
書いたことがあります。
アンチョコ(虎の巻)や攻略本を見て、目先の問題を解決しても、自己満足
にすぎません。
サン・マイクロシステムズの元CEO、スコット・マクネリーは、「自己満足は
死に等しい」と語ったことがあります。
自己満足すると、そこで成長が止まるからです。
テレビのクイズ番組で、何の役にも立たない知識を競い合っています。
インターネットで検索すれば、すぐに見つかるような情報は、覚えている
必要はありません。知っているからと、自慢するほどのことではありません。
情報の在処(ありか)さえ分かっていればよいのです。
クイズ番組で、出演者だけでなく、視聴者も「この答えは知っていた」と、
喜んでいるようでは、情けないことです。
何度も書いていますが、「自調自考」(渋谷教育学園の教育基本方針)が
大切です。
では、インターネット等で徹底的に調べ、必死になって考えても、
どうしてもスッキリした解答が得られない場合には、どうしたらよい
でしょうか?
信頼できる人に質問したり、信頼できる人が書いた本を読んでみる
という選択肢はあります。
私の場合は、グールー(思想的指導者)と仰ぐ、大前研一さんの本が
「解答のヒント」を与えてくれるのです。
決して「解答」そのものではありません。あくまでも「ヒント」です。
そのヒントをもとに別の視点から考え直すのです。
大前さんの本を読むことによって、自分の考え方の偏りや、固定した
状態を軌道修正してくれることが多いのです。
著者の言葉を丸暗記することではないのは、言うまでもありません。
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