『最遊記歌劇伝-外伝-』
併せて、
『最遊記歌劇伝シリーズ』
15年にもわたる長い長い旅の終着、本当におめでとうございます。
また、そんな作品に観世音菩薩役として携わることが出来たこと、外伝の幕を無事に下ろせたこと、心から感謝し、安堵しております。
たくさん応援・声援いただきまして、本当にありがとうございました。
東京公演において、舞台セットの故障により、公演の実施が叶わなかった回もございます。
その日しか観劇予定がなかった方も沢山いらっしゃると思います。
全て平穏無事に終えられたと書くことは出来ません。
本当に心苦しく、でも、沢山の方のお力添えで、また公演を再開できました。
多くのお客様のご理解とご協力により、それが叶うことができました。
改めて、感謝いたします。
15周年。
僕は今30歳で、15年というとちょうどいまの年齢の半分。
僕がまだ役者のやのじも知らない時から続いていたと考えるとその道のりは到底想像も理解も及びません。
同じ作品を上演し続け、多くのお客様の心を掴み続けること。
多くのエンターテインメントがそれを目指しつつも、志半ばで終わってしまうことも多々あります。
今回頂いた観世音菩薩という役は、演出の三浦香さんから熱烈に推していただき実現しました。
昨年30歳を迎え、今後の自分の目指すべきところ、道、そしてそれが現実的かどうかの模索、色々と思考することが多くなってきたように思います。
香さんと初めてご一緒したのがCLUB SLAZY2という作品で、役者を始めて一年目。その時は僕も舞台2.3本目という駆け出しの頃。
何もできず、ただただ言われたことすらちゃんと理解できず、舞台というものが正直理解できない部分もありました。
それが、2013年末。
それから半年ほど後、香さん演出の『最遊記歌劇伝-God Child-』を上演しました。
正直当時は、最遊記歌劇伝に出るなんて、自分にはなにもないし無理だけど、いいなぁ、大きい作品だなぁ、なんて考えるくらいで、リアルには何も感じていなくて。
そこから9年経ちました。
そこからの9年は、正直、楽しかったこともたくさんある反面、もう無理だ、辞めちゃいたいと思うことも多々ありました。
そんな時、観世音菩薩役として、是非『最遊記歌劇伝』に出演してくれませんかと、お話を頂きました。
嬉しかったなぁ。
役者を続けてきて良かったなぁ。
この9年、無駄なことも多分たくさんあったけど、必要だったんだなぁって思えたというか。
そして今作が最遊記歌劇伝シリーズのラスト公演ということも伝えられ、より引き締まる思いで稽古に向かったのを覚えています。
SNSでも、観世音菩薩への反響を多々いただき、本当にありがとうございます。
原作の最遊記において、本当に心に残る台詞が多くあって、それもその時々の心持ちや感情によって、聞こえ方や解釈まで変わってくるような深い深い台詞が多くありました。
観世音菩薩という役は、最遊記の原作でも初期から看守っているキャラクターではありましたが、僕は今回初めての参加で、これまでのみんなの軌跡を見てこれたわけじゃないから。
長い長い歴史を歩んできた彼らに少しでも寄り添えたらいいな、という想いでした。
"お前は誰かの太陽でいられるか"
その言葉通りの意味にも取れますし、もっと違う風にも聞こえてきます。
この最遊記歌劇伝という作品は、今作で終わりを迎えました。
でも、桜は散るからこそ、また来年を心待ちにできる。
変化があるから、人間は生きていける。
また皆様の前に『太陽』として、昇ってこられることを、楽しみにしています。
鈴木拡樹さん、椎名鯛造さん、そして大千穐楽に駆けつけてくださって唐橋充さん、そしてずっと応援し続けてくれた最遊記歌劇伝のファンの皆様。
本当に本当に、お疲れさまでした。
"一度信じたお前の誠
そっと風穴、開けてみれば
隙間から吹く風が運ぶものこそ
そう
真実だと言えるかもな🪷"
ぬん