君の具合がよくないことは、
先日から分かっていたよ。
もしかすると、今日
もう会えないかと覚悟してきたんだ。
でも、君は姿を表してくれた。
ボランティアさんに尋ねると、
あまり食べていないのだという。
自分の弱いことを、自覚しているようだ、ともいう。
嫌だよ。
君の心は、
どの猫しゃんよりも、
よく考えてきたんだ。
それなりに、理解してきたつもりだったよ。
君までいなくなったら、
やっていけない。
いや、そんなことはどうでもいい。
食べてくれ。
そして、痩せたその体が、
元のようにふっくらと戻ってほしい。
撫でると、うっとりと目を瞑る。
尻尾を撫でる私の心を、
君は受け止めていたに違いない。
「ありがとう」と
いまのうちに言っておきたい。
でも、まだまだ、言いたいんだからね。
後ろ髪を引かれながら、
君に手を振った。
ずっとこちらを見つめる君に。