全配信もついに終了いたしました。
長きにわたって、ReAnimationのご視聴ありがとうございました。
長かった振り返りもこれが最後です。
こうして舞台を振り返りながら、書き進めるこの時間は、自分にとって大事な時間となっておりました。
もうしばらくの間だけ、お付き合いください。
今回この振り返りを書くために、どうしても載せたい写真があって。皆さんにお願いして写真をいただいてきました。
ラストはもちろんこのバンド達
「UN1ON」&「Rapidly Last」!
相澤悠真を生きてくれた「佐香智久」くん!
遼を生きてくれた「MiA」くん!
元々仲良しだった二人。
その二人がステージでタッグを組んで、精一杯生きてくれたこと、他には出せない色だったのかなと思います。
嬉しさと一緒に微笑ましさもあったりで。
12月から変わらず悠真として生きてくれた「佐香智久」くん。
座長として、みんなに声をかけてからステージに上がる。それが稽古から本番が終わるまでずっと続いた流れでした。
1年半、同じ役と向き合い、悠真という存在と佐香くんの存在が融合して、ステージで輝きを放つ。
それは本当に、通常時とステージ上でいい意味で差がなく、普段から悠真であり、佐香くんなんだなと。彼の存在無くして、この物語は成立しなかっただろうと心底感じています。
そこに具現化した「遼」としてMiAくんが並び立ち、何かカチッと、はまる音が聞こえたようでした。
遼というもう"一人の主人公"を生きてくれた「MiA」くん。
初舞台でたくさん悩み、苦しんで、正直しんどい瞬間もたくさんあったと思う。しかし、貪欲により高みを目指し、乗り越え、ステージに向かった瞬間、そこに立っていたのは紛れもなく、ラプラスギタリスト「遼」さんでした。
演奏面では、目が点になるほどの超絶技巧w
曲を書いたokamu.先生いわく、まだまだ序の口だとのことで、ステージで爆裂している姿は本当に見惚れるほどでした。
二人が揃ったことで起きた化学反応。
挑戦と進化を続けてくれた二人に感謝です。
ありがとう、佐香くん
ありがとう、MiAくん
そんな佐香君、今回の物語のためにさらに2曲、書き下ろしてくれました。
「僕は僕を愛してる」
「ReBoot」
「僕は僕を愛してる」はReViseの1シーンで、弾き語りで披露されました。
この2曲とも佐香君がリアニを、悠真を、そしてSEPTを想い、それを形として書き上げてくれた曲なんです。
言葉の一つ一つがいろんな情景を"思い出させて"くれる。
これほど嬉しいことってあるのかと。
彼の一声で始まることがたくさんあって、物語でも、物語の外でも、中心にいたのはやはり主人公の佐香智久その人なんだと。
感謝でいっぱいです。
はい、というわけで撮りたかった写真は2ショット。
こうして縁が深かった二人を並べて紹介したかったから。
続きます!
井ノ原南を生きてくれた「みゃこ」ちゃん!
十三を生きてくださった「燿」さん!
初舞台の燿さん、誰もが認める努力の人。
十三としてどうステージに立つか。手探りでとても不安を感じさせてしまったことと思います。
でも日々研鑽を積み重ね、壁にぶつかったなら、超えられるまで、納得がいくまで一歩ずつ前に進むその姿は、まさにいぶし銀な十三そのものでした。
そして演奏では今までのスタイルの一つを解禁してくれた燿さん。ステージ上でみーちゃんに微笑みかけるその慈愛に満ちた眼差しは心に残り、この先も語り継がれていくことでしょう。
本当にありがとうございました、燿さん
そして12月から続投のみゃこちゃん
この数ヶ月でより深い部分まで役を落とし込み、超絶進化した人の一人。衣装が変わり、新たなフォルムとなった南とともに彼女自身も生まれ変わったようにステージ上を生ききってくれました。それはベースを弾くプレイスタイルまで変わっていて。
向き合ってくれた時間がそのまま形となってステージで放つ輝きに変わっていたと心から感じました。
本当にありがとう、みゃこちゃん
こういうタッグを組む役回りって似ていくのでしょうか?
二人が挨拶しているだけで、もう・・・似ていたw
そして似てるといえばこの二人
楠那智を生きてくれた「濱川英也」くん!
拓真を生きてくれた「松波優輝」くん!
前回は「千堂史生」というバーの店員から厨二病を患っている方へ転生した松波君w
12月の時、偽ラプラスでキーボードを担当したことから今回"本物"へとコンバートさせていただくきっかけとなったのです。
彼は純粋な"役者"さんなんです。それなのに12月キーボードを担当したことで、彼の魂に火がつき、練習し続けた結果、こんなにもとんでもないバンドメンバーの中で、生で演奏しておりました。
何かを始めるのに遅いなんてことはない、気づいた時、そこがスタートなんだっていうSEPTに込めた想いを体現してくれたようで。本当に感謝しています。
ありがとね、松波君。
そして英也くん
12月から引き続き那智を生きてくれたのですが、彼もまたパワーアップを遂げていました。
松波君と同じ悩みを抱え、生で演奏することにこだわりずっとキーボードを触っていた英也。悔しい瞬間もたくさんあっただろうに、最後までしっかり那智と向き合い、那智としてステージで生きる様は舞台袖で、何度も涙腺を刺激されました。
爆音の中、誰にも聞こえてないかもしれないのに「鍵、いやだ、鍵!」と語りかける姿、紛れもなく楠那智その人でした。
本当にありがとう、英也。
役として二人は師弟関係であり、尊敬する人、される人の関係性。二人のやりとりもウチクリ氏に自由に作ってもらったからこそ、あのコンビネーションが生まれたのだなと心から思っています。
すみません、写真拝借してきましたw
タイミング合わず...撮れなかった。
というわけで
恩田未来を生きてくれた「村田寛奈」ちゃん!
由羅を生きてくれた「綾野ましろ」ちゃん
SEPT初参加にして、初めての舞台だった「綾野ましろ」ちゃん。
レコーディングした日、今回の主題歌の一つ「ReVise」を歌い始めたその瞬間「あ、由羅だ」そう思ったのが記憶に新しい。
ステージで放つその圧倒的な歌声と存在感、全身で感情を溢れさせ、涙し、そして訴えかけるその姿は"由羅"そのものだと感じました。
役と向き合い、向き合い続けて、悩み抜いたと思います。
不安もあったと思う。初めての舞台で怖さもあったと思う。
それでもステージではそんな様子など微塵も見せず、由羅として立つ。
千秋楽ラプラスエンディングライブで"由羅"としてMCをしてくれた時、ついにこの物語のラストを迎えたのだなと。
由羅を生きることでアーティストとしての矜持を見せてくれたましろちゃん
本当にありがとう。
そして1年半という長い時間「恩田未来」として過ごしてくれた村田ちゃん。
役と向き合う時間って、通常の舞台だとたった2ヶ月ほど。
続投組は長い人で1年半、短い人でも10ヶ月近くも同じ役と向き合ったことになります。でも、その期間がもう一人の自分のような、そんな感覚にまで押し上げてくれたように思います。でも、逆に、そのために切り替えが難しく、苦しかったとも思う。
"役"を理解するじゃなく、"人"を理解するというところまで、深く深く向き合ってくれたから。模索し続けて、悩み抜いた結果。その答えは皆さんもご覧の通り、ステージで届けられた最高の涙と笑顔でした。
そして今回も書き下ろしてくれた新曲「約束」
その言葉の一つ一つが物語の至る所に表現されていて、こうして名曲は生まれていくのだなと。
本当にありがとう、村田ちゃん
そして両方のバンドでドラムを叩いてくれた
別現場の王太郎さんこと「新保恵大」くん!w
タッグ相手がいないので私と撮っていただきましたw
2回目の王太郎、そのエネルギーは12月の比ではないぐらいに上がっていて、新たなシーンも含め、重要なポジションを見事に生き切ってくれました。
全力で声を出し、全身全霊でそこに存在する王太郎。
今回も本番中は必ず舞台袖から物語を見続け、感情のバトンをしっかりと繋いだ上でのドラム。
変わることのない、全ては音楽で繋がっているのを体現してくれた、まさに"ラプラス魂"でした。
全身全霊でこの物語を生きてくれたことに本当に感謝です。
ありがとう、新保くん
そして物語はこの人がいないと進みませんでした。
ヒロイン泉木葉を演じてくれた二人
泉木葉を生きてくれた「沖侑果」ちゃんwith HINA w
完全にキャストコメントの時の写真を転用させていただいておりますw
12月に引き続き参加してくれた沖ちゃん。
同じ役にもかかわらず、Wキャストとなったことや、TV局やゲストシーンなど新たに参加してくれたキャストと同じシーンが多いこと、加えて新たなシーンも追加されるなど、今村ちゃんと同じく、セルアミを同時進行しながらのリモート稽古は本当に大変だったと思います。
にもかかわらず、ゲストシーンでの返し、リアクション、我同さんへの対応、晃鳴さんとのやりとり。彼女のコメディエンヌとしての片鱗を垣間見させてもらいました。
驚きましたw
最初にSEPT参加が決まってから早1年半、向き合い続けた時間だったと思います。沖ちゃんの大きな進化はこの物語にとって大切な要素になったと感じています。
お父さん(丈助)とのシーンでは涙を流していたのが特に印象的でした。そこにいたのは紛れもなく「木葉」でした。
最後までステージで木葉として生きてくれたこと、本当に感謝しています。ありがとう沖ちゃん。
はい、撮ったけど、けど……w
集合写真でお届けしますw
『Vol.8MIRRORION』ぶりの参加の泉木葉を生きてくれた「搗宮姫奈」ちゃん(右から2番目)。
Wキャストでのヒロインは悩み抜いた数ヶ月だったことと思います。最初に伝えたことはWキャストで同じセリフかもしれないけれど、同じ人間になる必要はない、ということでした。
この物語は並行世界。回が変われば起こることも変わっている、ならば人が変われば性格も感情も違って当然だと僕は思っていました。
HINAがいないことで無闇な干渉をしない三羽鴉は木葉には関わらない、だから、姫奈ちゃんバージョンは、特に木葉が関わる全ての人から影響を受け、動いていかないといけない、難しい役どころ。
かくして、ステージに立った姫奈ちゃんの木葉は、一つ一つ丁寧に感情をもらって爆発していく唯一無二の木葉になっていました。
本当にありがとう、姫奈ちゃん。
【UN1ONとラプラス】
今回は1番の変更点、それは
"Rapidly Lastのメンバーが全員具現化したこと"
12月の時はレジェンド声優の皆様にお声をいただき届けたラプラス。
まずはどうやって彼らを"具現化"させるかというところから始まりました。
一度出来上がった物語に"新要素"を盛り込むこと
いやぁ難しいw
脚本としての僕の頭の中のイメージをウチクリ氏に伝え、そこからいかに悩んだことでしょう、ウチクリさんw
どんな表現でもできるからこそ、その方法と法則を選び間違うと瓦解してしまう、多くの道に隠された一本の"糸"を手繰り寄せるように紡がれた物語はまさに"FATALISM"のようでした。
作り手の表現方法も然りですが、何よりステージで生きるキャストたちの心の動きが大きく変わってしまうこと。
続投組のUN1ONからすると、12月にはいなかった人が目の前にいるのに、そこにいないように(楽器が喋っているため)表現しないといけない。
同じ言葉だったとしても、相手の感情が違えば返す感情も当然変わる。普通のお芝居の流れなんですが、ベースができてしまっていた分、UN1ONのみんなはとても悩んだと思います。
そして新キャストとして参加したラプラスからすると
今お互い(悠真と遼、など)が見える瞬間と
見えない瞬間(二人でいる時以外はラプラスの姿は見えなくなるが、ラプラスはお互いが見えている)のルールを間違ってはいけない。
初舞台の多いラプラスチームに初戦でなんて難しい要求をしたものでしょうか。
それでも、新たな物語として受け止め、具現化したラプラスを受け入れ融合し、違った結末を見せてくれたUN1ON。
新たな物語の主軸としてUN1ONに寄り添い、必要不可欠な存在として新しい結末を見せてくれたラプラス。
お互いの思いの強さでこの世界は成立したのだと感じています。
「ReVise」は目線を多く入れ込んで綴られた
"視点の変わったReAnimation"
そんな部分に着目して振り返りたいと思います。
【Rapidly Last】
Vo.由羅
Gt.遼
Ba.十三
Key.拓真
Dr.王太郎
の5人からなるロックバンド。通称ラプラス。
数々の賞を総ナメ、知らない人はいないほど日本を代表する伝説のバンド。しかしその素性の一切は秘匿されており、巷では「本当は実在しない」とか、「クリエイター集団の作ったバーチャルアーティスト」だとか憶測が飛び交うほどでした。
そして彼らは姿を消すことで名実ともに伝説となってしまいました。
順風満帆かに見えたラプラス。
あの日もドームツアーへと向かう途中だった。
最近ではメンバーバラバラで現地入り、ライブを行うのが通例だったが、由羅の提案で昔のように車で会場へと向かいたいと、メンバーだけで車で移動することに。
Dr.王太郎は移動日に別仕事が入り同行できず、現地合流予定だったのですが、終ぞメンバー達が来ることはありませんでした。
真相は車中での遼と由羅の口論。バンドを辞めると言い出した由羅に対し激昂した遼が目を話した一瞬の出来事。彼らは事故に遭ってしまう。
ふと目を覚ます遼。体の自由がきかず見慣れない景色
遼「そうか、俺は死んだのか」
青井「呑気なものだな」
数奇な運命、遼は"意思のある楽器"として"蘇る"ことになりました。こうして遼は青井と出会い、物語は始まっていくのですが
ここで、青井は遼だけを連れて行ってしまい、残された十三、拓真、そして由羅
語られておりませんが、黄経と赤見沢が青井の代わりに"同じ境遇のもの"つまり、南、那智、未来に出会わせます。
順番としてはまず未来→南→那智の順番。
由羅と未来は早々に出会い、遼と悠真の出会いを見届けます。事故のきっかけは自分にあると思い込んでいる由羅、一目見られただけでいいと話しかけることはしませんでした。
踏み出す勇気、まだこの頃は持てなかったんですね。
遼が、音楽を愛して楽器が弾けなくなった悠真を放って置けるはずがないと理解を示すところは長年連れ添ってきたバンドメンバーだからこそわかるところなのでしょう。
こうして悠真と遼は出会い、テレキャスターの「テレ」として物語は進んでいきます。
その頃木葉はTV局で働く新人ディレクター。
悠真達と語った「その番組は私が作る!」その言葉を胸に日々奔走していました。
悠真の怪我の後、彼女の夢もまた叶わない夢になっていたのですが、怪我が治ったことでもう一度走り始めます。
彼女の存在が結果としてUN1ONとラプラスの結末を迎える大きな要因となるのです。
ーー物語は進み
今回初めて明らかになった南と十三、那智と拓真の出会い。
南もまた怪我で楽器を弾けなくなった女の子。
看護師「今のままでも日常生活は送れるでしょうが、彼女音楽をやっていたそうで」
主治医「治る見込みは限りなく無いに等しい。これ以上、我々は関与できんよ」
極度の恥ずかしがり屋で、人との繋がりも無い。
唯一自分らしくいられる場所が音楽であり、ベースでした。
運命は残酷な時もある。そんな彼女からそれさえも奪ってしまうのです。
そこに現れた路地裏に打ち捨てられたベース。
はい、十三さん登場ですね。とても紳士な彼は言います
「なんだ、雨かと思ったら君の涙だったみたいだね」
「…え?」
「ハンカチの一つも手渡してあげられないこと、許して欲しい」
このセリフを言えるのはもう十三さんだけでしょうw
こうして二人は出会い、南を守る決意をした十三
べっちゃん・みーちゃんコンビ爆誕の瞬間でした。
そして那智
彼もまた生まれついて体が弱く、バンドを組んでいましたが、ライブ中に意識を失い、倒れることばかり。
ボーカル「たった一曲も体力が持たないんじゃ音楽続けるなんて無謀だろ」
ギター「あいつからやめるって言ってくれねぇかな」
心ない言葉に、彼もまた音楽との訣別を決めたのですが、
那智「あれ、こんなのあったかな」
拓真 「我に封印されしは、古の禁呪。奏でることで人々の心を虜にしてしまう、そう! 魔楽器とは我のことよ!」
この出会いはまさにディステニーw
この時は那智はまだ、厨二病ではありませんでした。
拓真との出会いにより、今一度音楽ができる喜びからか、天然の厨二病である拓真を崇拝、近寄りたくて同じキャラを突き進むことにしましたのでしょうw
こうして"十三と南"を赤見沢が
"拓真と那智"を黄経が"仮担当"して出会わせたわけです。
UN1ONとラプラスは出会い、運命を共にしていくのですが……王太郎だけは違いました。
別現場で自分だけが取り残され、メンバー全員を失ってしまった王太郎。ツアーも中止、残された彼にいろんなところから連絡が入り、ついに逃げ場を無くした王太郎は、顔を露わにし、記者に怒鳴りつけてしまいます。
「どうなっているのかなんて、自分が一番聞きてぇよ。」
その想いが溢れてしまったのでしょう。
そこで事務所で待っていたのは昔馴染みの「晃鳴」
この状況を冷静に判断しながらも晃鳴は言います。
晃鳴「どんな形であったとしても、ラプラスの活動を続ける。数少ない君の昔を知る仲間からの忠告だ」
高校の同級生であり、片や伝説のバンドのドラマー、片やTVでは見ない日のないMCでありプロデューサー。尊敬しあっている二人だからこそ、ぶつかり合い、そして王太郎も晃鳴の持ってきたラプラス復活の話に頷いてしまったのでしょう。
しかし、そんな時にメンバーが帰ってきます。
信じ難いことに"楽器"となって。
何が起きているのかわからない戸惑いと、帰ってきてくれたことの嬉しさと、言いたかったことが溢れて、涙が止まりません。
しかし段々と再会できた喜びとともに、晃鳴の提案を受けてしまったことが頭をよぎり、頷くしかできない王太郎。
木葉の企画がラプラス復活の布石にされる。
このことをまだ知らない木葉は企画に奔走し悠真たちのバンドもどうにか入れられないかと企画書を書いていたところでした。その熱意さえも、運命のねじれに巻き込まれていくのです。
ーーそして未来の加入を機に物語は進んでいきます。
ここもReViseでは未来視点での話に。
未来を由羅が寄り添うことで導く形で描かれた12月に比べ、今回は由羅の心の機微や弱さも描いたことで、ここでは未来が由羅を引っ張るそんなシーンになりました。
未来「どうして会おうとしないんですか?」
由羅「私には私の理由があるから」
未来「……辛く、ないんですか? 会う資格がないなんて」
由羅「私はあなたが歌えればそれで」
未来「歌ってます……今までだってあなたとずっと」
由羅「未来」
未来「……私が歌えればそれでいいって言いましたね? わかりました」
由羅「え?」
一歩を踏み出せない由羅、未来は自らがUN1ONに加入することで背中を押したのでした。
この頃の未来は"由羅"のために悠真たちと音楽をすることを選んだのです。本当は勝手なことしちゃいけない状態であるにもかかわらず。
そのことがきっかけで彼女の運命を変えていくことになるとは思いもよらなかったことでしょう。
皆の時計の針が今一度動き出した頃、四羽鴉が集い今の状況を観察
ここも同じ流れですが、ReUnionとReViseで違う演出がなされていました。
悠真「もう一度ギターが弾ける! バンドがやれるんだ!」
遼「もう一度向き合える、音を楽しめるんだ」
未来「これから私はあなたのために、何ができるんだろう」
由羅「これ以上あなたは私のために、何を失うんだろう」
ReUnionでは悠真・佐輔・祈留の3人の心の動きが。
ReViseでは悠真・遼・未来・由羅の心の動きが見えました。
同じ物語、視点を変えるだけで印象が変わる。
オムニバス作品をやっていた頃のSEPTの真骨頂な部分とも言えるかもしれません。
未来が正式に加入し"UN1ON"の名前が生まれた後
悠真と遼、未来と由羅それぞれが今までを振り返り話し始めます。同時進行でお届けしたシーンでしたね。
未来「ずっと憧れていた世界に飛び込んだけど、誰も振り向いてくれなくて、それでもいつか夢が叶う日が来るって信じて、信じ続けて」
悠真「がむしゃらに突っ走って、ギター弾いて」
未来「一番大切なことのはずなのに」
悠真「いつのまにか追いかけていた夢に追われて」
未来「自由なはずなのに、また囚われて」
悠・未「でも、みんなと出会って」
未来「笑い合った一瞬が奇跡に思えて」
悠真「真っ暗な道が、怖くなくなった」
未来「あんなに必要としてもらえるなんて思ってもみなくて、私自身を見てもらえたことが、初めてのことで」
悠真「今と昔とじゃ夢の形は違うかもしれないけど、もう一度ステージに立てるんだって」
悠真と未来、こうして並べてみると似たような思いを持って今と向き合っています。
未来の"笑い合った一瞬が奇跡に思えて"と
悠真の"真っ暗な道が、怖くなくなった"は佐香君が書き下ろしてくれたReUnionからもらった言葉。
ReUnionのサビを聞いてもらえればわかるかと思います。
戻ります!
遼「……お前と出会ったあの日、まるで自分を見ているようだった」
由羅 「一人で抱え込んで、どこにも逃げ道がないように思えて、いつの間にか自分を守るために人との距離を置いて」
遼「運命を受け入れる事と、運命に流される事は同じじゃないんだぜ」
由羅「あなたが求めているものは、あなた次第で輝きを得るの。だからこそ、自分で選ばなきゃいけない」
惹かれあった者同士、あとは踏み出すだけ
お互いに心では理解していたのです。ただそのことに気が付いていないだけ。
ーーそして物語は進み
未来のそばに由羅がいたことが判明します。ここで判明する新事実、ラプラスたちは見せないでおこうと思えば "自分の姿を消す"こともできたということ。
遼は早い段階で気づいていましたが、ここで明確にその姿を表した由羅さん。ようやく車の中で話したことの続きが語られ始めますが、由羅は直接的に言うことができず、遼のイライラは募るばかり。
そこへ青井さんが現れます。
今回の青井さんは煽るw
「どうした? せっかくこの世へとしがみついた意思、楽しめば良いではないか」
これは台本上では変更していなかった部分。演出としてキャストとしてラプラスたちを追い詰めるために修正した部分でした。
残された時間が少ないと知ったラプラスたち、愕然と膝をおる一同を見て、遼は立ち向かい、言いました。
遼「あいつらは今乗り越えようとしてるんだよ! 夢を諦めて、絶望の中を生きて、それでも必死になって、もう一度前を向こうとしてるんだよ!」
由羅「遼……」
青井「自分の存在が消えようかという時に、人の心配とは余裕だな」
遼「俺はもう一度由羅達と音楽がしたかった。それが叶った! あとは、悠真達が前に進むのを見届けられれば、それでいい」
遼はラプラスのリーダーとして、そしてテレキャスターの"テレ"としてその思いを青井にぶつけました。
すると呼応するメンバー達。
十三「……そうだな」
拓真「同じく、那智には明るくいてもらわねば困る!」
由羅「私たちがここにいるのは、あの子達の未来のためだと思うから。踏み出させてあげたい」
遼「お前達……」
残された時間を知ってようやくラプラスたちの想いは一つになりました。それも自分たちの願いだけじゃない、悠真たちの未来を願って。
ーーその頃、木葉の熱意はついに晃鳴をも動かします。
何度も打ちのめされては食い下がり、ついには"責任をとる"という選択を強いられる木葉
「一生かけてでも、私が返していきます!」
晃鳴も木葉の本気をみて心が動いたのでしょうか。
"一枠用意する"と返答しました。木葉は感謝をして去っていきますが、メンバー表をみて不敵な笑いをこぼします。
何故なら、偽ラプラスのメンバーでもある未来と王太郎の名前が入っているのだから。
そしてフェス当日
悠真と未来、王太郎はバラバラになってしまいます。
木葉も走り回って未来を探しますが、見つけられず悠真に話にきますが、そこで悠真に言われます。
「僕たち、場違いじゃないかな?」
木葉は自分の素直な思いをぶつけますが、悠真の耳には届きません。覚悟を決め、将来を棒に振る覚悟で挑んだZEST、当の本人は諦めようとしている。
木葉の平手打ちが決まります。
「私がどんな思いでこのフェスを作りたかったかわかる? 一人で必死になって、夢を叶えようとして……バカみたい」
こうしてさまざまなすれ違いが起き、暗雲が立ち込めるのでした。
ReViseでは今一度ラプラス達は集い、あの日の続きを話始めます。由羅の病気のことを知った遼。由羅は言います。
由羅「目を背けてどうしても声を諦めきれなかったのは私、だから歌えないの」
遼「ラプラスがあるじゃないか! 音楽は自由だろ? なんだってできんだろ?」
由羅「歌えなくなってしまった私になんの価値があるっていうの?」
遼「違うだろ! 拓真がいて、十三がいて、王太郎がいて、そしてお前と俺がいる、それこそがラプラスだろ?」
そして同時進行で未来と悠真も話します。
未来「流されて自分から声を捨ててしまったのは私、だから歌えないの」
悠真「UN1ONがあるじゃないか!あんなに楽しそうに歌って、笑って! それが嘘なはずないだろ!」
未来「……!」
悠真「那智がいて、みーちゃんがいて、王太郎さんがいて、そして僕と未来がいる! それがUN1ONだろ!」
未来「…ごめんなさい」
二つの感情は交差しながらもほんの少しだけ別々の答えに辿り着いてしいます。
ラプラス達はようやく心の中を話し合い、悠真達に、そして王太郎に伝えることを決心します。
遼 「最後のその時まで、俺たちは音楽で繋がってんだから」
こうしてUN1ONのライブへと向かいます。
その一部始終を見てしまった那智と南
二人もここまでに成長し、ラプラスのみんなが決めたことならと受け入れ、悠真、未来、王太郎さんを待つことを決意しますが、ここで那智がキャラ作りでの厨二病だったことが発覚
南「話し方、どうしたの?」
那智「え? あ……ぬぅ! 左手に封印されし邪竜が我が意思を乗っとり始めて」
南「……ふふ、ありがとう! 邪竜さん」
那智「行こう!」
那智のありのままを受け入れる、みーちゃん。
信頼は形となってステージで発揮されていく。こうして一歩一歩UN1ONは成長していったのでしょう。
木葉もまた、悠真とぶつかってしまったけど、未来を探し続け、ようやく未来の足取りをつかみ、楽屋にたどり着きます。
未来に伝える想い。
色々な感情が折り重なって、木葉自身も、言葉を取り繕うことも出来ずに溢れ出た本心をぶつける事しか出来なかった。
怒る晃鳴、それに対し木葉は言い返します。
晃鳴「いい加減にしないか! 彼らはラプラスなんだぞ?」
未来「っ! 私は……」
晃鳴「今、君はこの場所にいる。それが答えなんだよ!」
木葉「そう、ここにいるんです! 二人は、UN1ONだから!」
こうして、木葉は去っていきます。
この熱意が晃鳴にもついに届き、納得させるに至ります。
丈助「音楽は人を救うもんだ! 決して恨むもんじゃないんだよ」
そして行く末は UN1ONのライブに託されたのでした。
あとは見ていただいた通りの結末です。
あ、ReViseでのトゥルーエンドと書いた結末ですが
ラプラスが復活して帰ってくる、というもの。
この結末、実は一番初めの台本のものでした。
誰かが消えたまま、というのは本来僕の描く台本ではない結末。しかしラプラスが声だけの存在だったこともあり、いつかまた登場しそうな終わり方にして、四羽と共に消えるという結末でした。
今回もReUnion版ではその結末のままにしておりましたが、今回はラプラスがいる。ということでこの結末とさせていただきました。
だからこその"トゥルーエンド"ですね。
長くなりましたがようやく描き切ることができました。
これにて全キャスト振り返り、終了です!
長らくの間お付き合いいただき本当にありがとうございました。
いつも書き残しますが、
"人の縁に恵まれていること"
僕が唯一、人に誇れるものだと思っています。
本当に、みんなありがとう。
僕は物語を書く時、いつも同じ答えに辿り着きます。
僕は「ハッピーエンド」が好きなんだということ。
今までの物語その全てがハッピーエンドです。
それは、それがたとえ、通りすがりのたった一人の登場人物であったとしても、主人公でも、そうでなくても、
悲しいストーリーは描かない。
いや、描けないと言ったほうが正しいかもしれない。
青臭くてもいい、もし、そこに生きることをもがいている人がいて、SEPTの世界を偶然にでも知ってくれて、ほんの少しでも、明日への希望に繋がるような、そんな作品を届けたい。
単純にみんなが笑顔で終われる物語が好きなんです。
こんなご時世だからこそ
観てくださった皆様に
そして関わってくれたみんなも含めて
"笑顔"で終われたのなら
こんな嬉しいことはありません。
ご来場いただいた皆様も、
配信でご覧いただいた皆様も、
本当に見届けてくださり
最後の最後まで楽しんでくださり
本当にありがとうございました。
最後に、
この物語を裏側で全力で支えてくれた仲間達
あまり紹介しすぎると怒られるのでw少しだけ紹介して終わりにしたいと思います。(これは明日にでも)
「人間が生み出した至高のエンターテイメントを!」
by青井