最後の瞬間まで語り尽くす

 

まさにそう言った感情。

 

 

僕が一番最初にこの物語と出会い、

 

そして最後の瞬間まで想い続ける。

 

 

ブログ読んでくださりありがとうございます。

 

キャストの振り返りはこれにて。

 

 

ん〜、これにてって量じゃないw

 

 

もうしばしのお時間だけ、お付き合いください。

 

 

さぁ、ラストはこの方達

 

この物語の起点となった4名を

 

 

主演、雛菊役「今村美月」ちゃん

 

蓮・RAM(CV)役「鷲尾修斗」くん

 

藍備・シュウジ役「清水大樹」くん

 

夢百合・松下夢役「ルウト」さん

 

 

今回初参加の修斗くん

 

頼りました。本当に。

 

現場の空気をいち早く読み、みんなを笑顔にしていく。

自分へはストイックに最後まで残って一人居残り稽古。

本番入って終わるまで常にルーティーンを崩さない。

 

修斗くんの役者としての矜持、本当に素敵でした。

 

蓮はほぼ全編通して笑わない。

会話さえも最初の方で雛菊たちと4人で話して、以降は実はほぼ一人語り。

それでもあんなにも人間味のある役にしてくれた。

一番人から遠い人、だからこその、人間臭さ。

積み重ねた最後のその一瞬、やっと見せる笑顔は、蓮の心が解放された瞬間。

その機微を表現できる修斗くんの心持ちと集中力は圧巻でした。

 

そのあとカーテンコールやアフタートークではいつもの修斗くんになる。

でも、ステージにいるときは常にプロであり、全てちゃんと彼の中で正解があってのこと。

 

ちゃんと全体を見据えて、見守ってくれるその様はまるでねじれの解けた本当の"蓮"のようでした。

 

本当に尊敬できる、素敵な役者さんです。

ありがとう、修斗くん。

 

 

 

大樹はもうSEPT4回目の出演。

 

初参加は実は FATALISM初演。

そのときは日替わりゲスト枠で「神様」でした。

 

それが≠の世界では藍備として生きてくれた。

 

過去SEPTの役はどちらかというとクールなキャラクターばかり。今回は熱血主人公気質キャラとでもいいましょうか、意外と真逆なキャラクター。

 

それでも全力で向き合い、殺陣に初挑戦し、一人二役(同じ存在ですが)を生きて、ダンスではその本領を発揮し、何より、感動をくれました。

 

OPで蓮が刀を投げ、藍備が受け取るところがあったのですが、かっこよく受け取って、しっかり踊りきって一度袖に帰ってくる。そのときの満面の笑み、すぐさま袖にいる僕とハイタッチ。その彼の持つ温かい空気感。

現場の空気をも温めて、そこにいたのはまぎれもなく

"藍備"でした。

 

今回も一緒のステージに立ってくれて嬉しかった。

本当にありがとう、大樹。

 

 

 

ルウトちゃんもSEPT初参加。

 

実は一番やることが多いポジションの夢百合。

歌あり、ダンスあり、殺陣あり、一人二役あり、芝居あり。

難しい役だったと思います。

 

それでも本当にひたむきに役に向き合い、物語に寄り添い、必死に生きようとしてくれるその姿は夢百合の献身的な生き方に似ているようで。稽古中から雛菊に寄り添うその姿は、とても優しい空気が流れていました。

 

かと思えば

 

楽屋前でおどけて踊ったり、笑い転げたりw

そのギャップさえも、今回の"夢百合"らしいんだろうなと。

 

その生き様にとても感動でした。

参加してくれてありがとう、ルウトちゃん。

 

 

 

そして今村美月ちゃん。

 

この物語は"雛菊"の物語。

彼女の生きる人生を切り取った不思議なお話。

 

雛菊が感じた心のままに、この物語は始まり、そして終わっていきました。

 

舞台初出演、初主演、初座長

その重圧はいかほどだったでしょうか。

 

初めての現場、台本はスタートから当たり前に覚えていて、日を追うごとにとんでもないスピードで吸収していく。

もはや相手のセリフまでしっかり入っていて、稽古後半の三羽烏、よくセリフ教えてもらいましたw

 

もちろんそこに行き着くまでにたくさんの葛藤や苦悩はあったと思います。悔しい気持ちを力に変えて、演出やキャストと話し合って、雛菊として大きく成長していく美月ちゃん。

 

そして初舞台のステージへと上がり、圧倒的なパフォーマンスで魅せるその姿は圧巻でした。

 

でも、本当は緊張もしただろうし、怖くなかったわけがないんです。

 

それをおくびにもださず、主演として、堂々とステージに上がるんです。

奉納の儀を不安でいっぱいだけど、それを見せることなく全力で舞い歌う"雛菊"のように。

 

その姿を見て、キャスト・スタッフ全員が思った。

精一杯物語の中で支えたい、生かしたい、と。

 

彼女の頑張ってきた姿をみんなが見ていたから。

溢れる才能だけでなく、大切な努力という才能をみんなが見ていたから。

本当に素晴らしい座長であり、主演。

 

 

大千穐楽、Wカーテンコールからすでにスタンディングオベーション。

 

鳴り止まない拍手で3回目のカーテンコールへは私も主宰としてご挨拶のため立たせていただきました。

あんなにも感動的な景色、とてつもなく温かい空間。

幸せでいっぱいでした。

その景色を見せてくれたのはキャスト・スタッフ一同、

そして初主演の座長が見せてくれた景色です。

 

最後の瞬間ずっと、涙していたその姿は忘れられないと思います。

 

初舞台でSEPTを選んでくれてありがとう。

そして精一杯、雛菊を生きてくれてありがとう、美月ちゃん。

 

 

 

【雛菊・蓮・藍備・夢百合】

 

名前の由来、多くの方が調べてくださり「そうなんです!」となって小躍りしてました。

 

雛菊=デイジー=無邪気・希望

蓮=ハス=清らかな心・離れいく愛

藍備=アイビー=永遠の愛・友情

夢百合=アルストロメリア(夢百合草)=人の気持ちを引き立てる・持続

 

調べたら素敵な言葉がたくさんで選んだ名前でした。

そしてもう一つの意味、"ねじれる"ことを理解した上でみてみるとこんな見方もできます。

 

雛菊と蓮=デイジー×青(蓮)=純粋・幸福

雛菊と藍備=デイジー×紫(藍備の藍の部分)=健やか

雛菊と夢百合=デイジー×黄(夢百合)=ありのまま

 

見方ひとつで当てはまる言葉がたくさんの花言葉は本当に面白いものです。

そしてデイジーの花言葉の一つ

 

「あなたと同じ気持ちです」

 

これがとても雛菊にしっくりくるなと。

 

他にもいい読みの方がたくさんいて、その意味もいいなと思うものたくさんだったので、もはや全部正解ですw

 

 

 

そんな彼ら4人。

雛菊以外の目線でライトノベルにこの物語に行くつくまでを描かせていただきました。

 

蓮は劇中でも、ノベル内でもいいます。

 

「まるでこの意志さえも、自分ではないようだ。」

 

それもそのはず、本来AIとしてしか存在してこなかった自分。人間となった今も、始まりは無垢のままだったから。

 

人との関係を絶たれ、唯一の関わりも人形のように扱われ、蓮になる前の記憶なんてもちろんないまま感覚で感じます。

昔(AI)と今(人間)と何が違うのだろうか、と。

 

もはやねじれはとっくの昔に始まっていたんですね。

 

 

運命の糸は雛菊を中心に4人の糸がねじれていました。

それは繰り返される運命としていろんな世界で何度も悲劇的な結末を迎えていたのです。

 

雛菊を起点に

蓮(RAM=シン)→夢百合(ゆい)→藍備 (シュウジ)→蓮

 

そう二つ、"蓮"の起点がありますね。

 

これは初演にはなかった流れです。

書いたものとしての意味付けとして

 

機械である蓮(RAM=シン)

 

人間である蓮

 

が存在しています。

なので2回のねじれがあるんではないかと、僕は思ったわけです。(台本を≠用に書き換え終えてから気が付いたやつ)

 

 

補足ですが

 

"RAM"は一時保存用メモリーのことを指しており

 

"シン"の名前の由来は「シンギュラリティー」から来ていて、技術的特異点を指します。AIが人間の能力を超える転換点、ですね。初演ではさらに「シングル(数字の1)」を意味する名前でもありました。

 

ちなみに蓮は初演からある名前で今回色々繋がりできないかなぁと思って検索したら

 

「ren」コマンド、「ファイル名を変更するときに使うコマンド」

 

と出てきて、Win限定など使い方は限られるそうですがなんか深読みしてしまう。

 

ファイル名変更、「AI」から「人間」

 

的なね。

はい、話を戻します。

 

 

繰り返しねじれを増していく運命。

そして雛菊の世界でもやはり同じように運命のねじれによって悲劇的な結末を迎えます。

亜歩露様はその様子を見て、人の行き着く先はここではないと、絵空の元へと送ってしまいます。

もしかしたらこれが初めてじゃないのかもしれませんね、亜歩露様。

 

だって絵空様全く興味なさげ。

いきなり人間がいても全く関心を見せない。

しかし雛菊は今の状況を整理しようと"願い"というワードを口にします。

興味持ちました絵空様w

 

本来なら自分の死を嘆くなり、今の現状を理解しようと慌てたりが普通。雛菊もまた特殊な環境下で生きたからこその行動だったのかもしれません。

絵空様は雛菊の頭の中を読み取り、亜歩露様の意図も汲み取り、彼らにもう一度やり直す機会を与えます。

現れた三羽烏はわかりやすくブーイングw

だって人間を毛嫌いしておりますので。

 

それさえも絵空様の興味の対象だったのか、三羽烏に”お使い"を頼むと、雛菊に糸を引かせ、いざ別世界へ。

 

ここで、蓮だけが残され見守ることになります。

絵空様は蓮がこの世界においての異物だと、絵空の世界に本来選ばなかった機械の成れの果てだともちろん理解している。

 

だから見届けさせます。

各世界において"蓮"という存在がいかにねじれを増す要因となっている存在なのかを。

 

一方雛菊は"夢百合"のねじれの起点へ。

そしてすぐさま"藍備"のねじれの起点へも。

 

この時向かうのは各世界でその中で起因となっているものの世界へ行く、ということ。起因がいるというだけで、各々の世界でも4人はねじれています。

例えば、「夢百合が起因で4人がねじれる」といった感じ。

 

最初は別時空での世界に驚き、そして元気に生きる二人を見て懐かしんだり、思い出を振り返ったり。

でも見届けるしかできない自分、このままでいいのか迷い始めます。

また時代をめぐり、亜歩露様の手助けもあって少しづつ行動することができると知っていき希望と望みを口にする雛菊に対し、絵空様は生まれ変わった方が楽だという。

反論する雛菊。すると絵空様の手によって世界は同時に進行していきます。

 

夢百合の願いは鎖となり

藍備の想いは憎悪へと移り変わり

蓮の祈りは悪意となって刃を向ける。

 

それはねじれの象徴であるものの、人間の本質。

三羽烏はそれを知っていたからこそ気が進まなかった。

 

しかし雛菊はそれでもみんなとの未来が見たい、そう絞り出します。すでに雛菊に流されるだけではない何かが生まれ、変化が生じてきています。

 

そして行動し伝えることで大きく変化し始めます。

夢百合のねじれで弱さが"優しさ"になることを知り

藍備のねじれで脆さは"思いやり"へと変わることを知り

そうしてねじれが解けています。

 

この時、AIとしての蓮のねじれは最初に解けていきます。

それは夢百合のねじれが解ける前

 

このときすでにRAMとシンは雛菊の干渉を受けています。

そして小さな変化を迎えています。ねじれる前と後では答える答えが変わっているのです。

そして2019年でRAMが答えを出したことによってバグを起こす未来から、進化する未来へとねじれは解け今が変化しました。

 

 

そして、残るは人間になった"蓮"一人。

 

 

しかし絵空様はもう終わりにするといいます。

だって彼さえいなければ世界はうまく回っていくのだから。

ねじれは解け今は変化したのだから。

 

しかし雛菊は懇願します、

「二人のねじれで人は変われると強くあれると知りました。この祈りが届くのならばどうか」と。

 

蓮は事の顛末をすべて受け入れていました。

その全てを見ることで、自分への優しさがなんだったのか、自分の中に湧き上がる温かい感情がなんなのか知ります。

そして、自分一人がいなくなればみんなが幸せになれるということも。そして自ら死を受け入れようとします。

 

「建前はいらない!本音のみを話しなよ、他のものにも聞こえるように!」

 

絵空様、初めての大激怒です。

絵空様によって心の奥底の感情を呼び覚まされた蓮は初めて本音を口にし始めます。

 
ただ一緒に生きたかった。
それしか望んでなかった。
ひとりになるのが怖かった。
僕をおいていかないで
ひとりにしないで。
でもひとりになる
そのすべてがにくかった
ねたましかった
 
絵空様はその返答を聞いてやはり人間は醜いと判断。
笑いこそすれ、想像通りになったことが落胆の様子。
 
蓮は純粋で無垢でした。
だからこそ、自分自身の感情がなんなのかわからなかった。
でももう気がついてるんです、何が大切かを。
 
そんなぼくにゆるしをくれた
ぼくをうけいれてくれた
生きろといってくれた
この命でみんなが助かるというのなら、
もう、思い残すことはない。
 
人間としての蓮のねじれはここで解けます。
過去の機械だった自分に各世界の雛菊が答えをくれたから。
雛菊が何を感じ、何を願い、何を想って、そして祈ったのか、全て見届けたから。
心の底から、みんなとの未来を祈ったから。
 

そしてねじれが解けた二人も自分が運命に戻るからみんなを生かしてくれと懇願します。

3人の想いは一つとなり、互いを思いやり、死を前にしてもそれは美しいものになっていた。

 

三羽烏はその人間の感情を見届け、絵空様に懇願します。

ただ"雛菊"の言葉に耳を傾けて欲しいと。

 

「興味深いね」

 

絵空様はそういうと雛菊の拘束を解き、同時に蓮たちを今一度拘束します。そして君の言葉を聞いてあげると。

 

雛菊は自分の今までを振り返り、そして気づきを得たことを言葉にしていきます。

 

夢百合のねじれで弱さが"優しさ"になることを知り

藍備のねじれで脆さは"思いやり"へと変わることを知り

蓮のねじれで醜さは向き合うことで"強さ"へと変わると知ったから。

 

それでも、あと一言が出ない。

ここで亜歩路様登場です。

この辺りは亜歩路様で書きましたね。

 

支え合う4人、ねじれた糸は支え合う4本の糸となっていました。そして紡ぎあう心と心で、より良い未来へと進んでいきます。

 

絵空様と亜歩路様の興味はまた人間の未来へと向けられていくのでした。

 

 

 

さて、

 

これにて全キャスト振り返り、終了しました。

 

長らくの間お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

 

今回実はSEPTの中では少人数でした。

 

初演の時はオムニバスということもあって40人以上のキャストがいました。

 

今回は26人。

 

その分、一人一人の比重は大きく、大変な思いもたくさんあったことだと思います。

 

 

いつも書き残しますが、

 

"人の縁に恵まれていること"

 

僕が唯一、人に誇れるものだと思っています。

 

 

本当に、みんなありがとう。

 

 

 

スタッフさんが撮ってくれた一枚。

 

本当に本番中、すべてが素敵な瞬間でした。

 

 

僕は「ハッピーエンド」が好きです。

 

今までの物語その全てがハッピーエンドです。

 

みんなが笑顔で終われる作品が好きだから。

 

たっくさん笑って、たっくさん涙して

 

そしてその感情を観に来てくれた皆様に届け切って最後を迎えられたこと。

 

 

観てくださった皆様がくれた最後の答え。

 

鳴り止まない拍手

 

スタンディングオベーションをステージから見たあの風景は笑顔でいっぱいでした。

 

 

ねじれが解け、今は変化しました。

 

「FATALISM ≠」が結末はSEPTにおいて「=」になれた瞬間。

 

最高のエンディングでした。

 

 

心に深く刻み込んで

 

次への一歩を踏み出していこうと思います。

 

 

 

最後に、

 

この物語を裏側で全力で支えてくれたみなさんとの話を少しだけして

 

振り返りの儀、完遂としようと思う。

 

 

心、穏やかに。