いろんな意見とかコメントをいただいて
この振り返りを楽しみに見ていただけてるのだなと
まだFATALISM ≠ の世界の余韻に浸ってくれているのだなと
とても嬉しい気持ちでいっぱいです。
これはあくまでも振り返りと後書き。
数多ある答えの中の一つに過ぎないので気軽に呼んでもらえたら嬉しいです。
ちなみに、夢百合と彪の話は完全にご本人たちの意思から生まれた裏設定。
聞いて好きな設定だったので、書き足してみたまさに後書きですw
さて、今日は -
Ep.1、2019年のみなさんを。
珍しくこうしてチームで写真に写れたことに令和の俺、頑張ったと自我持参。
同じ物語とは思えない現代チームのなかの諷経の異物感すごいですがw
夢百合とはちゃんと写真撮ったけど、ゆいとは撮れていないので、ルウトさんの話は夢百合の紹介の時に。
柏木光流役「若菜太喜」くん
SEPT初参加のたいき。
でも昔からいるような、なんだかずっといるような雰囲気を醸し出す不思議なオーラを持ってたなぁ。
そんな本人曰く、本当は人見知りだそうで、時を重ねるごとになんだか納得した。
だからこそちゃんと相手との距離を考えて埋めようと努力した結果、ムードメーカーのようになっていた。
そんな太喜だからこそ、光流はとても気持ちのいいやつになったし、僕の想像を超えて、生きてくれました。
ありがとうね、太喜。
友坂陽毬役「小室さやか」ちゃん
僕の携帯、よくどこみたらいいんだ?ってなるのですがまさにそうなっててごめん、小室ちゃん。
彼女もまた今回SEPT初参加。
陽毬は本当に大変な役だったと思う。
物語の中で運命は変わるとはいえ、
そこで死と向き合うのだから。それも何度もです。
舞台袖で、前のシーンからじっと座って陽毬として心を作っているのをみていました。
そしてステージに上がった瞬間にもうそこには友坂陽毬がいたんです。
そこに笹川さんのそっと見守る優しくも真剣な目。
創厳様の心の奥底を見るような、そんな瞬間。
その様子を観れるのはそのときスタンバイしている者の特権でした。
アーティストである小室ちゃん、SEPTの大切な音楽の部分、CDでは実に3曲参加。
劇中では雛菊の歌う奉納の曲「FATALISM ≠」も歌ってくれた。
別世界の雛菊である陽毬が歌うこと
ここに一つ意味もあったんですね。
そしてコメントいただいたもので見かけたのですが
蓮=RAM
雛菊=陽毬
CD版では陽毬とRAMが歌っているような、そんな風に聞こえてくると。
本当に聞く時の意識と感覚で聞こえ方が変わるのだから音楽って面白いものです。
本当にありがとう、小室ちゃん。
そして、Ep.1を語るのに欠かせないのがこの方(?)
RAMさんです。
CVは鷲尾くんです。
台本上では本当はPCが喋る、もしくはキャラクターを映像で出すみたいな設定でした。
それを見た演出「佐々木仁」が発案します。
「姿形があるものがいい、それこそ話すとか、聞く時に眼が光るぬいぐるみとか」
いや、まず実現できるのかと。
それを小道具を担当したSEPTにも何度も出てくれている盟友「斎藤このむ」氏が具現化してくれて、RAMは誕生したのです。
結果ものすごく皆様に愛されたRAM。
ステージで生きることができたのは共演者と技術者たちの賜物だと思います。
RAM、よかったなぁ。
この2019年のお話
みる人が見ると、なんてことない話に見えるのかもしれない。
陽毬はRAMが奪われていくことで死を選びます。
これは始まる前たくさん突っ込まれました。
「え、そんなことで?」と。
でも、人から見て些細なことでも、本人にとっては何よりも大事なこともあって、
それは理解されたいわけじゃない、認めて欲しいわけじゃない、でも、どうしようもなく孤独に感じて、自分でもわからなくなって、自分はこうなんだって言い聞かせるんです。
そして人が些細だと言った言葉が、最後の一歩になってしまうことだってあるんです。
人はいつだって同じ感情なんかじゃない、そんな今の時代にありふれた悩みを僕は描きたかったんです。
【松下夢・柏木光流・友坂陽毬・RAM】
松下夢=夢百合
柏木光流=藍備
友坂陽毬=雛菊
そして
RAM=蓮
世界の繋がり方はこうでした。
光流はAIを作りたかったわけじゃない。
陽毬と共通するものがAIを作ることだっただけ。
再会した陽毬は当時からは考えられないほどに暗い顔。
昔は頭が良くて、可愛くて、歌う事が大好きで誰からも好かれる子だったのに。
生きてきた時間が人を変えてしまう。
光流は思います。あの明るかった陽毬をただ、笑顔にしてやりたい、と。
でも今の光流には昔から好きで調べたり趣味で作ってきたAIの知識しかない。
コミュニケーション能力がそう高い方でない自分、バカなふりして硬い表情ながらなんとか陽毬を誘い、徐々に笑顔を取り戻していく陽毬をみて、間違ってないなって思ってた。
そこへゆいも参加する様になったのは高校の頃。
仲良くあるきっかけはただの偶然。
陽毬は成績優秀で知らない人はいなかった。
光流もいろんなところに顔を出しては煙たがられるある意味有名人だったから。
明らかに自分たちとは違う。
だからこそ何か強烈な糸に惹かれる様に、声をかけた。
そこから数年、そばで見続けたゆい。
自分はバンドをやりながらも、光流たちのそばを離れられなかった。
バンドは中丸(ベーシスト)に誘われ、流されて始めたことではあるものの、歌うことでだんだんと自分も音楽を好きになった。
でも実力の差が表面化していき
"なんで自分がセンターに立っているんだろう"
そう考える様になっていった。
自分だけが違う、バンドとも、光流たちとも。
どことも一緒にいられないことが苦痛ですらあった。
だから、バンドは休止した。
メンバーたちは待つと言ってくれたが、それさえも苦痛に感じた。私一人だけが違うんだから放っておいて欲しかった。
光流たちといる時間が増えた。
何もできないけど、ただいるだけで輪に入れている様な気がしていた。
何かできないかと考え続ける毎日、数年が経ったある日、作業をしているガレージで気分転換にと音楽を鳴らしてしまった。
光流はあんまり好ましくないと言った表情
「いいじゃん、気分転換。私は音楽、好きだよ。」
あまり見たことのない陽毬の表情に驚いたのもつかの間、光流がぽそりと呟く。
「できた。」
そしてこの物語のすべての起点となる
「RAM」が生まれます。
そこから運命はねじれていきます。
RAM=シンの存在は各世界で必ず起因のそばにあります。
そして蓮は起因そのものになっている。
初めの運命では陽毬はRAMに伝えます
「いつかもし生まれ変わることができたなら、きっと笑いあえる世界で・・・もう一度、会える様に。」
RAMは言います。
「生まれ変わる・・・?陽毬への答えを模索します。」
そして、陽毬は自らの命を絶って、RAMは小さなバグを起こしていくのです。
そして運命が変わった世界でまた陽毬は同じ言葉をRAM向けます。
そこへゆいが入ってきたことでRAMは"陽毬への答え"を導き出しました。
「陽毬への答え・・・悲しいです。あなたの言葉を聞いてとても悲しい。叶えられない願いよりも、いきて掴み取る未来の方がずっといい。"私"は、そう思います。」
ここでRAMはバグではなく、小さな進化を遂げます。
その言葉は雛菊の世界で蓮が雛菊に向けた言葉の様、でも悲しいの意味が違ったのです。
そして歌うことでねじれは解け始め、夢百合とゆいの記憶が同化し、見届けた雛菊と心から向き合うことができたのでした。
たった一つの行動や言動で、その未来は姿を変えていきます。それは良くも悪くも、です。
このご時世だからこそ、この物語は成立したのかなと思います。
・・・真面目になりすぎたことをここにきて後悔したので明日もう少しライトに書こうかとw
創谷の存在、
長谷川の存在、
与太郎の存在、
は振り返り1・2で語りましたので割愛します。
そしてゆいのバンドメンバーとして現れた
右京・左陣・中丸が楽器を担当し、
彪と狂がアクロバットマンで
小町と"テン"がダンサーで、
・・・テン?
夢百合=テン=ゆい
同じ世界に登場してはいけないはずの二人。
ここはある意味象徴的なシーン。
三羽烏は言います。
「そこにはお前たちと同じ存在、並行世界の自分ともいうべき存在がいる。だが、見た目も中身も違う、ただ同じ存在だというだけ。」
なので、この時代において、テンはこの世界でのテンなのですが、「ゆい=夢百合」であって、「ゆい=テン」はない。
2119年で初めて「テン=夢百合」になるのです。
もちろんこの解釈
シーン作りの時に気になって考えてたことなので稽古始まってからの後づけですw
でもそうした理由がないと、物語の定義が崩れても嫌なので、大事な後付けなのです。
さて、明日はEp.2の世界をお届けします。
このEp.1の起因が先に溶けることで、2119年の未来にも影響は及ぼされたはず。
ねじれの順番があるのだとしたら4本の糸が雛菊を起点に蓮、夢百合、藍備、蓮の順番だったんだろうなと。
蓮のねじれはそれほどまでに特殊なものだったということ。
その詳細は雛菊と蓮の時に・・・。