今一度写真載せていきますが・・・

ウチクリ内倉氏が場当たりの写真を撮ってくれていたのでそれを使います。

 

いい仕事します、SEPTの大黒柱ウチクリ氏。

 

 

【ハル】


現実世界では、普通のOLだった。

一流企業へ就職することができたが、思い描いた職場とはかけ離れていた。

「仕事は遊びではない、楽しい仕事なんてない」そう言われそうで、あんなに就職を喜んだ親には言えなかった。

パワハラに長時間労働、上司からは毎日のように叱責される。辞めたいと思った。でも、たかが半年ぐらいで辞めたら、辛抱が足りない人間、負け犬、現実から逃げた弱い人間、と思われると思った。

誰にも相談出来なかった。

いつしか精神的に追い込まれ自分の存在価値を疑い、疑心暗鬼になり心身ともに疲弊していく。 唯一大好きな音楽を聴く時間さえなくなっていった。 辞めればいいのにと無責任に他人は思うけれど、それさえも考える心の余裕がなくなっていた。ひとつの感情で心がいっぱいになった。

夢見た未来、自分の存在意義、無くした心の余裕、生きる理由。

哀しみの感情に心が支配されてしまう。

 

誰か、助けて・・・

 

そんな時に引き寄せられるようにミラリオンに迷い込む。

過去の哀しい出来事から自分の心を閉ざして生きてきたハルだったが、 哀のコロニーでムサシに出会うことで、自分の居場所を見つけ心を開き始めた。 やがてミラリオンでの居場所に固執し、自分が足りない部分を補おうと 一人練習に明け暮れる。 誰一人生きる意味を問うてくるものなどいないが、ハル自身が問い続けてしまっていた。

そこに衣麻里がやってくる。

ダンスも歌もできる衣麻里、やっと手に入れた居場所を奪われれてしまう、奪われたくない、

 

「どうしたらいいのやるしかないじゃない!」

 

その葛藤に付け込まれ、自分に自信がなく、強くなりたいという、心の隙にシリウスが入り込み、ハルの心を惑わせルナにつけられた哀の仮面に重ねるように楽の仮面をつける。

突然、自由と高揚感が押し寄せ、楽しく踊ることができるようになる。 しかし過去の哀しい出来事から自分に課せた哀しみは拭えない。

 

とらわれ、解放され、苦しみながら心を閉ざしたハルだったが、みんなと一緒に踊ることで、全力を出しても、まだ足りない。

 

ハル「嫌だ、嫌だ!私、ここで負けたらどこにいけばいいの?自由になって自分をさらけ出して、でも孤独になって・・・何もなくなっちゃう・・・」

ムサシ「何もなくならない!積み重ねてきた事は、お前のものだろう!」

 

ムサシの優しい想いで、歌声で、音楽の無限の力で全てを出し切ったことで心が自分を受け入れ、楽の仮面と一緒に自らがつけた哀の仮面も外れる。

 

苦しかったOLになる前、思い描いた未来に胸を躍らせた頃に、大好きな音楽を聞いて笑っていた頃を思いだし、ムサシの優しい言葉に胸が高鳴り満面の笑みで受け入れていく。

 

「これで終わりじゃない。もう一度・・・。」

 

 

 

【イゴール】

 

アクションスターをやっていた。

圧倒的なパフォーマンスで周りはつねに尊敬の眼差し、賞賛を受け続けるが、本人は納得していなかった。

自らが追求することを純粋に求め、自分はもっと高みに行くと信念を持って努力していた。それがどれだけ苦痛を伴うことなのか、それは誰にも理解されないかもしれない、けれど、自分が自分であるために戦ってきた。

 

常に自分を出しきってきたが、ある日、自分にも限界があるのではと不安になる、自分の可能性はいつまで続くのか、俺は命がけでやってきた。その思いを共有できるほどのコミュニケーション能力もない。無言でのアピール、だが周りはどうしても分かってくれない。

自らに厳しく、人にも厳しい性格だからこそ、それを伝えられない苦痛と日々戦ってきた。そしてその想いはいつしか自分を許せない「怒り」に変わり限界を越えた。

 

そんな時に引き寄せられるようにミラリオンに迷い込む。

場所が変わってもやることは変わらない、出会った仲間と呼ばれるものたちの気持ちはわかるが、このままでいいはずがない。ブラッドの優しい性格はわかってる、でも求めたものはそんなんじゃない。馴れ合いじゃない。

努力して、死に物狂いで頑張って、なんのためにこんなに頑張ってきたんだと苦悩と戦っていた。

 

「使わない鉄は錆び、水は淀むと腐る、同じように才能も使わなければな。腐り、錆びていくんだよ。」

 

そして、焦っていた、自分の限界がくることが怖かった。

そんな心をシリウスに見抜かれ、イゴールの心をまどわせシリウスは怒の仮面に重ねるように楽の仮面をイゴールにつけた。イゴールの心は自由になった。
自分の能力に限界はないと殺気の篭ったアクロバットが宙を舞う。

 

高みを目指したその理由は、誰かと共有したかったから。コミュニケーションが下手で、誰にも理解されないやり方しか知らなかったから。自分が許せない、でも孤独に甘えているだけだった。

ブラッドの歌の迫力、熱い想い、音楽の無限の力で心が解放され、楽の仮面と一緒に怒の仮面も外れる。

心を閉ざしたイゴールだったが自分にはまだ未知の自分がある、自分を信じて新たな自分を見いだしていけばいいのだと、あらゆることに挑戦していけばいいのだと気づく。 そして、未来には可能性があること、一人ではなかったこと仲間がいることに気づく。

 

「綺麗事だっていい、全力で向き合い、研鑽しあえる仲間がいるのなら、まだ終わらない。」

 

 

 

「続・喜の集落」で少し書きましたが、追記。

 

一刀斎は友の裏切りにより絶望していた人生が、桃花のおかげで薄暗い世界に輝きをもたらしてくれる天使のようだった。 桃花のためにもっと高みに、だが、ここにいては願う道の先にはたどり着かないのではないかと、現実と理想の間に揺れ、苦悩し始める。足りない、今のままでは・・・。

 

その心をシリウスに見抜かれ、楽のコミュニティを作るために一刀斎の心をかき乱し、そして喜の仮面を重ねるように楽の仮面をつけた。一刀斎の心は箍(たが)が外れたかのように自由になった。

 

「我は変化を、この先を望む。そのために我は壁となろう。」

 

シリウスのもとで戦い、殺気の篭った剣舞を舞う一刀斎。

精一杯抗う茂助と十四郎。

苦しむ一刀斎に想いを投げかける。

 

桃花「あなたの思いはその程度だったの?未来を見せてくれるのではないの?」

 

思い描いた未来と喜び、なんのために刀をふるい、なんのためにサイリウムに持ち替え、なんのために、生きようと願ったのか。

全力で歌い上げる桃花の歌声を聞いて、桃花の想い、叫びが届き、心が揺さぶられ自分自身と向き合う。

 

桃花の込められた歌、熱い想い、音楽の無限の力で心が解放され、楽の仮面と一緒に喜びの仮面も外れる。

そこで迎え入れてくれる茂助と十四郎。

新たな友は戦友となり、渾身のパフォーマンスを桃花に捧げ、桃花の歌と音楽の無限の力で心が解放され、

自らがつけた心の仮面が外れる。
音楽と無縁だった三人が音楽の素晴らしさを知り、生きる希望を見いだした。
そして、刀を振ることの意味を見出だした。

 

 

 

という楽のコミュニティの皆さんでした。

 

 

「秩序なき自由で 溢れてく涙」

楽の仮面をつけるべく、ミラリオンに来たのか、

それとも、別の仮面をつけていたが楽の仮面さえもつけねばならないほど心が疲弊したのか。

 

心が壊れるほどに、感情豊かな面々。

ある一つの感情だけでは人は生きていけない、それが本来良いとされる感情だけでも、やはり人となり得ない。

 

 

 

ついに喜怒哀楽を振り返り終えました。

 

あと少しだけ。

残り少しだけ、振り返りをしてMIRRORIONを僕の中でも閉幕したいと思います。

 

 

明日は準ずる調律師達と時間の管理者達を、振り返ります。