オバケストラ終わって早6日目

 

今日も今日とて振り返り。

 

 

歌い手の紹介もあるので、補足というか、伝わりやすいように書き残します。

 

SEPTでは脚本と同じく歌詞も僕が書いています。

物語の中で訪れる歌。そのすべてに意味があり、歌詞さえも物語が進む重要なセリフであり、情景。

 

多くの方が歌詞を見てから観るとまた見た感じが変わる、とつぶやいていただいているのを見て、本当に嬉しかったです。

 

 

原作組、融和派、反対派ときて

 

まずは神様を。

 

ルー役「後藤健流」くん

 

 

振り付けも担当してくれた彼もまた長年SEPTを支えてくれている「ミスターSEPT」の一人。

 

ルーが歌う曲「新しい世界」

神であるルーが人々の作り出した音楽を楽しみ、ルーの想いを言葉にするように、決まった未来から抜け出し新しい世界へと進む様子を見守る曲。

 

「歌、芝居、タップ、バンドセッション」

 

彼だからこそできたスペシャルナンバーです。

楽しいからこそSEPT、体現してくれました。

 

 

「ルー」

妖のいる世界の神

 

原案でも

「ケルト神話の太陽神・・・・」

 

として名前が挙がっておりました。

太陽神という言葉がとてもルーのキャラクターにマッチしたので、拝借した名前です。しかしSEPTの神々と並ぶ事で完全なオリジナルな神様として登場したのが「ルー」です。

 

 

 

ルーは妖たちのいる世界を司どる神。

明るく照らすように存在するルーは、未来を見通す事のできるサイコロを振っては満足げに自らが愛する世界を眺めていた。

特に人の生み出す音楽は格別に好きで自らもつい踊りだしたり歌ってしまうほどだった。

ある日、いつものように鼻歌交じりでサイコロを振ると進む未来が変化している。

その未来はある女性が命を落とす事で、妖は淘汰され、表裏一体である人間もまたいなくなってしまうというもの。

つまり、世界が滅ぶという事。

 

数多ある未来、しかし何度やっても同じ目が出続ける。

それどころか一度ねじれた運命の糸は、付随するように様々な糸を巻き込みねじれを増していくばかり。

妖たちも対立を始めてしまい、そのすべての原因が女性一人に重くのしかかる。

 

ルーは苦肉の策と言わんばかりに数多ある未来のあの中から「最良の未来」へと赴き、女性の子供に会い、同じ時代へと呼び寄せることで未来を監視しつつ、今の変化を望んだ。

 

そこへ現れる絵空。

彼はすべての神々のトップであり、最高神。

彼が現れるときは決まって「興味の対象」に何かが起きた時のみ。

「・・・やべぇ。」

多くの世界が存在する時空の中で唯一「妖」が存在する世界。その興味の対象がまさに危機に瀕しているというのだからご立腹極まりないご様子。

興味の対象じゃない事に対しては冷徹そのもので、必要ないとわかればすぐ消し炭にしようとしちゃうのです。

「どちらにせよこのままじゃ滅んじまう。」

ルーは愛する世界を守る為、絵空に逆に頼み事をし、美琴を救う力を借りる事に。

すると「興味深いね!」と何やらブツブツ言い始める絵空、すると時空が歪み呼び出される「ガルド」。

彼は死ぬ直前の者を呼び寄せ、音楽と試練を用いて気づきを与え、また現世へと呼び戻すSANZのトップ。

理解したガルドは「丈」として現世へと降り立ち、ルーにより見つけられた屋敷に憑いていた妖「昴」にも事情を説明し協力させ、隠世と化した屋敷の地下に惹かれ集まる妖たちを含めて試練を与えるその時まで見守る事にしたのであった。

 

屋敷に女性が現れてから数日、ある変化が起きた。

ある妖が自らの意思で時間を戻り、救おうとし始めたのだ。

しかし何度も失敗しては繰り返し、一度すくっても運命は修正するかのように彼女の命を奪っていく。

結果、終わりは違えど同じタイミングで同じ事が起き続けるのだった。

 

絵空の忍耐はまさに爆発寸前、未来からさらなる4人を呼び寄せ、妖達にさらなる「刺激」を与え、最後の変化を見守る事に。

しかし、また同じく、繰り返そうとする今。

いつものように紅茶を飲んで、終わりだ。と今まさに世界を消し炭にしようとした瞬間、未来に変化を生じ始める。

「興味深いねぇ!」

それはファーの思いが起こした奇跡なのか、美琴の選ぶ道を自らが決めるという想いなのか、刹那という存在が幸せを分け与えたからなのか。

 

「未来はもはや変化した。」

ルーと絵空は見守るために、丈は自らの役割を全うする為に、今に身を委ねたのであった。

 

 

ルーは言います。

 

「よし、こっからだ!」

 

このオバケストラの世界が始まり、そして原作「ホーンテッドオバケストラ」という未来へと繋がっていくのです。

 

 

 

この流れで神勢として

「昴」役「夏目愛海」ちゃん

 

普段はふんわりとした雰囲気なのに、芝居に入るとまとうオーラを変えるというか、あんなにもオンオフがはっきり見て取れるっていうのはすごいなと。

休憩時間中、ふと気がつくと横に立ち、脚本の意図を聞いてくれて、そこから何度か答え合わせをしていたのですが、あの「すっ」と、気がついたら隣にいる感じがいつも驚いて申し訳ないw

まさに「昴」そのものでした。

 

昴は「座敷童子」

 

原案では

「『男』家主、座敷童子だったが、いなくなった家の主人の代わりに家の管理をしている」

 

そう、原案では『男』設定でした。

しかし丈様の登場により、家主は丈になったことで、女性の方がいいと思い座敷童子の女性「昴」として生み出されました。

昴「では、私はこのまま屋敷の管理へと戻ります。」

最後に昴が言うセリフ。

原案設定は未来への布石として使わせてもらいました。

 

 

古びた屋敷、ここに憑いて長らく一人きり。

一時期は座敷童子として繁栄させたが、人が出て行ってしまったのではもう何もしようがない。

未練なのか、諦めなのか、離れる気にもなれず時間だけが過ぎていく毎日。

 

そこへ現れた神と名乗る男たち。

突然屋敷をよこせというものだから、不幸にしてやろうかと思ったけれど、なぜか力が及ばない。

警戒していると、もらう代わりにと一人が手をあげる。

すると屋敷はみるみる修復していき、元の主人がいた頃のようになっていく。

神のみわざを目の当たりにし、あっけにとられたまま、今回の全容を、ここが必要だということを聞かされた。

丈様というあらたな主人を私は受け入れた。

彼女は座敷童子。

主人がいてこその屋敷、誠心誠意尽くそうと心に決めた。

集まる妖たち、彼女の仕事は屋敷を守ること、そして、丈様の指示に従うこと。

 

「さて、丈様はお仕事に戻る為に帰って行きました。次の主人は・・・ふふ、どなたかしらね。」

 

昴自身、人間の良い部分も悪い部分も見てきたからこそ、受け入れられる強さと、未来へと進む覚悟があった。

 

そんな未来が繋がっていけばいいなと思ってます。

 

 

ここからは人間チーム

まずは、

 

「荒川翔子」役「搗宮姫菜」ちゃん

 

今作において台本上から「濃い人」と呼ばれるキャラを、全身で演じてくれました。

翔子を生きる為に、毎日稽古後に一人残って、演出や演出助手、共演者を捕まえては居残り稽古をしている姿、

本当に嬉しくて、すごいなと。

ダンスに挑戦も初と聞いて、「努力は人を裏切らない」のだなと、そして、ポテンシャルの高さに驚きを隠せませんでした。

 

原案では

「主人公と知り合う、少女歌劇に所属している」

という役と

「主人公の学友、怪奇現象やゴシップなど面白おかしいものが好き」

 

の2役を足して、さらにお嬢様設定をプラスして生まれてきたのが「翔子」さんでした。

 

彼女の存在は原作へも続いていきます。

 

「妖様特区」を設立すると豪語する彼女、原作に出てくる「モンスター特区」の原型を作り上げた創始者。

 

荒川音楽歌劇学校の理事の孫であるがゆえに、対等に話そうとしてくる人がいなかった。

ゆえに緊張で横柄な態度をとったり、昔からのお爺様の影響で横柄な口調になったり、超常現象が好きという趣味を持っていたりで、友達がいなかった。

彼女は変わっているということを恥と感じ、すべてをごまかしてきた。

しかしまっすぐに向き合い、友達になろうと言い、ダメなところをさらけ出しても、変わっていることは悪いことではないという美琴に心を開くのは、もはや当然のことだったのかもしれません。

 

彼女の超常現象好きと、ファーと美琴の妖と人間が歩み寄れるという結果が、未来に妖達が「自由」に暮らせる世の中を作ったのかもしれません。

 

原作ゆーます先生にも、とてもこのキャラを気に入っていただいて、原作キャラや関するワード系統以外でセリフの提案があったのは翔子さんくらいかと思うw

もちろん、反映したのがお届けした翔子さんです。

 

 

「両角清一」役「日向野祥」くん

 

写真、撮ってたぜ!w

 

今作の人間代表というか、台本上でもからっとした熱血漢として描いていましたが、あんなにも清一が愛された理由は日向野くんが生きる「清一」だったからだと思う。

声色、纏う雰囲気、思い描いた以上でした。

 

ただ、ファーとのシーンや、烏飼さんとのシーンで日ごとに変化するシーンがありましたが、ご存知の通り、アドリブシーンですw

キャラ同士の関係性がしっかりしている内容だったら演出がOK出したのなら僕は構いません。

本筋は翔子さんを支えていくのでしょうね。

ファーや烏飼さんといろんな憶測を呼んでいるようですがw

 

 

清一さん

人が思う思考回路として、まさにそのままを体現している。

理解できないものはそのままなかったことにしてしまう、恐怖の対象になるのならば、街を守る為に警察として排除しようとする。

至極まっとうなようで、人間「がわ」の考え方。

 

相手を知る、というのは「妖と人間」だけではなく、「人と人」でも言い換えられること。

そんな思いを込めて言葉を綴りました。

 

男に生まれたからには、人を守ることに殉したい。

何事にもひたむきで、ユーモアも交えられる人柄から、若くして巡査長にまで昇進していた。

しかし本人は肩書きなんてどうでもよかった。

街を守る、人々を守る、それが彼の行動理念だったのだから。

街中で出会った異国人とも仲良くなれるほどの社交性。

しかし、目で見て聞いたものにしか理解を示せない頑固な一面もあった。

街で噂になっている「妖怪の起こした事件」

通り魔や不審者の仕業であって、妖怪などいない、そう信じ込んできた。

 

二人一組が基本で街を巡回する。

相方の烏飼さんもまた、仕事には真面目だが頑固、馬が合いそうなのに、いまひとつ踏み込めない。

ずっと壁があるのは感じていた。いつか酒を酌み交わしたい、そう思いながら仕事を全うしていた。

 

なぁ、今までどんな思いで俺の言葉を聞いてきたんだ?

 

まさか烏飼さんが妖怪だなんて思いもしなかった。

自分の馬鹿さ加減と、頭の固さに憤り、今までの言葉を後悔し、認め、素直に頭を深く下げ、謝った。

驚く烏飼に人間だろうが妖怪だろうが、あんたはあんただ、だから仲間であることに変わりはない。

 

それもまた本心。理解したからこそ、頭を下げ、そして歩み寄りたかった。

欲しかった未来はこれじゃなかったのかとファーが言う。

しかし今更引くに引けない烏飼さん、ファーと刃を交えてしまうが、ファーの腕をとって割って入る。

「刀を抜かない」

それは烏飼さんと歩み寄りたいという意思表示でした。

でも彼は言う「仲間が道を間違えそうになっているのなら、俺は殴ってでも止める!」

 

純粋な言葉、行動というのは相手に響くものなのだなぁと感じた瞬間でした。

そのあと、音楽界に二人揃って来たってことは、ちゃんと歩み寄り、そして進んだのでしょう。

 

 

残り後4人と、五体で一つ!な皆さんをw

 

長くなった振り返りも次回で終わりになるかな〜。