毎回振り返りをすると説明が含まれるので


長くなりがち💦


お付き合いいただけたら幸いです。



ここからは「反対派」の皆さんを。

 

【共存反対派】

人に仇なすものとして、恐れられてきた存在たち。

人の身勝手な噂や想像に左右され、存在を否定する世の中に不満を持つ。

時代によっては活躍した時期もあったが、平和が主となる現代において自らを押し殺して生きることを嫌い、融和派をまとめ上げ妖の自由を主張しようとしている。

 

そんな彼らを紹介していきたいと思う。

 

 

写真がなかったので、公式に載ってるバトルシーンの写真を・・・。

 


烏飼 (烏天狗) 役「丸山直之」くん

 

難しい役どころを本当に細く作ってくれた丸ちゃん。

 

稽古場でも演出に何度も相談し、僕にも脚本の意図を確認し、どうしたら「烏飼」を表現しきれるかをずっと模索していました。

 

そのおかげもあって、皆さんのコメント見ていると、本当に人気な烏飼さん。

 

丸ちゃんに感謝、嬉しい限りです。

 

 

烏飼さんも原案のないオリジナルキャラクター

 

原案に

「司法省の役員で日本社会における妖怪(モンスター)の地位向上を目指し密やかに活動。」

 

というキャラクターがいたので彼が一番近しい存在ですが、清一さんとともに警察官でさらには反対派のトップ、というキャラクターにしました。

 

それもそのはず、原案には「反対派・融和派」という概念が元々なく、ゆーますさんと相談した大きな変更点なのです。

 

なので、反対派の皆さんは全員原案のないオリジナルキャラクターです。

 

 

烏飼さんは、「烏天狗」

とても長い時間を生きてきました。生きる事で生じる「人間」との関係。時には人に恐怖を与え、時にはその力を貸し、その力において人々から奉られることさえあった。

が、人の世は流れ、長きに渡る平和。

世の中に「人以外」が過ごせる場所がなくなっていった。

時代の変化で人間社会に溶け込む妖が多くなり、烏飼もまた先を見据え人間社会に溶け込もうとしたのでしょうね。

長い時を生き、その中で見てきた人の業や欲。

しかし、人間社会に溶け込む中で初めて向けられた友愛や情。

 

「人と妖怪は表裏一体、光と影であり、陰と陽。この世界の理において、我らが消えたとしても、また新たな我らのような存在が湧いて出る。相容れない存在なのに、必要である、と。だとしたら、我らはなんのために存在し続けるのでしょうな。」

 

結局、人が好きなのでしょうね。

だからこそ、居場所が欲しかった。

人間と、清一と仲良くしているファーが疎ましかった。

自らもまた我や欲で動いていたことを知る烏飼。

ありのままの自分をさらけ出したにも関わらず、尚も受け入れようとする清一、欲しかった自由への道がそこにあった。その場を立ち去り、追いかける清一。

話し合ったのか、殴り合ったのか、何も言葉にしなかったのか。

一つ言える答えは、音楽会の会場に、烏飼の姿もあったのだった。

 

はてさて、この先どんな展開になるか楽しみですw

 

 

 

倒慈(鎌鼬の長男)役「 服部武雄」くん 

切疾(鎌鼬の次男) 役「神座慶 」くん

白薬(鎌鼬の末っ子)役「 清水凜 」ちゃん

 

3人とも、めちゃめちゃ大変だったと思う。

 

アクションシーン終わり、舞台袖で倒れるように息を整えている事、みんなから聞いて、感謝でした。

 

特に倒慈役の武雄くんの武器は本物の木。

軽くする加工は施したものの、あれをクオリティを落とさず最後まで振りつづけ、相棒として使いこなした武雄くんに脱帽でした。

冷静と情熱の間に生きたあとの、セリフ、熱かったです。

 

 

彼らも原案にはないオリジナルキャラクター。

反対派をとして、描きたかった「親愛の情」。

一番表現しやすい3兄弟という鎌鼬を選びました。

 

どちらが正義でもなく、どちらが悪でもありません。

まさに

 

「どっちもいいけど、どっちもダメ!」by刹那

 

なのです。

客観的な視点と、主観とでは同じ行動を取っても意味が全く変わります。

彼らは3人で暮らし続けていました。

しかし時代に馴染めず、もともと人にあだなす存在だと自らが決めつけ、居場所を狭め、目的への視野が狭まっていきます。街中で事件を起こしてしまう切疾のために兄が証拠隠滅を図り、妹は薬を塗ってなかった事にしたり。

 

倒慈はただ弟妹の居場所が欲しかった。

切疾はただ持て余した力の行き先がなく今と向き合えなかった。

白薬は二人の兄が喜ぶのならとそばを離れなかった。

 

そんな彼らは最後まで家族を思い、相対するものと心と心でぶつかり、出し切った事で一歩、前に進めたのかもしれません。

 



野槌役「榎本くるみ」ちゃん

 

自ら役をこれでもかと掘り下げ、野槌ならばこう、という佇まいをちゃんと認識し、爪まで野槌仕様にしてくれるなどこの役への愛情がとても深かった。

 

そんな野槌さん

 

実は今作において、超重要な人(妖)物。

 

ファーの時にしかと語りますが、ファーは何度も時間を繰り返しました。それは偏に

 

「美琴を救うため」

 

そう、美琴は何度も死ぬ運命にありました。

彼女の死が招く事、それは妖が滅びる未来へと進む事。

 

妖との橋渡しができる唯一の存在だったという事です。

 

っと、

 

この先は神様トリオ、ファー、翔子など紹介後に。

 

 

その死の直接的な原因となったのが、野槌さんなのでしょうね。

 

ある時は街中で、ある時は高台の草むらで。

翔子さんの妖好きを知る時に、刹那との会話の後一人になった時、などなど。

ファーが見守っているシーンは何度もやり直したはずの場面なのです。

 

融和派と反対派の歌バトルシーン後に、野槌が美琴の命を奪おうとしてファーが止める場面。

 

彼女の行動をすべて止め切ったことで、美琴の答えを聞く未来に進んだという事。

それでもこれから、まだまだ試練は待ちうけているわけですが、それはまた別のお話、

 

彼女自身もまた、人と寄り添えるのならと、感じていたのだと思います。

 

 

余談ですが、「ツチノコ」は野槌に似ている事から付けられた名前なのか、それともツチノコが実在したとして元となって伝承に残ったのが「野槌」なのか。

 

ヒヨコが先か、玉子が先か、的なね。

 

 

黒子役「浜崎正太郎」くん

昨日すでに出ちゃってた彼ですw

 

僕はハマショー(あだ名)に言いました。

 

「全力で気配を殺してください」と

 

すると演出山田氏も同じ事を言っていたと。

 

「黒子」

全くもって架空の妖。

 

もしかしたら影や黒い塊としてはるか昔から存在したのかもしれませんが、その認識阻害能力で伝承にさえも残らなかった。

 

という想像から生まれたキャラクターw

 

黒子、常に野槌とバディを組んで行動していましたが、最後には体を張る方に行きます。

そして最初にファーを釣り出したあと、その後姿を消したのです。

 

もしかすると彼は融和派であり、神サイドのもので、うまく事が進むようにしていたのかもしれません。

野槌のそばにいたのも、万が一対策だったのかも。

 

書いているうちにそうなのかなぁと思って綴った後付け談でした。

 

 

雷電役「宮本親臣」くん

 

今作においてアクションコーディネーターも務めてくれた「ミスターSEPT」の一人。

 

初めて見た時彼は2mをこえる高さから伸身後方宙返りで地面へと降り立ちました。

 

その瞬間がSEPTのスタートだったのかもしれません。

 

そして今回、初めて外からSEPTを見た僕は、あの時と同じように心を奪われました。

 

ここまで来るのに、たくさん戦ったし、言い合って

 

最後には自らのパフォーマンスで引っ張るアクションで魅せてくれました。

 

 

「雷電」

名前の由来は実在したであろうあの最強力士。

そんな最強力士が鬼だったら?そんなイメージで具現化したキャラクターでした。

 

烏飼さんとはその昔戦場であった事があったんでしょうね。

敵味方に分かれて。

雷電が一騎当千の働きをしたことで、烏飼さんは雷電の名前を知っていたのだと。

 

彼も同じく時代に取り残された妖。

人の世で長らく横綱として君臨したが、敵がいない。

戦さ場で暴れても、個の武勇を示すには物足りない。

人と共に生きた長い時間に価値を見出せなくなっていた。

しかし平和の世の中に移ろいゆく時代。

自らの居場所はなく、一人での修練の日々で黒く染まっていく思考。

もはや富も名声も親愛や愛情さえもいらない。

ただもう一度、力を出しきりたかった。

ぶつけ合う好敵手が欲しかった。

 

人だけではなく妖さえも、名前を聞いただけで恐れおののく鬼「雷電」。

 

今一度乱世が来るのならと反対派に力を貸す事に。

そこでまさか自分の力と拮抗するものに出会えるとは。

すべてを出し切った雷電の顔は晴れやかで、はるか昔に忘れたはずの笑顔で闇に消えていく。

 

 

反対派彼らもまた、個々の感情をもつ心ある者たち。

だからこそ一人一人にドラマがあり、様々な形の「自由」を求め、向き合うために戦い、謀り、そしてさらけ出す必要があったのでしょうね。

 

 

次回は神チームと、人間チームを。